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「何を今議論するのか」―医薬品販売検討会
「(医薬品販売についての)議論は尽くされたものではないか。何を今議論するのか」―。2月24日に開かれた厚生労働省の「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の初会合では、規制強化の賛成派と反対派が激論となる場面があったほか、検討会の開催自体を疑問視する声も飛び出し、議論は平行線をたどった。
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検討会ではまず、資料を提出した委員らがそれぞれ意見陳述を行った。
医薬品のインターネット販売の規制強化に反対する楽天の三木谷浩史社長は、「現在、既にネット販売、通信販売で生計を立てている事業者はたくさんいる。重要な権利を省令だけで制限していいのか」と強く訴えた。また、日本オンラインドラッグ協会の後藤玄利理事長も、省令案に寄せられたパブリックコメントを読み上げ、「舛添大臣は医薬品のネット販売、通信販売の継続を願う声が現場から全く伝えられない中、省令の公布にサインしたのだと思う。大臣もこれらの切実な命の叫びの一つ一つに納得のいく答えを用意しなければならないという強い思いを共有しているものと信じている」と述べた。
一方、全国薬害被害者団体連絡協議会の増山ゆかり氏は、「薬害は薬が引き起こしていると誤解をしている人が多いが、薬害は社会構造の欠陥や情報の不開示といった人的な要素が副作用被害を深刻化させている。対面販売ということが、何よりも薬を消費する人にとって安全を担保するものと考えている」と強調した。
また、検討会の開催自体を疑問視する声も上がった。全国消費者団体連絡会の阿南久事務局長は、「(医薬品販売についての)議論は尽くされたものではないか。何を今議論するのか」と述べた。日本薬剤師会の児玉孝会長は、「薬事法改正については4年間、真摯(しんし)に議論してきた。いろんな意見はあっていいと思うが、なぜ4年間の中で言ってくれなかったのか」と指摘。日本チェーンドラッグストア協会の小田兵馬副会長は、「そもそもこの会議はどういう性質のものなのか。ネット販売を認めようというものならば、この会議で話し合うのはおかしい」と疑問を呈した。
意見陳述後のフリーディスカッションでも、規制反対派と賛成派が激しく対立。ネットの安全性を主張しようとする反対派に対し、増山氏は「検討会で何を議論したいのかまだ見えない。ネットで安全対策をどうするかという議論にこのまま入ってしまうのか」とけん制。慶大薬学部の望月眞弓教授も、「ネットの安全対策で十分議論をし尽くす時間がないので、今の仕組みの中でいかに移動困難な人たちなどに対応できるかを考える方が優先順位は高いのではないか」と述べた。
これに対し、三木谷氏は「なぜこの議論を避けるのか。結論ありきみたいだ」と強く反発した。
その後、一橋大大学院法学研究科の松本恒雄委員らから、「今回の法制化で薬の入手が著しく困難になる人に対して、省令改正の枠組みの中で全く不可能なのかどうかの部分をまず議論して、不十分なのだということであれば、ネットを検討するという順序で考える方がいいのではないか」との提案があり、次回以降の検討会で規制反対派からヒアリングする機会を設けることになった。
改正薬事法、改正省令が施行されるまで数か月しか残されていない中で開かれた初会合は、規制賛成派と反対派の溝が大きいことを感じさせるものだった。6月までに一定の結論を出すことができるのか―。今後の議論が注目される。
更新:2009/02/24 22:55 キャリアブレイン
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