ASの人ついても可能性を書いておこう。
<ASの可能性>
ASはASの特性を活かして、多数派に出来ないことを成し遂げる可能性を持っている。
1.過集中による一人の作業の長期間の継続、細やかさ、能率、質の高さ (研究者、コンピュータ関係技術者、職人、プロのスポーツマンなど)
2.音楽的(絶対音感等)、美術的、詩的文学的感性を活かした芸術的な可能性 (アーチスト、作家など)
3.仲間への面倒見の良さ、義理人情に厚い人柄を活かした社会参加 (老人福祉や障害者福祉関係など)
4.同じ作業をきちんと誤差なく繰り返し遂行する能力を活かして細かな手作業を正確に遂行する可能性 (縫製、電気製品の組み立てなど)
5.利害を超えた正義感を活かして、強い力を持った組織などの不正をを監視する社会的立場
6.「絶対的な利他的奉仕が出来る」特性を活かして、自己愛やボーダー等の人格障害の人の回復のパートナーとしての可能性
ASの特性をプラスに活かすと多数派には出来ないことが幾つもある。過集中はADHDと同様であるが、ASのほうが継続性があり、パフォーマンスはむしろ高い。この可能性を想定することは、生き方を選択する際に必要である。
これまで自己コーチングについて書いてきた。「生き方の選択」を書いてみて、一つ思いついたので「追補」として書いておこう。それは可能性についてである。
<ADHDの可能性>
ADHDはADHDの特性を活かして、多数派に出来ないことを成し遂げる可能性を持っている。
1.過集中による一人の作業の単発的な驚異的スピード、能率、質の高さ (研究者など)
2.先入観に捉われない豊富なアイディア、発想の広がり、豊かさ (アーチストの他にもさまざま)
3.「表裏の無い正直さ」「常識に捉われない自由さ」を活かして、弱者、懐疑的な人、世間で理解されにくい人、社会で受け入れられ難い人へのサポートが出来る (非行ケースや犯罪者の更正、人格障害のケア等さまざま)
4.移動や不確実性、危険を苦にしないことを活かした社会参加 (冒険家など)
5.利害を超えた正義感を活かして、強い力を持った組織などの不正をを監視する社会的立場
6.その他何でも「損得抜きの常識的以上のエネルギーを要する作業」全てに使える可能性がある
7.どんな苦境に立っても前向きに現実的に解決策を考え続ける特性を活かして、相談業務や人の回復を支援する役割が出来る。(医療や福祉の場での相談、支援者、ケースワーカーなど)
ADHDの特性をプラスに活かすと多数派には出来ないことが幾つもある。この可能性を想定することは、生き方を選択する際に必要であることに気がついた。
さて自己コーチング②で「己を知る」というプロセスをある程度経た後で、再び「どこを目指すか」という実践的な選択の場面となった。
特にASの場合、積極奇異型の人はどんなに辛くても病気になってでも人間たちの中心を志向する。受動型の人は一人になれない。孤立型の人は逆にその繊細さゆえに生きる場所が限られてくる。
ADHDも、表面上は外交的に見えながら実は偏屈な人種であるので、「普通をどこまで目標とするか」の目安を定めなくてはならない。
ここで再び「発達障害の真実」を確認する。
「発達障害は本来自分に正直に生きるしかない」
「多数派に合わせようとすればするほど病気になる」
「多数派に合わせようとして報われなかったときのダメージは非常に大きい」
「一番周囲への害が少ないのは偏屈の線である」
後は各自、自分の人生について考えよう。
「自閉的にひっそりと自分に極力正直に生きる」自閉的な生き方も良し。
「可能な限り普通に生きて、そのためのストレスは薬物療法やコーチングでクリアしていく」という生き方も良し。
その生き方の大筋を本人が決めた後に、周囲のサポートの基本方針が見えてくる。http://www.geocities.jp/yanbaru5555/adaptation.htm
自己コーチングガイド各論② ASの自己理解そのH (その他の諸特徴)
H.ASのその他の諸特徴について理解する。
