厚生労働省は6月21日、社会保障審議会介護保険部会の席上で、「介護保険制度」についてのパブリックコメントの集計結果を発表した。
募集は2月24日から3月31日にかけて実施され、介護施設の従事者や地方自治体職員、介護施設の利用者らから4465件の有効回答が寄せられた。
「家族が介護を必要とするようになった場合、どのような介護を希望するか」という問いに対しては、「自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けさせたい」という答えが49%を占め、「家族に依存せずに生活できるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けさせたい」という回答が27%でこれに次いだ。一方、「自分が介護を必要とするようになった場合、どのような介護を希望するか」という問いに対しては、「家族に依存せずに生活できるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい」が46%で最も多く、「自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けたい」が24%でこれに次ぎ、在宅介護への需要の大きさが浮き彫りとなった。
介護保険制度への意見や要望(複数回答)では、「介護人材確保のため、賃金アップなどの処遇改善を図るべき」(3167件)、「施設待機解消のための施設整備を促進してほしい」(2332件)、「認知症対応のサービスを充実させてほしい」(2282件)、「夜間を含めた24時間対応の在宅サービスを充実させてほしい」(2067件)などが多かった。また、「介護保険サービスの費用負担について」では、「現在の介護保険サービス水準を維持するために必要な保険料引き上げであれば、やむを得ない」が36%、「現在以上に介護保険サービスを充実させるために、さらに保険料が引き上げられてもやむを得ない」が14%となり、保険料引き上げを容認する回答が半数に達した。
厚労省の発表に対し、部会の委員からは、「(介護保険サービスの費用負担について)保険料引き上げを容認する回答を誘導するような設問設定」(UIゼンセン同盟日本介護クラフトユニオンの河原四良会長)、「インターネットだけで意見を募集すると、回答する人に偏りが生じるのではないか」(全国健康保険協会の小林剛理事長)など、パブリックコメントの設問や手法を批判する声も上がった。
■25年までに「地域包括ケアシステム」確立を―田中慶大教授ら
部会では、昨年度の地域包括ケア研究会の「地域包括ケアシステムに関する検討部会」で座長を務めた田中滋・慶大大学院教授と、「地域包括ケアを支える人材に関する検討部会」のメンバーである藤井賢一郎・日本社会事業大准教授が講演した。田中教授らは、団塊世代の高齢化が進み、介護保険へのニーズが増大することから、地域全体で高齢者を支える仕組みづくりの重要性を強調。2025年までに、中学校区に相当する日常生活圏内で医療や介護、社会福祉、生活サービスが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を確立する必要があると主張した。
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