問題になっているのは、会員約1万人を擁する欧州最古のインプラント学会「DGZI」(ドイツ口腔(こうくう)インプラント学会)の認定医資格。他の歯科医の治療例を借りたとされるのは、DGZIの日本支部を統括する国内の学会「AIAI」(最先端インプラント国際学会)の会長職を10月に辞任した竹前健彦(やすひこ)氏(65)のほか、現職のAIAI幹部3人を含む、少なくとも計5人。
5人は01~02年にドイツであったDGZI認定医試験に合格した。
竹前氏らが借りたとされるのは、国内におけるインプラント治療の草分け的存在の一人で、勉強会「総合インプラント研究センター」(横浜市)会長の津末(つのすえ)臺(うてな)氏(79)の治療例。
津末氏によると、5人は当時、この勉強会のメンバーだった。当時の受験要項では、自身やチームで手がけた患者8人分の治療例を示す口の中の写真やX線写真などの資料が必要だった。学会発表などで資料を豊富に保管している津末氏の治療例を借りることになり、津末氏の医院に集まって適当な治療例を分け合ったという。
津末氏は提供を認め、「計40人分の治療例すべてを提供した。安易に貸した私にも責任がある。保険指定医の資格を返上する」と話している。
竹前氏は昨年3月、津末氏の治療例で申請・合格したことを認めたうえで、「術前の写真がなかったため、8症例すべてを借りてしまった」などと述べ、AIAI会長職の辞任や認定医資格返上の意向を示していた。その後は発言を撤回し、「一度は借りたが、実際に提出した書類には自分の医院での治療例を使った」と疑惑を否定している。
別のAIAI幹部は、8治療例のうち一部を借りて提出したことを認め、「本当は自分の症例でやりたかった。入れなきゃよかったなと思う」と述べた。
他の3人のうち1人は全面的に不正を認めた。残る2人は01年の受験は渡航直前に取りやめ、02年に受け直した。2人のうち1人は、治療例を借りたことは認めたが、翌年の受験の際は自分の治療例で申請した、と述べた。残る1人は疑惑を否定している。
DGZIは、国内外で高い評価がある。国内では「日本口腔インプラント学会」が有名だが、認定医(専門医)になるには、指定施設での100時間近い講習受講や論文発表などの要件がある。論文などの必要がないDGZI認定医資格は、権威のうえでも取得要件のうえでも魅力があったと思われる。(抜井規泰、塩原賢) 朝日
歯科も細かい専門性があるんですね?
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