<感覚過敏・強迫症状・身体症状>
多数派の感覚は、「意味や状況で逆に感度が調節できる」というような特性を持っており、「自分に関係ない」と思えば聞こえなかったり(実際には耳には入っているが情報として脳の中で小さくなったりして)、運動会のピストルのように初めから分かっていれば驚かないレベルに調節したりして、外界からの情報を取捨選択調整するメカニズムが働いていると私は考えている。
これに対しASの感覚の特徴は、全体的に感覚は過敏であるのに加えて、「興味関心のある情報が増幅される」、「人に関する(特に感情的な)情報が増幅される」ことと、「取捨選択できないでナマの大きさそのままが入ってくる」と表現できるような特徴がある。
例えば目の前の人と話していて、話題が興味のないことであったとして、遠くで関係ない人が話していることに興味があったりすると遠くの話し声だけが聞こえたりする。分かっていても運動会のピストルの音が怖かったり、車の音などの人工音が極端に気になったりする。
聴覚の他にも、身体全体の触覚 、味覚、嗅覚などは過敏で、ちょっとした接触でも非常にびっくりしたり、食感で極端な偏食となったりする。
この感覚過敏の延長上に、「強迫症状」がある。入浴や手洗いに非常に時間がかかったりする。
また、これらの感覚過敏や強迫症状の程度は、ストレスによって変動する。ストレスがかかると、聴覚過敏や体全体のかゆみ、強迫症状などの他、頭痛や動悸、吐き気、ふらつき等のパニック障害様の症状、下痢や腹痛などの過敏性腸症候群様の症状も出現するため、心療内科にはパニック障害や過敏性腸症候群、社会不安障害として受診することも多い。
<しゃべり方、声、文章表現など>
ASの人は積極奇異型や孤立型などの場合、多数派から見ると「状況に関わりなく、丁寧であるが敬語の使い分けがない」独特のしゃべり方(教授と呼ばれたり)になることも多い。話は自分の興味があることの場合には長く、詳細に、聞いているほうの反応に関わりなく続ける。身振りは少ないことが多い。
文章表現は「非常に簡潔で一行しか書かない」場合と、「非常に詳細で長文になる」場合がある。
<服装や車、持ち物へのこだわり>
ASの人は全く同じデザインの色違いを続けて着たり、白黒だけであったり、服装のこだわりがある人が多い。持ち物にも、メーカーやブランドにこだわったり、多数派には説明しても理解しにくいこだわりが多く見られる。
あなたの生活で上記の説明に当てはまることがありますか? 具体的に書き出してみましょう。
ASの人にとって感覚過敏と強迫症状は非常に切実な問題で、一般世間での生き辛さの大きな部分を占めている。特に聴覚過敏と強迫症状はストレスと相関することが多く、これらの症状の悪化は、本人も周囲の人も、「現実生活のストレスが大きい状態である」と認識する必要がある。
外見上の特徴は、「風変わり」「個性的」「超然とした」「孤高」等と評されるが、基本的に丁寧であり、一貫性があるために、「ひとつのスタイル」「個性」として認識されうる。
ただ「自分がこう見られている」ということを理解しておくことは必要だ。またこれらの表面上の諸特徴には、認知と行動の本質的な特徴が現れていることが多いので、時々客観的に見直す作業は自分自身に関する気付きにつながる。信頼できるサポート者に時々印象を聞いてみるのは役に立つことである。
自己コーチングガイド各論② ADHDの自己理解そのH (その他の外面上の諸特徴)
H.ADHDのその他の(外面上の)諸特徴について理解する。
<服装や髪型、化粧など>
多数派の人は多くは服装を決める際に「どう見られるか?」「これから向かう場の状況にふさわしいか」についてかなり注意を払って考える。
これに対してADHDは(見た目にこだわる場合を除き)「見られることを意識しないで自分が着たいものを着る」という風に服装を決めることが多い。
多数派から見た反応としては、「薄着が多い」、「若い人は大人っぽく見え、年をとると異常に若く見える(格好をする)」、「若い人は露出が多い」、「刺青などがあっても隠さない」等が多数派から見て「意外」と思われることが多い。
