ADHDが表面上ASに似た状態になるものの一つは、「AS被影響症候群状態のADHD」がある。

 ADHDが、主に接する親や配偶者にASがいる場合に、そのASの価値観や主義に合わせなければならないと思い込み、本来のADHDらしさを押さえて強迫的になる状態のことを私はAS被影響症候群と呼ぶ。

 実際のケースでは、強迫的に家事を必要以上にきちんとしたり、子供にも異常に厳しくなったりする。不安が強く、閉所恐怖症になったり、「車で何かを踏んだと思い何度も戻る」などの風変わりな確認強迫の症状が出たり、パニック障害様になったりする。

 ほとんどの場合はDVなどの経過で「離婚や別居してから驚くほどずぼらになった」という見かけとなり、その後はADHDらしい見かけになることで分かる。環境が変わらないと、診断自体がなかなかつけにくい。

 この状態のADHDは、ゆとりが無く、発想の自由さを失い、家族やパートナーのASの言うことが絶対のように考えるが、ASのような「関連付け」は目立たない。

 自分が強迫的になっているので子供にも支配的となり、また予定通りにならないことに恐怖感を持つので予定の変更にはパニックになる。

 このように見かけはASに似ているが、例えば結婚前の性格傾向や、子供の頃の情報があれば区別できる。また実際の経過の中で「急に変わる」ことがあればASと違うと考えたほうが良いだろう。

 ASに似たADHDの状態としては、この他に「ADHDのAC」、「過集中状態」、「先延ばし状態」などがある。順に論じていこう。 

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