「医師の団結」に向けた方策を公表―日医
日本医師会(唐澤祥人会長)は3月25日の定例記者会見で、「医師の団結に向けた具体的方策」を公表した。日本の医療提供体制の確保に向け、勤務医や開業医などを含むすべての医師が団結することが重要な課題だと指摘するとともに、日医にはすべての医師をリードする「強いリーダーシップが必要」だとしている。また、日医を中心に医師の団結を図る上での今後の検討事項として、医学生や研修医、勤務医とのつながりの強化を挙げた。
「具体的方策」は、日医の「医師の団結を目指す委員会」(委員長=森洋一・京都府医師会会長)が唐澤会長の諮問を受けて検討。5回にわたって会合を重ね、17日に答申したもので、同委員会は、「医療界が直面しているさまざまな問題を乗り越えていくためには、わが国のすべての医師が団結し、医療のあるべき姿に向かって協働していくことが必要」との考えから、昨年設置された。医師会の関係者を中心に、大学病院関係者やかつての勤務医、病院団体関係者、研修医などの委員で構成されている。
「具体的方策」は、すべての医師が団結し、日本の医療提供体制の確保に向けて活動を行うことは「非常に大切」だが、「困難な課題」と指摘。勤務医と開業医という医師の立場の違いや病院の規模、設置母体の違いなどにより、考え方や求めるものが大きく異なるため、「医師の団結を目指す端的で強力な方策は明示できない」との現状認識を表明している。
また、「日医がそれぞれの立場の医師の考えを十分に把握し、最大公約数的な方針を打ち出すだけでは、今後の活動の中心にはなり得ないことを強く認識」する必要性を指摘。その上で、「(日医には)新たな理念を持って、わが国の医療制度のあるべき姿を示し、すべての医師をリードしていく強いリーダーシップが求められている」「われわれができることは、理念を明示し、強い日医を構築し、すべての医師のリーダーとして活動できる基盤整備を行うことだ」と強調している。
また、「医師の団結」のために医師会が取り組むべき課題として、(1)日医の活動をより透明化し、すべての国民に理解されるよう努力を継続する(2)勤務医と開業医の接点をそれぞれの医師会のレベルで強化し、勤務医の医師会への参加を促す(3)すべての医師、特に勤務医の労働環境改善に最善の努力を払う(4)医師の診療上の医療安全、医療事故への適切な対応が行われるよう、公平で公正な調査委員会の設置と医療安全を推進するシステムづくりを、現場の医師の意見をより多く取り入れるオープンな形で行う(5)時宜にかなった課題について、広く意見を聴取し、それを生かすことができる執行部体制を構築し、必要な組織との連携を深め、共通の課題解決のために、協働して取り組めるようなフレキシブルな会務の運営に努める(6)女性医師が働きやすい職場環境を構築し、医師不足や診療科間の偏在解決に努力するとともに、国民の医療への信頼を確保し、日本社会の再構築、労働環境改善のモデルとする―の6点を挙げている。
また、今後の検討事項として、▽医学生や研修医など若い人たちに日医や医師会について知ってもらう努力▽研修医への日常的な医師会活動の広報▽勤務医への働き掛け―の3点を提示。
具体的な内容としては、▽医学生に対する医師会活動に関する講義の実施▽医学生や研修医との定期的な懇談会の開催▽地域における研修医のネットワーク構築と情報提供の場の提供▽開業医による日常的な時間外の対応などによる勤務医の労働加重への対応▽開業医会員の専門性向上のための勤務医による支援―などを挙げた。 キャリアブレイン
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