<しゃべり方、声、文章表現など>
ADHDは多くは声が大きく、早口で途切れなくしゃべり続けることが多い。全体に多弁で、抑揚は少なく同じことをいろいろに言い換えながら何度も説明する。派手なジェスチャーをまじえる人も多い。相手から「相槌」を入れる「間」はとりづらいと見られる。
メールなどの文章も長くなりがちで、相手の反応よりも自分の訴えを最後まで書ききろうとする。敬語はあまり使わず、「ぶっちゃけた」表現が得意で、「本音トーク」というような設定では好評を博することもある。はっきり言うために「毒舌」「はらはらする」等といわれたりする。
<荷物が多い>
ADHD「は忘れることが多い」からという他にも、「使うことがあるかも」という考えから勢い荷物が多くなる。用途が終わってもかばんから出さないからでもある。
<歩き方>
多くは早足で、せかせか前傾して歩く(と私は言われる)。前だけを見て、横や後ろから話し掛けられても気付かない。
行き先と行き先に到着した後のことばかり考えて歩いているからであると思う。
あなたの生活で上記の説明に当てはまることがありますか? 具体的に書き出してみましょう。
こういった点は、多数派は「状況を弁えない」と感じることも多いが、表現の自由に属することであり、例えば葬儀や結婚式など明らかにある種の服装が顰蹙を買うことを除けば「自分のやりたいようにしていれば良い」と考えている。
ただ「自分がこう見られている」ということを理解しておくことは必要だ。またこれらの表面上の諸特徴には、認知と行動の本質的な特徴が現れていることが多いので、時々客観的に見直す作業は自分自身に関する気付きにつながる。信頼できるサポート者に時々印象を聞いてみるのは役に立つことである。
自己コーチングガイド各論② ASの自己理解そのE (こだわり)
E.ASの「こだわり」の脳の特徴を理解する。
多数派は どんな対象に対しても、適当なときにある物事への注意集中を開始し、適当なときに切り上げ、また適当なときに再開することについて、まんべんなくコントロールが容易にできる。
逆に、あることに集中していても、いつでも切り上げられるように「脳の全体を使う」というような集中の状態にはならず、常に日常生活全体の中で「バランスよく」集中の状態がコントロールされる。
パソコンで言えば「システム全体を調整するプログラムが常駐して、一つ一つのタスクを適宜コントロールしている」というイメージとなる。
これに対しASは、注意集中も考え方も好みも、ほとんど全ての認知と行動が「変化に対応できない」特徴を持ち、それが時として合理的な説明が不可能なことから、「こだわり」と呼ばれることが多い。
パソコンで言えば「一つのタスク、プログラムを立ち上げると、電源を切るまで終了できない」というような形で融通が利かない。
私はASの人の脳は、「ワーキングメモリが異常に大きい」というイメージで捉えている。一時に思い浮かべる時間の長さ(未来と過去に数年以上)も、訴える事柄のディーテイルの細かさも、膨大なメモリが無いと収容できない。
この脳の状態をそのまま実行に移せば、外からは「異常に融通が利かない」「頑固に状況の変化に抵抗する」「不合理なこだわり」という印象となり、ここが一番ASの人の理解されにくいところだ。
あなたの生活で上記の説明に当てはまることがありますか? 具体的に書き出してみましょう。
この困難さを克服する方法は、「物理的社会的に変化の少ない環境に身を置くようにする」という方法しかない。
関心の範囲を思い切って絞り、パソコンで言えばシングルタスク、プログラムを一つしか使わなくても仕事に支障をきたさないような生き方をする。
例えば研究者や職人、時にはスポーツ選手、アーチストなど、狭い領域のことしか考えなくてもいいような生き方を出来れば、ASはむしろ「才能」に転化できると私は考えている。
