社説:診療報酬 医療崩壊は止まるのか

 10年度の診療報酬が引き上げられることになった。全体の改定率は0.19%と微増ではあるが、10年ぶりのプラス改定である。医療費抑制を主張する財務省に厚生労働省が猛反発し交渉は難航していたが、薬価を大幅に下げ、医師の技術料を1.55%引き上げることで決着した。大幅アップを求めていた厚労省や医療関係者にすれば不満だろう。日本医師会(日医)は「全国の医師を失望させた」と記者会見で主張した。

 ただ、診療報酬が上がれば患者の窓口負担や保険料も上がる。これまで比較的余裕があった健保組合ですら今年度は6150億円の赤字が見込まれ、さらに後期高齢者医療にかかわる協会けんぽの国庫負担を肩代わりする案が来年度予算案に盛り込まれている。財源がないままマニフェストとのつじつまを合わせる一方で、民間の健保組合に負担を押しつけるやり方に批判が強いこともこの機会に指摘しておきたい。

 それでも今回の診療報酬改定によって産科や小児科などの医師不足が解消するのであればまだいい。だが、赤字に苦しむ病院の多くは増収分を借金返済や設備投資に回すだろう。地方の医療崩壊を防ぐには一定の効果はあるのかもしれないが、本質的な解決にはほど遠い。また、たとえ医師の報酬が少しアップしたとしても、それで激務の病院勤務を希望する医師がどれだけ増えるだろう。

 土日祝日、夜間に訪れる軽症の患者の対応や、本来は看護師や別の医療スタッフに任せるべき仕事まで担い疲弊している医師は多い。そうした現場に財源を投じて医師を増やそうとする前に、仕事量の偏在を解消すべきではないか。今回の改定では急性期の入院医療に重点配分されたが、急性期病院で治療した後の患者の受け皿がないために、ずっとその役割を病院が担っているという側面もある。やはり在宅医療や訪問看護・介護など地域の受け皿を充実させることが必要である。

 今後の焦点は報酬の具体的な配分をどうするかに移る。プラス改定でかろうじて面目を保てた長妻昭厚労相は「メリハリを付けて医療再生に結びつけたい」と意欲的だが、開業医が中心の日医は警戒を隠さない。最近は医科と歯科の改定率は同水準だったが、今回は歯科の診療単価が2.09%増と高かった。日本歯科医師連盟が総選挙後いち早く民主党に接近した効果ではないかとも指摘される。長年、自民党を支持してきた日医は配分見直しにおいても冷遇されることを恐れているのだ。

 安心できる医療は国民の願いである。政治的な思惑は排し、医療危機の真の原因を見誤らずに「メリハリ」を付けることを望む。 

毎日新聞 

各論が大事ですが!

固定リンク | コメント (1) | トラックバック (7)

診療報酬 勤務医改善に重点配分を

 診療報酬が来年度、10年ぶりに総額で0・19%引き上げられる。医師の技術料などにあたる「本体部分」は、医薬品などの「薬価部分」を減らすことで、1・55%の大幅増となった。

 過酷な労働条件に耐えかねて辞める勤務医や医療スタッフは後を絶たない。地域の中核病院でさえ閉鎖に追い込まれる診療科がある。診療報酬全体は自公政権下で4回連続マイナスとなっており、医療現場からは「一連の引き下げが医療崩壊を招いた」との声が上がっていた。

 だが、診療報酬引き上げは患者の窓口負担と保険料の増加にもつながる。デフレで物価は下落傾向にある。給料が減った国民も少なくない。0・19%とはいえ、総額を引き上げたことには「なぜ医師だけ待遇改善なのか」との批判も出ている。引き上げよりも、医療の効率化や恵まれた開業医の報酬を下げて勤務医の待遇改善に回すことを優先させるべきではなかったのか。

 年明けから、中央社会保険医療協議会(中医協)で診療報酬の配分をめぐる議論が始まる。限りある財源を有効に使うためにも、救急医療など疲弊した分野の労働環境や待遇の改善につながるようメリハリの利いた大胆な配分見直しを行うよう求めたい。診療科間の収入格差是正も急務だ。

 改定率の内訳では、医科の1・74%増に対し、歯科は2・09%増と異例の差がつけられた。厚生労働省は「同率で改定した場合、医科の方が歯科よりも配分が多くなるため」と説明するが、「参院選で民主党との関係強化を図る日本歯科医師連盟への論功行賞ではないか」との見方もある。疑念を晴らすためにも、政府はさらに丁寧な説明をすべきだろう。

 報酬引き上げは待遇改善の大きな要件ではあるが、医師不足がただちに解消するわけではない。勤務医の待遇にどう反映させるかは病院経営者の判断だ。病院の収入増分の大半が設備投資などに回ったのでは元も子もない。

 報酬引き上げで、本当に医師不足が解消するのかの検証も大切だ。産科や小児科不足の背景には、医療事故などで訴訟を起こされるリスクを嫌うなど、給与面だけでは解決できない問題も存在する。報酬による誘導策には限界がある。政府は、抜本的な医師不足と診療科偏在への対策を急がねばならない。産経

国民はよく医療費が上がると医師はもうけていると、よく批判するけれど決してほとんど赤字で四苦八苦してるんです。病院の決算は毎回赤字で倒産寸前です。命を大切にしない国は滅びます!自分自身を守るためです!医療費を上げるのはね!

