2007.04.09 00:15 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  ADHD関連  |  AC、人格障害関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 8

自己正当化型ADHDのACのケア

 現在私の外来診療の場でも、自己正当化型ADHD(のAC)と診断している人は実際に居られるが、本人は「パニック障害」とか「うつ状態」との認識で特に発達障害であるかどうかの診断のニーズがないため、説明はしていない。

 毎回ひとしきり「周囲の人が困ったことをするので自分のストレスが大きい」と一時間近く話していく。私はそのまま本人の「困った」お話を聞いて、抗うつ薬や感情調整薬を処方するという診療をしている。

 本人は「話を聞く」「是認する」ことを求めていて、自分自身が変わるニーズはないことが多い。今のところこういうことを続けていて、私自身は実はそれほどストレスを感じない。

 その理由は、「薬はある程度有効である」ということと、多くの場合発達障害を持つご家族を別の形で診療しているので、ご家族のほうへのケアの一部として考えているからだ。

 ただ若い人の場合、治そうと積極的に私が動く場合があり、その場合は「徹底した直面化」ということになる。自己正当化型ADHDであることの説明よりも、「本人が今置かれている状況を客観的に受け容れるようにはっきり言う」ということになる。

 極稀に、客観的な状況が非常に厳しくなり、現実の中で問答無用に追い詰められて、認知の修正が進んでいるケースがあり、そういうケースには私自身びっくりしているほどの改善がある。

 根本的に表面的で自分に有利か不利かだけにこだわる認知が、少し複雑に合理的に修正されることは環境のありよう(徹底的に追い詰められる)によっては可能だ。だから治療の場で治療関係を切らないようにして本人が追い詰められる状況を妨げないということを粘り強く続ける。

 ただ同じような話を聞き続けている中でも、現実のその人の人生の中で、どのタイミングかで追い詰められるときが来るかもしれない。その時に直面化してもらおうとタイミングを待ち続けるというスタンスが必要になる。

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