周囲の人の理解は別にまとめる予定であるが、周囲からは「こだわりは了解不能でも本人もコントロール出来ないので仕方が無い」と考えるしかない。本人も好きでこだわっているわけではなく、どうしようもなくこだわりがある。だから「こだわりから来る本人の人生へのマイナスを最小限にする」ということを本人も周囲の人も考えていくしかない。
上に書き入れたあなたの困難さに対して、上記の工夫を具体的に考えてみて書き入れてみましょう。
自己コーチングガイド各論② ADHDの自己理解そのE (刺激を求める)
E.ADHDの「刺激を求める」脳の特徴を理解する。
多数派は どんな対象に対しても、適当なときにある物事への注意集中を開始し、適当なときに切り上げ、また適当なときに再開することについて、まんべんなくコントロールが容易にできる。
逆に、あることに集中していても、いつでも切り上げられるように「脳の全体を使う」というような集中の状態にはならず、常に日常生活全体の中で「バランスよく」集中の状態がコントロールされる。
パソコンで言えば「システム全体を調整するプログラムが常駐して、一つ一つのタスクを適宜コントロールしている」というイメージとなる。
これに対しADHDは、注意集中も突然途切れたり、飛躍したり、時には集中しすぎて他のことが全く出来なくなったりと、脳の働き全体の調整機能がうまく働かない。
その結果「いくつものタスクがバラバラに調整されないで走り続ける」という状況となり、メモリが不足して突然シャットダウンしたり、スタックして他のタスクに移れなくなったり、全体のバランスが取れない。
私はこのADHDの脳の状態を「水の上に浮いたたくさんの丸太の上を飛び移り続ける」という風にイメージしているが、こういう脳を持っていると必然的に「刺激を求める」ということになる。
言わば「強い刺激で特定のタスクを呼び出す」「強い刺激で他のタスクを止める」という乱暴だが確実なADHDの脳の統御の仕方であると想像している。
ADHDは刺激を求める。ギャンブル然り、旅行然り、見通しが利かない冒険は刺激に富む。新しいものは最初だけは刺激がある。しばらくするとマンネリとなる。脳の関心は別の刺激的な対象へ移り、かくしてどれも長続きしない。
あなたの生活で上記の説明に当てはまることがありますか? 具体的に書き出してみましょう。
この困難さを克服する方法は、「何でも新鮮さを保つ」ということになる。少量のSSRIやリタリンなどで脳の働き自体を調節可能とするという方向性ももちろんあるが、環境を思い切ってADHDの脳に合わせるという方法もある。
「生き方全体が冒険」という生活や、「移動し続ける」という旅行はそれ自体が刺激となる。また一見平凡な日常でも、小さなことでも「意外な発見」があれば刺激になる。
興味のない勉強でも、興味のない家事でも、何か刺激となることに脳の中で「接続」すると、一時的には集中が持続する。そういう一時しのぎをたくさん用意して手を変え品を変え「目先を変え続ける」という方法は工夫してみる余地がある。
関連する道具をホームセンターや百円ショップへ探しに行く方法もあるし、女性の場合は新しい服を買ったり髪型を変えたりは常に有効であるようだ。
このあたりの気分転換の方法をたくさん持っていれば薬はなくてもある程度ADHDの脳がコントロールできる。
上に書き入れたあなたの困難さに対して、上記の工夫を具体的に考えてみて書き入れてみましょう。
自己コーチングガイド各論② ASの自己理解そのG (対人関係の特徴)
G.AS特有の対人関係の特徴を理解する。
多数派は対人関係を、全体として複数の人で構成される「場」として認識し、その一要素、一構成員として自分自身や他者を認識する。「場」においては、自分自身から見て重要な人と重要でない人の序列(立場)があるほか、「場」全体の中での(雰囲気として察知される)「仕切る人」と「従う人」の序列(立場)もあり、そういう複雑な関係の絡み合った「場」全体が人間関係となる。
多数派はその中で、自分自身の序列(立場)や、相手の序列(立場)とを瞬時に直感的に察知して、基本的に「表立って対立が生じない」ことを重要として対人行動を決める。
