偽造された運転免許証を使って別人になりすまし、市役所の窓口で住民基本台帳カード(住基カード)をだまし取る被害が七~八月、県内で相次いでいる。これまでに八市が被害を公表したほか、千葉市でも発生していたことが同市への取材で判明。住基カードはなぜ、安易に発行されたのか。 (宇田薫)
千葉市中央区役所によると、四十歳前後の男が七月十三日、住基カードの申請に訪れた。市は男が出した免許証の写真で“本人”と確認して即日交付。ところが、一週間後に別の男性から「覚えのない住基カードで携帯電話を契約された」と連絡があり、被害が発覚した。
同様の被害は船橋、柏など県西部の五市のほか、成田市や君津市など少なくとも計九市に及ぶ。ほぼ共通するのは、窓口に訪れたのが三十~四十代の男で、偽造免許証を提示したことだ。
各市などは被害届を提出。県警捜査二課は、住基カードが携帯電話の契約や口座開設の身分確認に使われ、携帯電話や口座が振り込め詐欺グループなどに転売されているとみて、有印私文書偽造・同行使や詐欺の疑いで捜査している。
偽造免許証の大半は写真が張り替えられ、氏名や住所は実在する人のものだった。しかも、偽造免許証で氏名などを使われた全員が、手元に自分の免許証を持っていた。
同課幹部は「犯人が何らかの方法で免許証のデータを入手し、顔写真を替えて偽造した可能性が高い」と分析。カードの申請用紙に張られた顔写真は同一人物ではなく、複数の男が犯行にかかわっているという。
被害は県内だけではない。八月六日には、他人名義の免許証を使って携帯電話を購入しようとしたとして、警視庁が組織犯罪処罰法違反と詐欺の疑いで、東京都内を拠点とする詐欺グループの幹部五人を逮捕した。
この際、不正取得されたとみられる住基カードも押収。同庁は、都内で六月以降に発覚した少なくとも二十八件(未遂含む)の不正取得被害の大半に、同グループがかかわっていたとみて調べている。同課も関連を調べる方針だ。
なぜ住基カードが狙われるのか。同課幹部は「偽造のチェックが厳しい免許証よりも、知名度の低い住基カードの方が相手の目をごまかしやすいと考えたのでは」と指摘する。だが、市役所の窓口対応のあり方にも問題がありそうだ。
市の窓口担当者が住基カード申請者の本人確認をする際、確認方法の細かい決まりはない。免許証のコピーを取るか、番号を控えるかなどの対応は、市によってまちまちだ。ある市の担当者は「基本的に性善説に立っており、免許証が偽造だと疑うことはまずない」と話す。
市が住基カードの廃止手続きをしても、悪用される懸念は残る。携帯電話会社などから住基カードが本物かどうか照会があっても、市側では「個人情報の関係で、基本的に回答はできない」(ある市の担当者)と説明する。被害に遭った各市は対策を取り始めているが、本人しか知り得ない情報を聞くなどして被害を防ぐしかないという。
<住基カード> 住民票に記載された氏名、住所や住民票コードなどが記録されたICカード。居住地の市区町村が申請を受けて交付している。サイズは銀行のキャッシュカード大。コンビニ店の端末で住民票の写しの交付が受けられたり、インターネットで税金申告ができたりする。東京新聞
こんな事件が起こると住基カードこわいですね!
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