私のHPには全国から発達障害に関するメール相談がある。相談内容に多いのは、「ADHDでもASでもない」と言われたというものだ。
通常診断には最低50例くらいは疑わしい例を経験する必要があると私は思う。私は心療内科に勤務しているが、内科疾患などで分からないものは可能性のある疾患を挙げた上で「自分には分からない」「専門のところに行きなさい」と説明する。
私はADHD、ASについて成人が大半であるが定期通院でそれぞれ30例以上、診断のみでそれぞれ同じ数くらい診ている。それぞれ初診時は心理士の予診に一時間、私の診察も一時間くらいかけて話を聞いて、それでも診断がつかないケースは家系図を3代前まで聞き、アルバムを持ってきてもらって生育歴を徹底的に振り返る。
現実的に考えて、成人発達障害症例をまとまった数診ている医師は少ないだろう。その状態で、「発達障害でない」という判断がどうして出来るのか私には分からない。
発達障害の本人は答えを要求する。答えが分からないだけで不安定要因となる。「でない」と診断されることは中立的でなく、身体症状などや抑うつなどの症状を悪化させることが多い。
私は当事者の方には、「でないという診断根拠を詳しく聞くように」と勧めている。診断とは所詮診断基準への当てはめであって、詳しく「この項目には当てはまるがこれは違うから」 と説明できるのが当たり前だ。これは最低限のインフォームドコンセントとして要求して当然であると思う。
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