従って、多数派は特定の二者関係も、その他多くの関係の中で「比較的近い相手との二者関係」であり、言わば重要性は「程度の差」であって、ある相手との関係が他の一切の関係に優先する「絶対的」であったり、また逆に「完全に平等」 ということもない。
これに対しASは、直感的な状況認知は多数派と共通するが、「人への愛着または執着」という大きな特徴があり、例えば多数派の「序列(立場)」が富士山のようななだらかな程度の差であるとすると、ASの「序列」は切り立った崖のようにゼロ百の極端な形で愛着の対象である仲間と他人を分ける形になる。
特定の相手との二者関係もやはり極端で、「お互い理解されるのであれば完全に理解されるしかない」という非常に厳密な理解と察知を要求することになるので、結果として「ケースバイケースの適宜の妥協」は困難となり、支配か絶対服従となることが多い。
私はASの人の対人関係のイメージを「オオカミの群れ」という風に想像している。仲間は徹底的に大事にするが、裏切りは許されない。
また、ASも自分が納得することを大事にし、対立を恐れないので、多数派の「建前を言って体勢に合わせても対立を避ける」という行動は理解しがたいことが多い。
あなたの生活で上記の説明に当てはまることがありますか? 具体的に書き出してみましょう。
この対人関係の特徴は、現実生活の中では、多くの場面では多数派から「程度を弁えない極端な行動」、「自己中心的」、「反省しない」、時には「挑発的」という反発を食らうこともある。
ASの側から努力するべき点は、「多数派が集団の「場」での対立を恐れる行動パターンを持っている」ことの理解と、多数派からの誤解を回避するための予防策だ。例えば、「重要なことは一対一の場で伝える」などは有効である。
また、「理解」の意味が違うことを理解することも重要だ。ASの求める「理解」は厳密で、「中途半端では許されない完全な理解」を要求することになってしまうが、多数派の意味の理解は、ただ「表面上対立していない」というだけの意味であり、それを(AS的には無意味に見えても)多数派は後生大事にしているのだということを理解する。
もうひとつ、ASは愛着の対象の相手は、無条件に「自分のことをすべてわかるはず」と前提してしまう傾向があるため、「基本的に誰であれ、自分でない人は、言葉で説明しなければ分からない」という単純な真実を繰り返し思い浮かべて確認することも重要だ。だから、「(自分も相手も)分かるはず」とは決して考えず、全て言葉で説明してお互いに理解する努力を続けると自分に言い聞かせ続けることが必要である。
上に書き入れたあなたの困難さに対して、上記の工夫を具体的に考えてみて書き入れてみましょう。
自己コーチングガイド各論② ADHDの自己理解そのG (対人関係の特徴) (ADHDのACは除外、別に論ずる予定)
G.ADHD特有の対人関係の特徴を理解する。
多数派は対人関係を、全体として複数の人で構成される「場」として認識し、その一要素、一構成員として自分自身や他者を認識する。「場」においては、自分自身から見て重要な人と重要でない人の序列(立場)があるほか、「場」全体の中での(雰囲気として察知される)「仕切る人」と「従う人」の序列(立場)もあり、そういう複雑な関係の絡み合った「場」全体が人間関係となる。
多数派はその中で、自分自身の序列(立場)や、相手の序列(立場)とを瞬時に直感的に察知して、基本的に「表立って対立が生じない」ことを重要として対人行動を決める。
従って、多数派は特定の二者関係も、その他多くの関係の中で「比較的近い相手との二者関係」であり、言わば重要性は「程度の差」であって、ある相手との関係が他の一切の関係に優先する「絶対的」であったり、また逆に「完全に平等」ということもない。
これに対しADHDは、人間関係を基本的に「一対一関係の集まり」と認識し、多数で構成する集団の「場」をほとんど認識しないで、基本的に一対一の場面での対人行動をそのまま集団の中でも適用してしまう。
