ここまでASの認知の特徴について考えてきたが、こういう認知の仕組みを持ち、しかも多くのASの人は「自分のものの見方が少数派でない」と考えていることが多い結果、現実の世界ではトラブルが起こる。
そのトラブルの多くは「クレーマー」と呼ばれることになる。
例えば官公署の公務員の対応など、「世間並み」の対応であっても、AS流の「原則論」「当たり前にこうあるべき」という高い基準から言えば、徹底的にけちをつけたくなるのは想像に難くない。
さてASが(実はこの部分はADHDも同じであるのだが)「ASから見て当たり前」に窓口に苦情を言うと、多数派の世界から見ると「とんでもない細かいことにけちをつける異常な人」とか、下手をすると「難癖をつけて脅している」という風に見られてしまう。これが「クレーマー」という言葉のニュアンスだ。
まず表現が理屈っぽく厳密であり、記憶力が良く、法律なども勉強して理論武装しており、また強い口調や態度、特に怒っている感情のほうが伝わると、脅しているように見られるのだと思う。
実は私自身も時々クレイマーとなる。ADHDも「プロ意識」には非常に厳密で、「国民の税金使っているのだから」とか「この仕事で給料もらっているのだから」とか考えるのはASの人と結果的には似ていると思う。
私の場合は、「世間の中でADHDくらいが言わないと改善しないだろうから」という私なりの社会全体を見定めた一定の方針で行動している。何でもかんでもではなく、「現実がひどすぎるからそのクレームで現実的にも改善が必要で、多数派の人はそこまで言わないだろうから」とか、「社会的弱者やマイノリティーの権利に関すること」の場合は固執してクレームをつけることにしている。
ASの人も、「自分の認知は少数派である」ことを前提として、その上で「どこまでクレームをつけるか」についての自分なりの方針を立てることをお勧めする。何でもかんでもクレームをつければ、自分の社会的立場が悪化するだけであるし、100パーセント世間の全ての窓口を変えることは出来ない以上、自分のエネルギーをどこまでその問題に費やすかのバランスを考えないといけない。
発達障害は「クレーマー」となっても良いので、一定の方針の元に、起こりうる結果まである程度計算して行動しよう。
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