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (141)

“脱裁判”で円満解決を 広がる医療トラブル仲裁

 医療トラブルを裁判ではなく話し合いで解決する「裁判外紛争解決手続き」(ADR)の窓口を、各地の弁護士会や法人が相次いで開設。時間や費用がかかる訴訟に代わる円満解決の場として期待されている。

 千葉県の特定非営利活動法人(NPO法人)が4月に開所した「医療紛争相談センター」。「薬の副作用の説明がない」「がんが見落とされた」など100件以上の相談が寄せられた。調停を申し立て、相手側が応じれば、専門医と弁護士、学識経験者の3者が間に入り、和解を目指す。

 センターの担当者は「訴訟は一審だけで2、3年かかることもある。ADRは半年以内の和解を目指しており、費用も抑えられる」。現在6件が調停手続きまで進んでいるという。

 岡山弁護士会が9月に立ち上げた「医療仲裁センター岡山」では、当事者双方が同席し、対立点を話し合う。水田美由紀弁護士は「顔を付き合わせて話せば、分かり合えることも多いはず」と力を込める。【共同通信】

裁判でも結局和解で結審するんだから、この方がいいかも?

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (180)

一般用医薬品販売が劇的に変化―2009年重大ニュース「改正薬事法」

 今年6月に施行された改正薬事法は、医師の処方せんを必要としない、いわゆる一般用医薬品の市場に大きな変化をもたらした。新たに設けられた「登録販売者」の有資格者を配置することで、薬剤師がいなくても一般用医薬品の大部分を占める第2類、第3類医薬品の販売が可能になり、大手コンビニエンスストアが相次いで試験販売をスタートさせるなど、規制緩和が進んだ。一方で、インターネットなどによる販売は、厚生労働省の「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」により、リスクの低い第3類を除き、規制されることになった。規制の「緩和」と「強化」をめぐる今年一年の動きを振り返る。

■コンビニ業界が相次ぎ市場に参入
 改正薬事法では、一般用医薬品を副作用のリスクに応じて3つに分類。安全性の上で特に注意を要する成分を含むH2ブロッカー含有薬などは「第1類医薬品」、まれに入院相当以上の健康被害を生じる可能性のある成分を含む風邪薬や解熱鎮痛剤などは「第2類医薬品」、日常生活に支障を来さない程度の身体の変調・不調が起こる恐れがある成分を含んだビタミンB・C含有保健薬などは「第3類医薬品」とした。
 このうち、第2類と第3類については、1年以上の実務経験を積んだ「登録販売者」の有資格者が販売できるとした。

 薬剤師よりも人件費の安い「登録販売者」に注目したのは、同業や異業種との激しい競争にさらされているコンビニ業界だった。最大手の「セブン-イレブン・ジャパン」(本社=東京都千代田区)は直営の「麹町駅前店」で、施行に合わせてテスト販売を実施しており、12月までの売り上げは「ほぼ予定通り」(広報)。現在、直営のうちテスト販売を実施しているのは同店舗のみだが、「急拡大はないにせよ、徐々に増えていくだろう」(同)という。
 ただ、この「登録販売者」試験の受験資格には「専門家の指導下での1年以上の実務経験」が盛り込まれており、これが「登録販売者」の確保を難しくしている。

 この問題解決のための一つの策として、異業種の参入で生き残りを懸けるドラッグストアとの業務提携を進める動きも活発化している。ローソン(本社=東京都品川区)とマツモトキヨシホールディングス(本社=千葉県松戸市)は8月24日の記者会見で、業務提携することで合意したと発表。コンビニとドラッグストア(第1類も販売)に加え、調剤薬局の機能も兼ね備えた新業態の店舗を展開していくことを明らかにした。この提携によって、ローソン側は医薬品販売のノウハウを修得できるとともに、人材交流により「登録販売者」の育成も図れることになった。新浪剛史社長は会見で、2011年度までに同社の医薬品販売店を500店舗にまで拡大する方針を明らかにした。
 一方のマツモトキヨシ側の狙いは、自社商品を供給することに加え、コンビニ運営のノウハウを得ることだ。会見で松本南海雄会長は、「消費者のニーズを満たしていくには、やはり登録販売者を配置して、長時間営業ができる業態を開発する必要がある。ドラッグストアだけでは非常に難しい」と説明。競争の激化により、今後は「専門性を打ち出す必要がある」と強調した。
 さらに、ドラッグストア「セイジョー」「セガミ」を展開する業界大手ココカラファインホールディングスとサークルKサンクスも12月21日の記者会見で、業務提携を行うことを発表。今後は、ドラッグストアとコンビニの機能を融合した新業態店「ヘルスケアコンビニ」(仮称)を開発するとした。

