2012年度診療報酬改定のポイント①
2012年度診療報酬改定は、中央社会保険医療協議会(中医協)が10日に小宮山洋子厚生労働相に答申し、方向性が固まった。診療側が求めていた再診料の引き上げは議題に上らず、69点で据え置かれることになった。ただ、一度の来院で複数の診療科を受診する、いわゆる「複数科受診」について、2つ目の診療科でも34点の算定が認められるようになる。
■紹介状ない患者の初診料70点減
社会保障審議会の医療部会と医療保険部会が決めた診療報酬改定の基本方針で、重点課題の一つに位置付けられた「病院勤務医など負担の大きな医療従事者の負担軽減」では、再診料の加算の評価見直しや、病院勤務医の負担軽減や処遇改善に向けた体制づくりを算定要件とする診療報酬点数の拡大などを行う。
複数科受診については、1科目しか再診料(69点)や外来診療料(一般200床以上、70点)を算定できないルールを見直し、2つ目の診療科でも34点を算定できるようになる。ただ、▽患者が自分の意思で受診した▽同じ疾患や、関連がある疾患ではない―場合に限られ、乳幼児加算や外来管理加算などの加算は算定できない。
10年度診療報酬改定で新設された再診料の「地域医療貢献加算」(3点)は、名称を「時間外対応加算」に変更し、診療所の取り組み状況に応じた3区分に再編。標榜時間外にも24時間体制で患者の問い合わせに応じれば同加算1(5点)、準夜帯にも問い合わせに応じ、原則として自院で対応すれば同加算2(3点)、地域の医療機関と連携して輪番で準夜帯の問い合わせに応じれば同加算3(1点)を算定できる=表1=。連携する医療機関数は3以下。貢献加算の要件を引き継いだ加算2を3点にした。
紹介状を持たずに大規模病院を受診した患者の初診料(270点)は、200点に減額する。また、大規模病院が患者に、地域の診療所などを紹介する旨を申し出たにもかかわらず、大規模病院を再び受診した患者の外来診療料は52点に減額する。地域の診療所などの受診を促すことが狙いだ。
紹介率が40%未満の特定機能病院と、500床以上の地域医療支援病院に適用する。ただし、逆紹介率が30%以上の場合は対象から除外される。いずれも選定療養費として、差額分を患者に請求できる。13年度から導入される。
■勤務医の負担軽減、15項目に拡大
病院勤務医の負担軽減や処遇改善に向けた体制づくりを算定要件とする診療報酬点数に7項目を追加し、15項目に拡大する=表2=。追加の7項目のうち、6項目が12年度に新設される点数。これら15項目の点数を算定するには、勤務医の負担軽減や処遇改善のための体制に関する計画を策定して実行に移した上で、各項目の要件を満たすことが必要になる。
計画に必ず盛り込まなければならない必須項目は、医師と関係職種の役割分担、外来縮小の取り組みなど。ただ、外来縮小を中小病院に求めるのは難しいため、特定機能病院と、一般500床以上の病院でのみ必須項目とし、ほかの病院では選択項目にする。
選択項目はこのほか、▽医師事務作業補助者(医療クラーク)の配置▽短時間正規雇用医師の活用▽地域のほかの医療機関との連携体制―など。 12年度にはこれに、予定手術前の医師の当直を避ける取り組みを加える。
勤務医の負担軽減に関する点数のうち、新設されるのは、薬剤師の病棟業務を評価する「病棟薬剤業務実施加算」(週1回100点)、専任の医師か看護師による緊急度判定(トリアージ)を評価する「院内トリアージ実施料」(100点)、精神疾患を持つ一般病棟の入院患者に対する精神科医、看護師、精神保健福祉士らによるチーム医療を評価する「精神科リエゾンチーム加算」(週1回200点)など。
病棟薬剤業務実施加算は、全病棟の入院患者が対象になるが、療養・精神病棟で算定できるのは、入院から4週までに限られる。院内トリアージ実施料は、現在の地域連携小児夜間・休日診療料の「院内トリアージ加算」(30点)に代わるもので、評価対象を成人にも拡大する。
■医療クラーク加算、8区分に再編
一方、現行の8項目についても、区分を新設したり、算定対象を拡大したりする。
医療クラークの配置を評価する「医師事務作業補助体制加算」は、「30対1」(410点)と「40対1」(330点)を新設し、8区分に再編。現在の6区分では、「25対1」と「50対1」の間に開きがあるため、よりきめ細かな評価が必要だと判断した。また、精神科救急医療に携わる医師の負担を軽減するため、▽精神科救急入院料▽精神科急性期治療病棟入院料1▽精神科救急・合併症入院料―を算定する病床にも対象を拡大する。
看護補助者の配置を評価する「急性期看護補助体制加算」は、現行の「50対1」(1日120点)、「75対1」(1日80点)を上回る「25対1」に対する評価を新設する。ただ、「25対1」については、看護補助者が5割以上の場合(1日160点、14日まで)と、5割未満(1日140点、14日まで)で点数を分ける。届け出ている入院基本料を上回る分の看護職員を「みなし看護補助者」とし、看護補助者に上乗せしてカウントしている割合が高い場合の報酬を下げることで、看護職員と看護補助者の役割分担を進めるという同加算の趣旨を明確にすることが狙いだ。
多職種による栄養管理を評価する「栄養サポートチーム加算」(週1回200点)は、看護配置13対1、15対1の一般病棟、13対1の専門病院、療養病棟にも対象を拡大する。ただし、療養病棟では算定回数を制限。入院1か月はほかの病棟と同様、週1回算定できるが、2か月以降は月1回、6か月までしか算定を認められない。
