2007.01.25 08:25 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  ADHD関連  |  AS(アスペルガー)関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 3

問題の自覚

 ADHDの認知とその結果の努力について事細かく説明してきたが、ここで理解して欲しい大事なポイントは、「問題の自覚」だ。

 ASの人のコメントの中に、「私も人間です」という表現があり、実は私は「うらやましい」と感じた。かつての私は、(自己正当化型ADHDからも)親からも繰り返し「変わっている」と言われ続け、「自分は変わっているのだから他の人と同じように楽しくなくても当たり前なんだ」と思い込んで思春期を過ごしていた。

 だから「自分もいつかは人間だと言える様になるのかなあ」というのが元々の私の自己評価で、始めから「人間です」と言えるのはうらやましいわけだ。私は極端かもしれないが、自己正当化型を除き、ほとんどのADHDは思春期に入る段階で自己評価が下がり、その代わりに「自分に問題があること」を自覚する。

 だからほとんどのADHDは「自分自身を変えなければならない」ことはすでに出発点から分かっているということをASの人に理解して欲しいと考える。多くのADHDが、診断されて「楽になった」というのは、自分ですでに自分の問題を自覚しているからだ。

 その立場からすると、「多数派と違って同じように問題があるのにそれを認めず、自分の問題を自覚しない」というASの当初の立場が非常に傲慢に見えると言う状況を想像してみて欲しい。 

 このブログで私がかなり「はっきり」書いてみた結果、ASの認知のゆがみに気付かれたASの人は、ADHDから見るとある意味で「やっと自分たちと同じスタートラインにたどり着いた」ということになる。

 問題の自覚が無ければ、診断が分かっても当然否認するだろう。しかし問題を自覚された方は、「自分こそが普通だと思い込んで独善的に問題を自覚することを拒む」状態が非常に不幸で、それこそ救いがたい状態であることは分かると思う。

 そのためには、誰かが一度は「はっきり」言うしかない。これは本人の前進のためにどうしても必要なことであり、辛くても乗り越えなければならないことである。

 それが分かっていて、「相手が辛いだろうから」という「理由で本当のことを言わないことを私は「配慮」とか「優しさ」と呼ぶべきではないと(個人的には)考える。  

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