また、ADHDは、基本的に特定の他者に執着はなく、「誰にでも平等かつ対等である」ことが対人関係の特徴である。人との関係は常に対等で、お互いを尊重し、束縛を嫌う。人に対しては、「理解(自分を理解してもらうこと)」だけは求めるが、「相手の考え方は自分と違っていて当然」で、対立を恐れることなく、同じになることを要求することもない。
また、意志伝達を主に言葉のみで行い、言葉の上の文字通りの「理解」がADHDにとっての全ての理解である。
あなたの生活で上記の説明に当てはまることがありますか? 具体的に書き出してみましょう。
この対人関係の特徴は、現実生活の中では、多くの場面では多数派から「状況を弁えない」という反発を食らうことも多いが、ある特定の場面ではプラスに働くこともある。「例えば仲間外れにされた人(弱者、疑い深い人等)と仲良くなる」 ことはADHDは得意である。
ADHDの側から努力するべき点は、「多数派が集団の「場」での対立を恐れる行動パターンを持っている」ことの理解と、多数派からの誤解を回避するための予防策だ。例えば、「重要なことは一対一の場で伝える」などは有効である。
また、「理解」の意味が違うことを理解することも重要だ。ADHDの求める「理解」は厳密で、必ずお互いの考えをぶつけ合うことを必要とするが、多数派の意味の理解は、ただ「表面上対立していない」というだけの意味であり、それを(ADHD的には無意味に見えても)多数派は後生大事にしているのだということを理解する。
上に書き入れたあなたの困難さに対して、上記の工夫を具体的に考えてみて書き入れてみましょう。
自己コーチングガイド各論② ASの自己理解そのD (物への愛着)
D.AS特有の物への愛着について理解する。
多数派は物を「特定の機能を果たす限りにおいて存在するもの」と認識し、人間を主体として、主に実用性や見かけの美観などで物の使用について判断するが、 所詮「物は物」であり、当初の機能をほぼ終えた物を捨てることに抵抗が生じることは少ない。(ただお年寄りなどに「もったいない」と物を再利用する習慣がある人は居られるが、再利用は多数派の中で一般的とは言えない)
これに対しASは、「物は物」であるのは多数派と基本的には同じであるが、「自分の身体と直接つながっている」というような体験上の「近さ」がある。幼児期から同じ毛布に愛着を持ち、洗うこともなくずっと身につけて安心するというような身体感覚の延長上に位置する物との関係がASの特徴だ。
衣服の好みにしても、食べ物の「感触」にしても、身体感覚の延長上に「こだわり」が見られる。「自分の身体につながったこだわりとしての物への愛着」というのがASの物への愛着だ。
例えば現実生活では、一方で非常にケチで節約するわりに、自分のこだわりグッズには惜しげもなく大金を投入するという行動パターンとして現れる。「ASにはカネがかかる」だ。
その結果、ASは、「思い入れがあるから捨てられない」ということになる。逆に思い入れがなくなると、近くに置く自体が許せなくて徹底的に処分する。そういうわけで物にこだわる(捨てられない)ASの心理は多数派からは非常に理解されにくい。
あなたの生活で上記の説明に当てはまることがありますか? 具体的に書き出してみましょう。
この物への愛着は、ASの自閉症としてのこだわりなので、本人自身にもコントロール出来ないところもあり、周囲の関係者も、「仕方のないこだわり」として尊重する以外にない。
本人の側から出来る努力は、同居者が居る場合には、「こだわりの(自室だけ等と)範囲を限定する」、「趣味の領域だけに限定する」等、こだわりとして譲れない部分と、妥協できる部分を、物理的空間的に分離するくらいだろう。
上に書き入れたあなたの困難さに対して、上記の工夫を具体的に考えてみて書き入れてみましょう。
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