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【中医協】愛知県で公聴会、11人が意見- 患者や保険者、報酬増に不満も

 2012年度診療報酬改定に向けて国民の意見を聴くため、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は20日、愛知県の津島市文化会館で公聴会を開いた。一般公募約30人から公益委員が選んだ11人が登壇し、医療従事者、保険者、患者などそれぞれの立場から意見を発表した。保険者や患者からは、診療報酬の改定率がプラスになったことに対する不満の声も聞かれた。

 

■診療所の再診料引き上げを
 医療従事者では、開業医、薬剤師、歯科医師らが登壇。診療所の再診料引き上げや、薬剤師の病棟業務への評価を求める意見が出た。

 岐阜県内で有床診療所(有床診)を開業している男性は、診療所の入院基本料と再診料の引き上げを求めた。有床診は、一次救急や在宅医療などさまざまな診療機能を担っているにもかかわらず、経営は苦しく、施設数が減少傾向にあると説明。自身の有床診で、年末・年始に地域の中核病院の救急がパンク状態の中、一次救急医療機関として一日50―60人の患者を診察したことを振り返り、「わたしが有床診療所を閉鎖したら、地域医療がさらに崩壊するのではないかと心配し、ぞっとしている」と述べ、有床診が地域で果たす役割の大きさを強調した。

 三重大病院の薬剤師の男性は、中医協で薬剤師の病棟業務への評価を前向きに検討していることに対し、「チーム医療に取り組む薬剤師にとって大きな励みになる」と賛意を表明。薬剤師が一定時間以上、病棟に配置され、患者の持参薬の確認などの業務に従事した場合には、病棟の種類を問わずに評価するよう提案した。

 名古屋市内の訪問看護ステーションで従事する女性は、二十四時間体制で患者に対応する訪問看護ステーションや在宅療養支援診療所(在支診)に対する評価を要望した。訪問看護ステーションの約半数が看護職員5人未満、在支診の約7割が医師1人体制の小規模施設だと指摘し、「夜間・緊急時に少人数で対応することは、精神的・身体的な負担が大きい」と訴えた。
 同市内で歯科診療所を開業している男性は、厚生労働省からの細かい通知が多く、診療時間を奪われているとし、中医協で通知の内容を検証するよう求めた。
■効率的な財源配分を
 一方、保険者や患者からは、デフレーションが続き保険財政が厳しい中で、診療報酬全体の改定率がプラスになったことに不満を示し、「限られた財源を効率的に配分すべきだ」とする意見が相次いだ。また、改定の影響を国民に分かりやすく示すべきだとの声も上がった。

 県内の健康保険組合で勤務する男性は、「限られた財源を効率的かつ効果的に配分して、国民や患者が納得・理解できる医療提供体制を整備すべきだ」と強調。これまでの中医協などでの議論で、▽勤務医の負担軽減▽救急、産科、小児科、外科などへの財源の重点配分-などの方向性が示されていることを高く評価した。
 その上で、財源を効率的に使うには、▽特定除外患者の評価体系の見直し▽後発医薬品の使用促進▽一日に複数の診療科を受診した場合の再診料の算定回数の制限継続-の3点が必要だとした。再診料の算定回数については、2つ目の科目でも一部算定が認められれば、「複数の疾患を抱える高齢者にとって負担になる」との懸念を示した。

 豊田市役所で国民健康保険を担当する男性は、患者からの問い合わせ内容を紹介。診療報酬が全体でプラスになったことに対する不満が寄せられているとし、「(報酬改定の結果)もたらされるべき医療の質の向上が何かが明らかにされていないと、(患者には)負担増の印象だけが残る」と指摘。診療報酬の決定過程の透明化や、改定の影響に関する分かりやすい資料の作成が必要との考えを示した。

 患者の立場からは、「受けた医療の内容を把握できるよう、明細書が例外なく無料発行されるようにしてほしい」「休日や夜間には対応しない診療所が増えている。これでは『普段から病院を受診した方がよい』と考える人が出てきて、病院勤務医の負担が増す」といった発言があった。

キャリアブレイン

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