厚生労働省は7月23日、後期高齢者医療制度に代わる新たな医療制度のあり方を議論する「高齢者医療制度改革会議」(座長=岩村正彦・東大大学院法学政治学研究科教授)に中間取りまとめ案を示した。同案では、新制度の基本的な枠組みを示した上で、多くの高齢者が加入することになる国民健康保険(国保)の「広域化を図ることが不可欠」と明示。都道府県単位の財政運営に向けた環境整備を進めた上で、全年齢を対象とした都道府県単位化を段階的に図るとしている。
中間取りまとめ案で示された基本的な枠組みによると、サラリーマンである高齢者や被扶養者は被用者保険に加入し、それ以外の自営業者や退職者など地域で生活している人は国保に加入する。これにより、現在、後期高齢者医療制度に加入している75歳以上の約1400万人のうち、約1200万人が国保に、約200万人が被用者保険に加入することになる。
国保の運営に当たっては、市町村国保の財政基盤を考慮し、少なくとも75歳以上の高齢者医療については都道府県単位の財政運営とする。ただし、その対象年齢を65歳以上に広げることも今後引き続き検討し、最終的には高齢者だけでなく、全年齢を対象に国保の広域化を図るとの方針を打ち出している。一方、「都道府県単位の運営主体」を具体的にどこにすべきかについては、新制度の全体像や将来的な財政試算などを踏まえて引き続き検討する。
費用負担については、「高齢者の医療費を国民全体で公平に分担する仕組みを設けることが不可欠」とした上で、保険者間の調整の仕組みを複数提示した。「効果的な投入を図りつつ、充実させていくことが必要」とした公費のあり方などと併せて、引き続き検討を行う。
国保に移る75歳以上の高齢者の保険料は、現行の負担割合(約1割)とし、原則として、同じ都道府県で同じ所得であれば、同じ保険料となる仕組みを維持。また、高齢者の保険料の伸びが現役世代の保険料の伸びを上回らないよう調整する仕組みを設ける。一方、65-74歳の人の保険料のあり方については、引き続き検討する。
委員からは、基本的な枠組みへの肯定的な意見が複数出る一方、分かりにくさや説明不足を指摘する声も上がった。また、「国の財政的な責任を示すべき」「現役世代の負担増を抑制すべき」との意見もあった。
次回会合は8月20日に開かれ、同月に実施される地方公聴会などでの議論を踏まえ、中間取りまとめを行う予定だ。
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