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Aiの小児全例実施で賛否―厚労検討会

 

 異状死や診療行為に関連した死亡の死因究明のため、死亡時画像診断(Ai=Autopsy imaging)の活用方法などについて議論する厚生労働省の「死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会」(座長=門田守人・日本医学会副会長)は7月12日、検討会のメンバーら3人からAiの現状などについて話を聞いた。議論では、小児全例を対象にAiを実施することについて、メンバーからさまざまな意見が上がった。

 この日の会合ではまず、今村聡氏(日本医師会常任理事)が、日医のAi活用に関する検討委員会が取りまとめた中間報告や答申を示した。今年3月に発表した唐澤祥人会長(当時)への答申では、小児や心肺停止状態で救急搬送された患者などを対象にAiを実施し、その費用を国庫から拠出すべきなどと提言している。
 続いて、参考人として出席した深山正久氏(東大大学院医学系研究科・医学部教授)が、2008-09年度に厚生労働科学研究費補助金で行われ、自身が代表者を務めた「『診療行為に関連した死亡の調査分析』における解剖を補助する死因究明手法(死後画像)の検証に関する研究」について説明した。深山氏は、研究で死後画像の読影報告を剖検の所見などと対比して算定した「正診率」に触れ、死後CT画像では、疾患や病変によって正診率に上下があると指摘。診療関連死の場合、「この点をしっかりとご遺族に説明をして、有用性と限界を納得した上でご遺族が同意される場合はすべき」とする一方、「確実な分析は解剖調査と臨床評価であることは述べてもらわないと、かえって情報提供しなかったことになるのではないか」と述べた。
 さらに、相田典子氏(神奈川県立こども医療センター放射線部長)が、「小児医療の現場からの問題提起」と題して発表した。相田氏は、小児虐待の診断に当たってAiの活用は「かなり有用」とする一方、小児のAi読影には小児解剖・疾患、虐待診断の知識が必須であると強調。現在、小児の画像全般に精通しているのは全国で50人ほどではないかと指摘し、小児にも十分に対応できる放射線診断医を増やす必要があるとした。また、現場に混乱を招くことがないよう、Aiの適応・施行についての指針やガイドラインが必要との考えを示した。

 小児全例を対象としたAiの実施について今井裕氏(東海大教授)は、「院外から運ばれた人は全例やってもいいと思うが、院内でずっと画像診断もしていて、主治医もある程度死因を特定できている場合に、どうしても必要か(どうか)は十分に検討すべきだと思う」と述べた。
 一方、山本正二氏(Ai学会理事長)は、「Aiをやる、やらないの判断が患者を診る小児科の先生にあるとすると、あとになって『なぜやらなかったんだ』と判断される可能性がある。誰がやる、やらないを決めるのではなく、小児の場合は全例やる。そうすることで、臨床の先生方を守るという側面もある」との考えを示した。
 木ノ元直樹氏(弁護士)は、「子どもが亡くなった親の気持ちになった時に、画像といっても放射線を当てて、中を透かして見られてしまう。たとえ院外で亡くなった小児の場合でも、撮ってくれるなという親もいると思う。拒否する自由はないのか」と指摘した。
 これに対し今村氏は、「虐待を見逃さないという趣旨があるとすれば、撮ってくれるなという意思を尊重することも大事だが、それを認めていれば虐待を見落とす可能性も否定できない。できればきちんとご説明をして、全例に実施する仕組みにした方がいいと思う」と述べた。
 相田氏は、「虐待の頻度の高さを考えれば理屈では(小児全例のAi実施は)納得できるが、現場はまったく準備ができていない」と指摘。また、「(遺族が)拒否した場合にどのように話をするかを現場の小児科医に投げるとすごくきつい。ある程度の指針がないと、ただでさえ忙しい小児科の現場は余計混乱すると思う」と懸念を示した。

 次回会合は8月初旬にも開かれ、関係学会などから話を聞く予定だ。

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