アシネトバクターや大腸菌など、ほとんどの抗生物質が効かない「多剤耐性菌」の感染が問題になっている。どう対応したら良いのだろうか?
Q 多剤耐性菌はなぜできるの?
A むやみに抗生物質を使ったり、中途半端に服用したりして、耐性を持った菌が生き残ると考えられている。人の行き来を通じて世界的に広まっている。
Q アシネトバクターの耐性菌はどの程度怖いの?
A アシネトバクター菌は、広く自然界に存在する細菌で、普通は健康な人に感染は広がらない。重い病気で免疫力の低下した人が感染すると、多臓器不全などを起こして亡くなることがあるので、院内感染が問題になる。
Q 緑膿(りょくのう)菌は?
A 土や水中に一般的にいる細菌で、健康な人にはほとんど感染しない。免疫力の落ちた人が重症化するので、これも院内感染が問題になっている。
Q 独協医大で見つかった大腸菌は何?
A NDM1(ニューデリー・メタロ・βラクタマーゼ1)という酵素を作る大腸菌で、ほとんどの抗生物質が効かない。インドなどで見つかり、欧米にも広がっている。アシネトバクターや緑膿菌とは違い、健康な人にも感染する。
Q 感染するとどうなるの?
A 通常の大腸菌と同じで、ほとんどの場合は、腸内にいるだけで何の症状もないが、尿路感染などを起こしたり、まれに血液中に入って菌が全身の血液を巡る敗血症を起こしたりすることがある。古くからある抗生物質が効くという報告があるが、今、日本では認可されていない。
Q 予防策は?
A 大部分の細菌は、手などを介して接触感染をするので、手洗いなどの予防が有効だ。一部のウイルスや結核菌とは違い、空気感染をすることはない。
Q 今後どうなるの?
A NDM1は、遺伝子を介して大腸菌以外の細菌にも移ることができ、海外では肺炎を起こす肺炎桿(かん)菌やほかの腸内細菌の仲間でも見つかっている。赤痢菌やサルモネラ菌など病原性が高い菌にNDM1が移り、耐性化が心配されている。ただ、日本ではこうした菌の感染自体が少ない。現時点で感染拡大の恐れは少なく、一般の人が警戒するような段階ではないので、冷静な対応が必要だ。
(読売新聞)
手洗いは基本ですからね!
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