■規制が「強化」されたネット販売
 一方で、2月に公布された「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」は、一般用医薬品のインターネットなどによる販売を大幅に規制した。同省令は第3類に限ってネットなどでの販売を認め、第1類、第2類については、対面販売以外の方法による販売を禁止している。
 しかし、一般用医薬品のネットを含む通信販売に対する規制強化については反対も根強く、舛添要一厚労相(当時)は2月6日の記者会見で、規制強化の賛成派、反対派を交えたメンバーが参加する「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を設置することを表明。初会合は同24日に開かれた。

 マスコミが多数押し掛けるなど、大きな注目を集めた同検討会では、予想された通り激しい議論の応酬が繰り広げられた。初会合の席上、規制強化に反対する楽天の三木谷浩史社長は、「現在、既にネット販売、通信販売で生計を立てている事業者はたくさんいる。重要な権利を省令だけで制限していいのか」と強く訴えた。一方、全国薬害被害者団体連絡協議会の増山ゆかり氏は、「薬害は薬が引き起こしていると誤解をしている人が多いが、薬害は社会構造の欠陥や情報の不開示といった人的な要素が副作用被害を深刻化させている。対面販売ということが、何よりも薬を消費する人にとって安全を担保するものと考えている」と強調。また、委員からは「議論は尽くされたものではないか。何を今議論するのか」と、検討会の開催自体を疑問視する声も上がった。
 第2回会合以降も、パブリックコメントや楽天の募集した署名を「国民の声」とする規制強化反対派と、ネット販売の安全性に疑問を呈する賛成派との議論が延々と続いた。繰り返される議論に終止符を打つべく、第5回会合の席上、ついに北里大名誉教授の井村伸正座長が「報告書にまとめられないような気がしている」と述べた上で、「意見がちゃんと出ているので、全部くんで、これに対してどういう措置を取るかは行政の責任だと思うので、これから先は行政に考えてもらいたい」と突然表明した。これに対して厚労省側は、「特定の薬を6月1日以前から継続して服用している人」や「離島など薬局・薬店がない所で医薬品の入手が困難になる人」がこれまで通り、通信販売などで医薬品を購入できるよう、時限的な経過措置を盛り込んだ案を策定し、パブリックコメントの募集を実施するとした。
 パブリックコメントに寄せられた意見は9824件。このうち経過措置に「賛成」の意見は42件、「反対」の意見は1146件で、「郵便等販売の規制をするべきでない」との意見が8636件に上った。しかし、同省側は第7回会合で、「パブリックコメントは数字を見るというより、原案を作る時に気付かなかった点を中心に見させてもらっている」として、結論は変わらなかった。
 その後も、同省が示した案をめぐって意見交換が続けられたものの、井村座長が「コンセンサスを得るのは極めて難しい」と判断し、議論を打ち切った。井村座長は同省の担当者らに対し、「安全な医薬品を供給するということを大前提として話を進めてきたので、たとえ周りでどのような騒ぎが起ころうと、これこそ安全に供給する上では非常に重要なことで外せないと思って出した施策は、ぶれないでぜひ勇気を持って進めてほしい」と要望した。

■決着は法廷へ
 規制の是非については検討会の終了後、決着の場が法廷へ移ることになった。検討会の委員だった後藤玄利氏が代表取締役を務めるケンコーコム株式会社と、有限会社ウェルネット(尾藤昌道代表取締役)は5月25日、一般用医薬品のネット販売の権利確認と「違憲・違法省令」の無効確認・取り消しを求める訴えを東京地裁に起こした。
 両社は医薬品のネットなどによる販売について、それに起因する問題や事件が存在しないにもかかわらず、明確な理由がないまま一般用医薬品のネット販売そのものを禁止する規制は、「法律的な見地からみても、行き過ぎた過度の規制であって、営業の自由を保障した憲法に違反するもの。さらに、それを省令で定めること自体も違憲」と主張している。
 訴訟は12月24日に結審。判決は来年3月30日に言い渡される。
キャリアブレイン

裁判の結果が気になる!

登録販売員の資格で給与がアップしないと頑張ったこと無駄になっちゃうよね?

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (11)

愛知学院大教授ら、ベトナムで無償医療支援

 生まれつき唇や上あごの異常に苦しむベトナムの子どもたちに医療援助を行っている特定非営利活動法人・日本口唇口蓋裂(こうがいれつ)協会(事務局・名古屋市)が、ベトナム戦争の際に枯葉剤が散布された同国ベンチェ省の病院で、無料の診療・手術を行っている。

 同協会は、医療チームを計36回派遣し、18年間に約2000人の患者に無償で手術をしてきた。

 今年も、同協会が事務局を置く愛知学院大の夏目長門教授を始めとする医療チームが16日から現地で活動している。夏目教授は「多くの方のおかげで手術ができ、感謝している」と話している。29日まで行う予定。

 同協会では、活動資金に充てるため、不要な金歯や壊れた指輪など貴金属類の寄付を募っている。問い合わせは、同協会ホームページ(http://www.aichi-gakuin.ac.jp/~jcpf/)か事務局(052・757・4312)へ。

読売新聞)

海外医療支援は各科頑張ってます。

眼科も無医地区の海外で白内障オペをしてますよ!

固定リンク | コメント (3) | トラックバック (13)

shushu
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2009/12 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック