私は小学校高学年には、「色即是空」(物事には実体がない)という文章を見て「当たり前なのに」と感じていた。冷たい水の中に沈んで水面の上にある世間を眺めていた感じで、その後何度も死ぬことを考えた時期には、「僕は最初から一日も生きていませんでした」という感じだった。
30を過ぎて精神分析のゼミをきっかけに「再インストール」したときから人と多少関われるようになったけれど、それまでは病的な「離人症」の状態であったと考えていたが、今考えるとどうやらこれはジャイアンの根本的な立ち位置であったかもしれない。
ジャイアン(自己正当化型ADHD)は自分に関連するものや人だけしか認識しない。本当の「他者」は相当の努力や幸運がないと感じられるようにならないと思う。はじめは「どうしようもなく世界にただ一人」なのだ。
他者との結びつきや、関係性の中で自分のアイデンティティーを確認することもできず、意識して一秒一秒頭に何か「継続した自分の証明になるもの」を持ち続けなければ、一秒前の自分をも見失ってしまい、自分が誰であるかわからなくなってしまう。自分の存在はいつでも簡単にふっと消えてしまうような「空虚感」がジャイアンの感じている世界の本質だろう。
すがりつくものを探す死に物狂いの努力はこの空虚を埋めるためにある。ボーダー(境界性人格障害)の人のように人を振り回し続けたり、「一番」、「中心」の地位に固執したがったり、そうでもし続けなければ自分は直ちに消えてなくなってしまうのだ。
結婚して子供も持ち、仕事もある程度安定して来た今でも、この根本にある空虚はほとんど変わっていない。脳の働きの根本的なところの問題だからだろう。
子供のときから世の中の一切のことを諦観したような「空虚感」という立ち位置がジャイアンの最初の出発点であるというところを今考え続けている。
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