私はADHDやAS(アスペルガー症候群)と解離性同一性障害が両方あるケースを数例見ている。一見ADHDやASは解離性障害とは結びつかないのだが、数年以上フォローすると分かる。
児童相談所の思春期リストカット症例などを丹念にフォローして行くと、最初に解離性障害であることが分かり、家族歴を調べるとASの人がいたりして、人格でなく「本人」のことが分かるにつれて、人間関係の異常な愛着などの特徴から「本人」がASであると徐々に分かってきた。
ADHDのケースも、思春期に大きなトラウマを経験し、受診するたびに服装も話し方も違い、面接の最初に「今日は誰かな? お話しするのは初めて?」と聞くことになる。
私はどの「人格」の場合も、まとまった「本人」を話題にして、結局人格と本人をどう治すか相談するような形となる。その中で人格を含めた本人が全体として成長し、神田橋先生の表現を借りれば、「人格の境界が不鮮明になる」ことをイメージしながら経過を追う。
そのステップのひとつとして、「本人」や母親の発達障害について説明し客観的に理解することは、本体が発達障害である以上、治療が展開するきっかけとなりうる。
だから治療は他の発達障害のコーチングと本質的には変わらない。「自分の特徴について客観的に正確に理解する」ということが大事だ。
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