| 変えられるか精神科医の処方 多剤大量投与の解消問題 |
| 株じほう 統合失調症に対する抗精神病薬の多剤大量投与の解消が、厚生労働省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」で議論されている。「効果が上がるとのエビデンスはなく、むしろ副作用リスクが高まる」との指摘があるためだ。解消に向け今後、診療報酬上の措置や、投薬状況の情報公開などが検討される可能性もある。検討会は今秋に結論を出す見通しだ。 ●日本で依然目立つ多剤大量投与 厚労省は2004年9月に、精神保健医療福祉体系の再編や基盤強化を目指した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」を発表。ビジョンでは04年からの10年間を「第1期」と「第2期」に分けて改革を進める方針を掲げているが、今秋から後半5年間の第2期に突入するため、厚労省は08年4月に同検討会を立ち上げ、重点施策の議論を重ねてきた。 すでに22回の会合を行っており、次回9月の会合から全体の取りまとめ議論に入る。精神科医療の改革論議では、統合失調症患者に対する抗精神病薬の多剤大量投与の解消が焦点の1つに位置付けられている。 統合失調症に対する処方は、欧米では「単剤投与が当たり前」とされるが、日本では依然として多剤大量投与が頻繁に行われているとされる。 厚労省が検討会に提出した国際比較データによると、3剤以上併用している割合、投与量はともに日本が突出して多い。また07年社会医療診療行為別調査でみても、処方薬剤は平均7・68種類と多く、10種類以上を処方していたケースは3割近くを占める。 なぜ多剤大量投与が多いのか。厚労省は、「日本では入院を中心に治療が行われ、多くの患者を少ないスタッフで管理しなければならなかったため、薬剤投与が多くなりがちだった。そうした歴史的な背景が理由の1つに考えられる」と話す。 ●副作用リスクが上がるだけとの指摘も しかし英NICE(国立医療技術評価機構)のガイドラインは多剤大量投与について、「効果が上がることを支持する証拠はほとんどない。高用量になり、副作用のリスクを上げる」と指摘している。また日本でも「単剤投与の方が多剤大量投与よりも入院中の症状改善が良好」との研究結果があり、厚労省は、「精神科医療の質向上のためには、多剤大量投与を改善し、単剤への切り替えを進めることが必要」と指摘する。 改善策としては、「単剤投与への切り替えの評価」と「投与状況の情報公開」などが浮上している。 前者では、04年度診療報酬改定で設けた「特定抗精神病薬治療管理加算」の算定要件の見直しなどが検討対象になりそうだ。同管理加算は、精神科の包括評価病棟の統合失調症患者に対し、計画的な医学管理の下で非定型抗精神病薬による治療や、療養上必要な指導を行った場合に算定する。もともと単剤への切り替えを促進する狙いも込めていたが、現時点ではあまり機能していないという。 後者では、医療機関の機能やサービスを国民に情報公開するための「医療機能情報提供制度」を活用して、抗精神病薬の投与状況を国民に広く周知するといった施策が検討される可能性もある。投与状況が国民の目に触れるようにすることで、医師に処方の改善を促すことが狙いだ。 ●実効性のある結論を 検討会では、「今すぐに改善すべき」と見直しに積極的な意見がある一方で、「併用が必要な場合もある。すべてを否定するのはどうか」と慎重な意見もある。 見直しの進め方についても、「医師任せでは変わらない。行政の後押しが必要」との主張に対し、「医師の判断に任せるべき」との反論もあり、結論までには至っていない。 多剤大量投与の問題は以前から指摘されていたが、臨床現場には「効果がある。減らすと悪化する」と考える医師もおり、いまだ改善には至っていない。こうした精神科医の意識を変え、多剤大量投与を解消できるか。検討会には実効性のある結論が求められる。(佐藤 慎也) 私の知り合いの女性も長く多剤をのんでましたが、原因になっていたDVでの離婚が成立して多剤から解放されました! |
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