全国の矯正施設のうち12施設で常勤医師が不在であることが、法務省矯正局の調査で分かった。同省では、昨年度からインターネット広告で医師の公募を始めるなど人材確保に向けた新たな取り組みにも乗り出しているが、受刑者などを対象にした診療や施設の「特殊性」を敬遠する傾向は根強く、全国的に医師不足が常態化しつつあるのが実情だ。
調査の対象となった矯正施設は、刑務所62施設、少年刑務所7施設、拘置所8施設、少年院51施設、少年鑑別所51施設、婦人補導院1施設の計180施設(支所や分院は除く)。医師の勤務状況などについて調査し、4月1日現在でまとめた。
それによると、180施設の常勤医師の定員332人に対し、31人が欠員となっている。東京都八王子市や大阪府堺市などにある医療刑務所には重点的に医師が配置されるが、問題になっているのは地方にある定員が1-2人の矯正施設だ。
今回の調査では、網走刑務所(北海道)、水戸刑務所(茨城県)、甲府刑務所(山梨県)など12施設で常勤医師がゼロという結果になった。いずれも定員は1-2人の施設。同省によると、地域そのものの医師不足が深刻で、矯正施設に人材を充てる余裕がないのが現状という。さらに、6年前にスタートした新医師臨床研修制度による影響で、地元の大学医局からの医師の派遣がストップ。矯正施設は、受刑者などを対象にした診療や環境という「特殊性」で敬遠されがちで、医師確保がままならなくなっていると見ている。
法務省矯正局矯正医療管理官付の水元伸一補佐官は、「昨年度から始めたインターネットでの公募には、劇的な効果とまではいかないが確実に反応があり、実際数人の医師を採用することができた。今年度も引き続きインターネット求人などを利用しながら、常勤医師ゼロの解消に向けて手を尽くしていきたい」と話している。
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