2007.07.14 00:32 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  AS(アスペルガー)関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 37

「内と外」の構造

 ASの「内と外」の行動の違いについて私は以下のように考えている。

 もともとASの人にはオオカミ的な「仲間はすべて理解しあい、その他は敵」というような人間関係の極端な愛着のパターンがあり、文字通り、「愛着の対象は自分のことをすべて理解してくれるのが当たり前で、また相手のことはすべて理解したい」、逆に愛着の対象のほかの人には「大事なことを知られてもいけない」ということになる。

 「外」はその愛着以外の相手に対するパターンで、自分の本性を出さずに表面的に合わせている世間的な行動だ。自閉的なこだわりを除けば、表面上は多数派とほとんど変わらない行動ができる。ただ、ほとんど外では「自己主張をしない」という特徴がある。

 「内」は愛着の対象に対する行動パターンで、特に思春期の母親への行動は、「一切自分は我慢しないで母親がすべて受け入れるのが当たり前」という非常に極端な形となることが多い。誰が見ても非常に自己中心的な要求をし続け、時に暴力にも及ぶ激しい母親に対するバトルとなる。  

 この二つの極端な行動の変化は、意外だが「本人にもコントロールできない」。自分でも不合理であると理解しても、母親の前では「止められない」という本人の証言がある。

 このASの人の行動は外では大人しいのに、家では豹変して親の愛情を試すようなことをし続ける、世間で「人格障害」「家庭内暴力」と呼ばれるようなケースと酷似している。  

 このパターンとならないカギは「ASの早期の診断」と、「外と内の境界を少しずつぼかしていく」「適度に自閉的な部分を出して周囲が受け入れる」という思春期以前の環境からの働きかけにある。 

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