新たな高齢者医療制度の導入をめぐる議論が本格化する前に、鈴木亘・学習院大教授は、現在の議論について「老人保健制度(老健制度)から後期高齢者医療制度に移行した時のまるでデジャヴュ(既視感)のようだ」とした上で、「財政問題を先送りし、無意味だ」と手厳しく批判。将来、高齢化で医療財政が厳しくなることに備え、目的消費税を導入するアイディアを披露した。
厚生労働省は後期高齢者医療制度を見直すために昨年11月から、高齢者医療制度改革会議を開催。同会議での論点を整理すると、▽年齢構成・所得構成でリスク構造調整を行った上で、都道府県単位に一本化する▽一定年齢以上の「別建て」保険方式を基本とする▽突き抜け方式とする▽高齢者医療と市町村国保の一体運営を図る-の4案に集約しつつある。7月23日の会合では、中間取りまとめ案を提示、8月からは全国で公聴会を開く予定だ。
鈴木氏が「まるでデジャヴュ」と指摘するのは、老健制度の見直しの過程でも、最終的に4案に絞られるなど、その当時と現在の状況が酷似しているからだ。その4案とは、「独立型」「リスク構造調整」「一元化」「突き抜け型」。結局は、「独立型」をベースに改革が行われ、2008年4月に老健制度に代わる現行の後期高齢者医療制度が始まった。
政府・与党は、来年の通常国会に関連法案を提出し、13年度に新制度を開始する段取りで準備を進めている。鈴木氏は「後期高齢者医療制度に移行した時と同様、今回の新たな制度の設計でも財政問題を解決しようとする議論がない」と批判する。鈴木氏はまた、「利害関係が一致しない人を全員集めて議論しても、落とし所は見つからない」と指摘。その上で、「沈み行くタイタニック号のデッキで、椅子取りゲームをしている。保険料を払いたくない乗客たちが互いに、『お前が払え』などとけんかをしている」と、現状を沈没寸前の豪華客船に例える。
鈴木氏は財政問題を解決するために、医療・介護に使途を限定した目的消費税を提案している。将来、高齢化で医療費が増えることを見越して、目的消費税を導入。基金をつくり、特別会計にする構想だ。「世代間と、世代内の公平性を担保するアイディア」と強調する。8月からの高齢者医療制度改革の議論に国民的な関心が高まることに期待して、鈴木氏はこう付け加えた。「本質的に問うべきは、われわれが高齢化していく中で、どういう医療制度が必要なのか、その方向に議論を持っていくことだ」。キャリアブレイン
高齢者排除の論理みたいだね?おおこわ!
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