医師不足の解消を目指し、福島県は首都圏に住む医学部生や医師に移住を呼び掛ける事業に乗り出した。
都内でセミナーを開き、実際に県内に移り住んだ医師が体験談を語るほか、観光担当者が福島の魅力を直接アピールする。今月中旬に開いた初めてのセミナーは参加者が2人にとどまったが、県は「今後も回数を重ねて、一人ずつ県内に医師を定着させていきたい」と意気込みをみせている。
今月17日、東京都中央区銀座のビルの一室。「山や海が近く、休暇を楽しめる場所が多い。首都圏へのアクセスも良く、学会にも行きやすい」。首都圏在住の医学部生と医師の2人を前に、明治病院(福島市北町)に勤務する幡亮人医師が、東京や長野、静岡などでの勤務後、出身地に戻った経緯を説明し、医師として県内で働くメリットを強調した。
さらに、県観光交流課の職員が田舎暮らしの情報雑誌を掲げ、「この本でも住みたい県5位に選ばれた。食べ物がおいしく、土地も安い」とアピール。寿泉堂総合病院(郡山市)など、県内四つの病院の担当者がそれぞれの病院の特徴を説明すると、会津若松市出身で都内の大学の医学部に通う女性(24)は「県出身でも東京に住んでいると福島の情報を直接聞けるチャンスはなかなかない。貴重な体験になった」と満足そうな顔を浮かべた。
厚生労働省の調査によると、県内の人口10万人当たりの医師数(2008年末)は全国平均212・9人を大きく下回る183・2人。全国では37位で、医師の偏在解消に向けた県の医師確保対策は急務となっている。しかし、地方の自治体や病院が首都圏の医学部生らに直接訴える機会は少なく、臨床研修病院が研修プログラムの内容や待遇などを説明するために東京で開かれる「レジナビフェア」などに限られている。
こうした中、他県では地域の特性を前面に打ち出し、医師獲得を目指す例もある。日本百名山に多くの山が選ばれる長野県は昨年4月、登山情報誌「山と渓谷」(山と渓谷社)に、医師募集の広告を掲載。担当者は「医師確保のためにはあらゆる方法を試すべきだ」と話す。
本県は「フェアに参加するだけでは他県と横並びになる。個別に会う機会を増やして、じっくりと説明することが必要」(県地域医療課)として、これまで二地域居住やUターン希望者向けにセミナーを開催してきた県観光交流課の協力を得て、地域の魅力を訴えるという形式で実施することを決めた。
ただ、今回のセミナーでは課題も残った。県は医学系雑誌の広告などで参加を呼び掛けたが、集まったのはわずか2人。県保健福祉部の長沢脩一次長は「いきなり参加人数を増やすのは難しいが、引き続き定期的にセミナーを開催し、地道に医師を確保していく。今後は特定の大学の医学部ごとにセミナーを開くなど、狙いを絞る工夫も必要で、きめ細やかな対応をしていきたい」と話している。(船越翔)
(読売新聞)
医師の偏在を解決しないとね!都会は多くの医師が集まってるんですよ!
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