前回はADHDから見て、ADHDとしての人間を大事にする「相手の生きていく自発性、可能性の尊重」という原則から、ASの支配がどう見えるかをかなりずばり書いてみた。少なくともADHDに対しては支配は人間としての価値の否定になる。
ここで理解してほしいことは、「苦しんでいるのはASだけでなく、相手も同じである」と言うことだ。
さて今回はASの側の視点に戻り、「生きた人間としてのADHDとの共存のためのASとしての最低原則」を探ってみよう。
1.まず「ADHDにとって自由や自発性、未来は何も決まっておらず、自分で自分の行動を決定できる権利はかけがいの無い重要性を持っている」ことを頭で理解する。
2.次に「ADHDの行動については基本的に全面的な自由を認める」 決意をする。ただしこれは自由を認めた後の「期待」「相談」や「交渉」の可能性を否定しない。例えばADHDとはいえ何でもして良いということではない。ASの側の人格を否定するような言動については「理解を目標に相談する」ことは出来る。ただし結果としての「完全な理解」は要求しない。
3.「ADHDの心の中のこと、意図や真意などについては完全に理解することを断念する」または「理解は本来不可能であることを認める」努力をする。相手のことを完全に分かっていると感じるとすれば、それはこじつけの断定でしかなく、ADHDの人格の否定にしかならない。
4.上記と同様に「相手が自分のことを完全に理解することは不可能である」ことを認める。それを要求しないように努力する。
5.ADHDと共存する場合、共にする生活については、「未来は完全に不確定で何も決まっていない」ことを認める努力をする。自分で「予想」や「期待」はしても良いが、これはあくまでも自分だけの中の予想であり、相手には「単なる一方からの希望」として表明する。
6.上記の「努力する」と書いた部分については、これは「努力目標」と理解し、結果として完全に実行できる意味での「義務」ではない。人間は不完全であるから、努力していれば相手はその努力の事実のみをもって「目標に近づいている」と理解する。ただし、相手から「努力の不足」を指摘された場合は、謙虚に受け止め、その反論については(反論自体を封殺するような形では)言葉によってもその他の態度によっても不満を表明することはしない。(上記と同様に理解を目標に相談することは出来る)。
表現が分かりにくいかもしれないが、これを最初の「叩き台」として、いろいろな意見を「期待」します。
私はADHDとして極度に不確定な見通しのつかない世界に生まれた時から生きている。だから逆に不確定な状況下での行動には慣れていて、「見通しがつかなくて予想外の発見があるからこそ生きていて楽しい」と感じることも少なくない。ある意味でASの正反対の極端な場所に立っていると思う。
例えば一人旅をしていて、旅先で偶然に知り合った人と語り合ったり、異文化に触れて自分自身についても新たな発見があったり、そこまで行かなくても、日々このブログの場所でもASの方とのいろいろな出会いの中で新しい出会いと発見がどんどん生まれて来ている。
人との関わりの一番楽しいところも、相手がこんな考えを持っていたのかと発見したり、お互いに話している中で自分の考えがまとまったり、私が良く感じるのは、他者の眼を通じて「自分自身についての発見がある」ということだ。
私は昨年末頃AS被影響症候群で「ASの人の考えは尊重するしかない」 と思い込み、ずばり反論することが想定出来ない状態になっていた。
それが、かなり追い詰められた段階で「これはASの認知を取り込んでいるだけだ」と思い立ち、この場でずばり反論することを試みた。その結果ASの方にも多くの発見があったはずではないだろうか?
然るにASの人はそういう反論がしにくいような態度を身近な人に取り続けている。想定外のことに言外に不満を表明し、積極的に想定外のことを受け入れる態度に欠け、過去の相手の発言を根拠に「首尾一貫しない」と相手を責める。
例えばASの人でも、上記のような態度を取られたら、それ以上自分を理解してもらうために説明したりする意欲がなくなるのではないだろうか?
この態度が新たな出会い、創造的な新しい交流や相手からの率直な反論や異論の表明を妨げていることを自覚する必要がある。言葉と態度で、想定外のことにもオープンな姿勢を示さない限り、身近な人に支配的になることは免れない。
例えば非常に極端な話、ASの人は相手がロボットで全く同じ想定内の対応を取り続けたほうがいいのだろうか?
相手が生きた人間である意味があるのだろうか?
かなり厳しい書き方になったけれど、ADHDから見ると実はこれくらいに感じる。
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