一見被害的(見方によっては誇大的)な認知には、A「統合失調症の被害妄想」、B「躁うつ病の誇大妄想」、C「ASの関連付け発想」、D「ジャイアンの自意識過剰」、E「ACのお節介」などがあり、似ているが少しずつ違う。

 まずA統合失調症の被害妄想は、私の印象では「自我の境界が不鮮明となって、自分の中に他人の考えが入ってきたり、自分の考えが他人に伝わったりするように感じる」というイメージだ。

 この意味では、Dジャイアンの自意識過剰は少し近いと思う。言ってみれば「自我の肥大」とでも言うべきことで、「世の中のことは全部自分に関連する」(自分に関連しない他者は何も見えていない)という意味で自意識過剰となる。他にも私はジャイアンと統合失調症はある意味で近く、共通点が多いように思う。

 B躁うつ病の誇大妄想は、自分と他者は見えてはいるが、立場、位置関係が自分のほうが上に立つという形で、ジャイアンよりは病的でないように思う。

 CのASの関連付けは、AS流に自分と他者は認識されているが、「自分と他者が非常に近く認識される」、「偶然が認識できない」というAS独特の認知の特徴から来るもので、被害妄想とは全く違うが、実際の臨床の場では専門家もあまり区別し切れていないのではないかと思う。

 ACも見方によっては自意識過剰で誇大的である。「私が支えてあげないと」と自他の問題の区別ができない。これは自己評価の低さと見捨てられ不安から、周囲の人の行動を「自分への評価」という部分だけを異常に拡大して認知するという認知の歪みにより、自分と他者の区別が冷静に見えなくなっている状態と言える。

 私はA、D、C、B、Eの順に病的という印象を持っている。A、D、C、Bはいずれも炭酸リチウムが有効だ。

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