チーム医療ではこのほか、がん性疼痛の症状緩和を目的に麻薬を投与している患者に対する外来での緩和ケア診療を評価する「外来緩和ケア管理料」(月1回300点)を新設する。身体・精神症状の緩和をそれぞれ担当する常勤医師1人ずつ、緩和ケアの経験がある常勤看護師と薬剤師の計4人で構成する緩和ケアチームを設置していることが施設基準だ。
■小児専門集中治療室の評価を新設
診療報酬改定の基本方針で、負担の大きな診療科の一つに挙げられている救急では、小児救急医療を充実させるため、小児専門の特定集中治療室(PICU)での患者受け入れを評価する「小児特定集中治療室管理料」を新設。7日までは1日1万5500点、8-14日は1日1万3500点を算定できる。特定集中治療室に小児を受け入れた場合の、特定集中治療室管理料の「小児加算」も、7日以内を2000点、8-14日を1500点に、それぞれ500点ずつ引き上げる。
状態が落ち着いた救急医療機関の入院患者や、状態が悪化した在宅療養中の患者などを、13対1、15対1の一般病棟で受け入れた場合に評価する「救急・在宅等支援病床初期加算」(1日150点、14日まで)を新設する。
周産期では、「新生児特定集中治療室退院調整加算」の要件に、新生児特定集中治療室での勤務経験がある看護師が退院調整に参画することを加える一方、点数を300点から600点に引き上げる。また、超低出生体重児(1000グラム未満)、極低出生体重児(1500グラム未満)など、長期入院が見込まれる児の退院支援を評価する同加算2を新設。退院支援計画の作成時と、退院時にそれぞれ600点の算定が認められる。
キャリアブレイン
だいたい詳細が分かってきましたね!
熱海温泉病院 不正受給は6000件と発表(2/13 14:23)
熱海市伊豆山の熱海温泉病院を運営する医療法人社団翔健会(西田佳史理事長)は13日午前、同病院で会見を開き、2006年7月から11年1月までの4年6カ月間、保険医療の診療報酬を6千件不正受給していたと発表した。東海北陸厚生局静岡事務所の監査で、このうちサンプル600件について約1億5千万円の不正が判明したという。小坂博前理事長は「地域医療に損失を与え責任を感じている」と謝罪した。
説明によると、監査は10年12月から今年1月30日まで行い、6千件分の不正受給額の全容を解明するよう病院側に指示した。同病院は単純計算で10倍の15億円程度を見込むとし、患者の窓口負担分3割を加えると20億円程度に上る可能性があるとしている。
同会は不正に得た診療報酬の使途について「病院収入として入って、一般の運営費として支出した」と説明した。同会の負債は診療報酬の返還額を除き債権者395人で24億4700万円に達する。
同会は10日に東京地裁に破産を申請した。破産手続き開始まで高松薫弁護士が保全管理人を務める。返還金の弁済については「破産に移行してから財産を金に換えて法律上の優先順位に従って分配していく」とした。
同病院は、患者25人に対し看護師1人が必要とされる医療法が定める看護基準に満たない職員数で診療を行い、看護師数を水増しして入院基本料を請求していた。
従業員70人は3月末で解雇する。医療保険の療養病床113床のうち13日現在、入院中の患者68人の転院が終わり次第、閉院する。
会見には昨年5月まで理事長をしていた小坂前理事長のほか、同病院の小林信仁院長、岩田道明事務長らが出席したが、西田理事長は「都合がつかない」として欠席した。
東海北陸厚生局静岡事務所は「個別の案件については答えられない」としている。
同病院は05年9月から09年7月までの間、同様の手口で介護報酬約4億3千万円を不正受給し、県が介護保険事業者指定を取り消し処分した。
静岡新聞
水増しは故意だったんでしょうか?
「口の健康」測定アプリを開発 全国的な普及を目指す
発声回数で「かむ力」など判断
介護施設で役立ててもらおうと、群馬県桐生市歯科医師会などが、口の中の健康状態を測定できるiPhone(アイフォーン)用ソフト「口から健康アプリ」を開発した。
特定の音の発声回数や波長を測定することで、咀嚼(そしゃく)能力や滑舌を確認する。3月にも無料ダウンロードを始め、全国的な普及を目指す。
国の地域医療再生基金事業の補助金を利用し、地元ソフトウエア会社と共同開発した。同医師会によると、これまでに同種のソフトはなかったという。アプリの愛称は「くちけん」だ。
利用者はアイフォーンに向かって、「パ」「タ」「カ」「ラ」のいずれかの音を一定時間、連続して発音する。回数が多くて、発声感覚が安定している人ほど、「食べ物をかむ力」や「滑舌よく話す能力」が優れている。具体的な点数表示はなく、過去の自分のデータと比較し、健康状態を確認する。
同医師会によると、人が口を開けてから食べ物をのみ込むまでの舌の動きは、これらの音の発音時と酷似する。この測定手法自体は以前から用いられていたが、計測者が発声者の発音回数を数える原始的な手法で、測定結果も不正確だった。専用の計測機器も開発されたが、高価なため、福祉現場では普及しなかったという。
アプリの開発に携わった星野浩之・同医師会専務理事は、「持ち運びが容易でデータの保存もできる。結果をパソコンに取り組むことも可能だ」と利便性をアピール。「くちけん」の普及が、高齢者の介護予防につながることを期待している。
(読売新聞)
高齢者にアイフォン持ってくれないとね!?