福岡県の田川市病院事業管理者の齋藤貴生氏は5月28日、全国自治体病院協議会が開いた「自治体病院管理者研修会」で「自治体病院の経営改革―課題と解決策―」をテーマに講演し、病院の経営改革では病院の使命・役割の明確化が重要だとの考えを示した。
齋藤氏はまず、自治体病院の経営状態悪化の要因には、医療を取り巻く環境の変化と自治体病院特有の問題点があると指摘。
さらに自治体病院特有の問題点として、企業性の欠如やガバナンス構造の脆弱性などを挙げ、対応策として、▽ガバナンス構造の適正化▽戦略経営の導入▽自主性の醸成―が必要との考えを示した。
ガバナンス構造の適正化では、「地方公営企業法一部適用(一適)」「地方公営企業法全部適用(全適)」「一般地方独立行政法人(独法)」の経営形態ごとに、▽法的制約の緩和▽公共性と経済性の両立▽持続的な存続の可能性-の3つの指標で評価した結果を提示。
全適、独法が一適よりも比較的評価が高いことを示す一方、独法と全適を比べると、独法は公共性と経済性の両立の実現可能性が全適より優れ、全適は持続的な存続可能性が独法より優れているとした。その上で、「最適な一つの経営形態はない」と結論付けた。
戦略経営の導入では、業績を上げるため、企業で用いられている戦略経営の導入が必要だとして、その手法を紹介した。
それによると、まず病院の基本理念や使命・役割を明確化した上で、外部環境と内部環境の分析を経て問題点を抽出する。その後、具体的に何をするのかの戦略を設定し、戦略目標などを立てる。実行後は業績評価を行うことが重要だとした。
齋藤氏は、使命・役割の明確化の重要性を強調し、「ここがあいまいだと、後でぶれてしまう。病院の都合によって変えたくなるが、それを変えないことが重要だ」と述べた。
自主性の醸成では、「行政主導」から「医療主導」の病院に転換する必要性を指摘。管理者や院長が「医療的思考」で医療者のやる気を喚起し、「企業的思考」で経営情報を提供して、医療者の経営に対する理解を向上させるべきとした。
また齋藤氏は、地域中核・公立病院の再生には、診療報酬の引き上げや医師の増員と偏在の解消などの施策が必要だと強調。自治体病院の経営改革に当たっては、各自治体病院が医療経営を向上させることや、大学などとの連携を通して、公立病院の課題とその解決策の研究、実践を進めることが重要との考えを示した。
キャリアブレイン
どうなんですかね?出来るんですかね?
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人の皮膚や胃から採取した細胞に3種類の遺伝子を入れて、肝臓の幹細胞を作り出すことに、国立がん研究センターの石川哲也室長らが世界で初めて成功した。
体外で大量に増やすことが可能で、肝炎ウイルスの研究や、患者一人ひとりの体質に応じた薬の開発など幅広い応用が期待できる。6月に東京で開催される研究会で発表する。
肝臓の細胞には、様々な物質の代謝や解毒、酵素の合成など多彩な働きがあるが、体外で培養してもほとんど増えず死んでしまう。そのため、幹細胞の段階で増殖させ、成熟した肝臓の細胞に育てる技術が求められていた。
石川さんらは皮膚や胃の細胞に、ウイルスを使って遺伝子を導入し培養。3週間後、アルブミンなど肝臓特有の様々なたんぱく質を合成する幹細胞ができた。
150日以上培養し、いったん凍結保存したものを解凍し、再び増やすことにも成功した。
B型、C型肝炎などの治療薬の開発には、ウイルスを肝臓の細胞に感染させる実験が必要とされる。しかしこれらのウイルスは、人やチンパンジーにしか感染しないため研究が難しく、副作用の強い治療薬しかない。幹細胞から肝臓の細胞を大量に作れば、安全な新薬の開発に貢献する。
また、肝臓には解毒作用があるため、薬の毒性検査にも役立つ。高脂血症薬の開発や、採取した細胞から作った肝臓幹細胞をもとに本人に合った薬を開発することも可能になりそうだ。
幹細胞 体を作る成熟した細胞になる能力を保ったまま、細胞分裂を繰り返す細胞。体内では、体の成長や組織を維持するため新しい細胞を供給する役割を持つ。
(読売新聞)
パーツ医療が近づいてきました。
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