眼鏡、コンタクトと並ぶ近視矯正の選択肢として有効なレーシック。手術前後には患者の自己管理も大切だ=福井赤十字病院
レーザーによる近視矯正手術「レーシック」が国に認可されて9年。スポーツ選手や芸能人が受けて話題になり、国内での手術は年間40~45万件ともいわれ福井県内でも実績を重ねている。一方で、最近では器具の滅菌装置のずさんな管理により感染症が集団発生するなど、リスクが伴う「手術」であることも事実だ。細菌感染などの合併症を防ぐ手術前後のケアには、患者の自己管理も重要になる。10月10日は目の愛護デー。近視の矯正方法はじっくり考えて選択したい。
●角膜を平らに
眼球はカメラのような構造で、外の光が角膜・水晶体(レンズ)を通って屈折し、網膜(フィルム)に焦点を結ぶことで物が見える。この焦点が眼球の形や角膜の屈折率によって、網膜の手前で合うのが近視。角膜がゆがんでいれば、適切な屈折が得られず乱視になる。
レーザーによる視力矯正は「角膜の形を平らにして屈折率を変える」というもの。レーシックでは、まず角膜中央の表面を薄く削ってふた(フラップ)を作ってめくり、その下にレーザーを当てて角膜を削る。その後、フラップを元に戻す。レーザー照射は削る厚さによって10~40秒ほどで、手術自体は両目で20分程度で済む。
手術が可能かどうかの目安は、まず近視の強さだ。角膜は厚さわずか0・5ミリ。近視が強いと削る量も増えるが、強度を保つため0・3ミリは残さなくてはならない。このため、近視が強すぎると行えないケースもある。
福井赤十字病院眼科部長の小堀朗医師(43)は「視力は年齢とともに変化する。レーシックがお勧めなのは20~40歳くらい」と話し、年齢も重要な要素とする。近視は20歳前後で安定する。40歳前後からは老眼が始まり近くが見えにくくなるため、レーシックを受けても老眼鏡は必要になるという。
ただ手術の効果は、患者が「世界が変わった」というほど劇的。同病院では認可された2000年にレーシックを導入し、これまでに約400人に行ったが、90%以上が1・0以上の裸眼視力を得た。
●リスク認識を
レーシックで角膜炎など感染症になるのは、5千例に1例程度とまれだが、皆無ではない。小堀医師は「角膜を削るため、ばい菌が入りやすい状態になる。手術は滅菌して行うが、まつげなどにも当然ばい菌がいる」とし、レーシックを受ける患者は手術の3日前から抗生剤や炎症を抑える点眼薬を使う。
手術後のケアも肝心だ。「簡単な手術だと思って気楽に考えてはだめ。フラップがずれるため、目をこすることは禁物」。手術後数日は点眼薬で炎症や感染症を防ぎ、就寝時に眼帯を着けるなど目を保護すること、激しいスポーツや水泳は1、2カ月は控えるよう勧める。ただし眼球打撲は数カ月後でも厳禁という。
レーシックは眼鏡やコンタクト同様、保険は適用されない。同病院では片目15万円、両目で25万円という設定で、決して安くはない。
「レーシックのメリット、デメリットを理解し、必ず眼科専門医で受けてほしい」と、県眼科医会理事の南後健一医師(50)は呼び掛ける。都市部では価格競争も激しく、安さを求めて県外で手術を受ける人も少なくないという。「角膜はいったんトラブルが起こると、治療が移植しかないことも多い。眼鏡やコンタクトにする決断も必要だ」福井新聞
各地で目の愛護デーの行事が行われています!
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