政府は6月22日、財政健全化のための取り組みなどを盛り込んだ「財政運営戦略」を閣議決定した。国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)について、2015 年度までに赤字額の対GDP比を今年度水準(6.4%)から半減させ、20年度までに黒字化を達成するとの目標を掲げた。徹底的な歳出見直しに加え、税制の抜本的な改革により財源確保を進める。
運営戦略の基本的な考え方では、「医療・介護・健康分野」などを盛り込んだ「新成長戦略」の実行により、経済成長を図るとした。また、「社会保障の再構築」を明記。社会保障分野への支出を経済成長につなげる取り組みが求められるとし、効果の高い施策に資源を重点的に配分することが重要とした。その上で、社会保障分野の施策を実現するため、安定的な財源を確保する必要があるとした。
財政運営上のルールとしては、歳出増や歳入減を伴う施策の導入に際しては、別の恒久的な歳出削減や歳入確保策によって財源を確保する「ペイアズユーゴー原則」を明記した。社会保障にかかわる新たな施策を実現するために、別の社会保障経費が削減されたり、新たに負担が増えたりする可能性もある。
また、財政健全化の実現に向け、来年度から13年度まで3か年の「中期財政フレーム」を盛り込んだ。新規の国債発行額は、今年度予算水準の約44兆円を「上回らないものとするよう、全力をあげる」と記したほか、一般会計から国債費などを除いた「歳出の大枠」については71兆円を上限とした。消費税や法人税といった歳入面での取り組みについては、「税制の抜本的な改革を行うため、早急に具体的内容を決定する」とした。租税特別措置はゼロベースで見直す。毎年度の予算編成では、中期財政フレームと整合性のある各府省の概算要求枠を設定。積極的な組み替えや歳出の削減を行った上で予算要求する方針を示した。
■内閣府試算では20年度のPB赤字
内閣府が同日に公表した「経済財政の中長期試算」によると、税制が変わらず、名目・実質成長率が1%台の「慎重シナリオ」では、20年度の国・地方のPBは21.7兆円の赤字。政府の「新成長戦略」で掲げた「名目3%、実質2%を上回る成長」を達成した場合でも、13.7兆円の赤字となっている。野田佳彦財務相は同日の閣議後の記者会見で、「(内閣府の試算は)制度改正を行わない場合の見通し。財政運営戦略に政府として取り組み、必要な歳出改革、歳入改革を行っていく」と述べた。
キャリアブレイン
本当にしっかりしてほしいよ!
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