精神疾患に見える発達障害シリーズ②

 強迫性障害に見えるADHDやAS

 ASとジャイアン型ADHDにはそれぞれ特有の強迫症状や強迫的傾向があり、見かけは「強迫性障害」となるが、特にASの場合ケアとしての「認知行動療法」が逆効果になる場合がある点で注意が必要だ。

 ASの強迫症状はASの自閉的なこだわりとしての場合と二次障害の場合があるが、いずれも「皮膚感覚の延長線上」という特徴があり、「身体的な違和感」「穢れた感じ」という様に体験されるため、本人が「不合理」と感じることは少ない。

 対してジャイアンの強迫症状は一種「抽象的」で、ガスの元栓確認とか、「車で運転中何かを踏みつけた」とか、「全部確認しておきたい」といった強迫的不安を背景にすることが多い。こちらは本人も「不合理」と頭では分かる。

 表面だけ見るとASの場合は統合失調症と間違えられやすく、ジャイアンの場合はいわゆる「強迫性障害」と診断されるだろう。

 ここで重要なのは、ASの場合、厳しい行動療法が裏目に出ることがあることだ。あるASのケースは、思春期後半に受けた厳しい行動療法を「大人のいじめに遭った」と表現して、その後の人生でうまく行かないことがあるたびに、「あの時の体験のせい」という話になる。ASの場合は注意しないと「取り返しのつかないトラウマにしかならない」ことが重要だ。

 鑑別はいずれも、他のASやADHDとしての認知と行動の特徴を調べれば分かる。ジャイアンは片付けは出来ることも多いが、状況認知の不器用さや思い込みの激しさは明らかにADHDなので、除外はそれほど困難ではないと思う。

 ASやADHDの場合は、炭酸リチウムが有効なことが多い。

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