2007.06.25 21:38 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  AS(アスペルガー)関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 20

ASの内と外①

 最近小学生のASの児童を診ることが多くなり、学校の先生方にASの説明をする機会も多い。そこで不思議に「学校では普通です」と言われることがよくある。家で、特に愛着の母親の前ではかなりハードな自閉的なこだわりを見せる子でも、学校では大人しく「普通」にしているのだ。

 この「学校では普通であるのに家ではこだわりが強い」という現象を「ASの内と外の二面性」と呼ぶことにする。 

 この二面性を細かく遡ってみると、起源は幼児期の「人見知り」から来るようだ。母親などの愛着の相手とそれ以外の愛着の二面性がそのまま社会的な二面性へと成長する。

 私は学校の先生方には、「周囲に全面的に合わせ続けたら(強迫性障害や身体症状などの)病気になる」と説明している。自ら外向けのスタイルで自閉的な部分を隠して周囲に大人しく合わせ続けることはストレスになるに違いない。

 本人の自閉性の程度にもよるが、この二面性は思春期になるとかなり深刻に表面化する。「内」での母親へのこだわりをぶつける態度が激しくなり、ほとんど家庭内暴力のような状況になる。これはやはり「外」で自閉性を出し切れないストレスから来るのだろうと私は今のところは考えている。

 また高学年からの不登校という形で表面化することも多い。高学年になり周囲に合わせることが実際上困難となってきて、かと言って自閉的に振舞うわけにもいかず、「行かない」「引き籠る」という選択しかないことになる。

 だから私は、低学年から「内」の状況である家に学校の先生に来てもらったり、「外」の友達に少しずつ自閉的な部分を出していくことで、この二面性の境界を少しずつぼかしていく必要があると思う。

 私の考える理想は、「適度に自閉的な部分を出しながら理解されて受け入れてもらう」という環境だ。特別支援の個別対応などを駆使してこの状況を作り出す「環境調整」が必要なのだ。

 特にできるだけ思春期になる前にやっておきたい。   

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