介護報酬、5%以上の引き上げを-民医連
今年4月から介護報酬を3%引き上げる改定案を厚生労働省の社会保障審議会が舛添要一厚労相に答申したことについて、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は1月9日、「すべてのサービスの基本報酬を底上げし、全体で5%以上の引き上げを行わなければ、“介護崩壊”と言われる現場の深刻な実態、利用者や家族が直面している困難を打開できない」として、介護報酬の再改定と介護保険制度の抜本的な改善を求める見解を発表した。
改定案について、全日本民医連は「全体として、基本報酬は据え置いたまま、『地域』に着目した評価を土台に、一定の勤続年数の職員や常勤職員の配置状況などの『体制』と夜勤業務や認知症への対応といった『機能』に対する加算の新設や見直しが中心になっている」と指摘。
改定案で40を超える加算が新設されていることについて、「加算が中心の改定では、算定が可能な事業所と不可能な事業所との“二極化”を招く。特に、大規模な事業所が有利になる設定内容が多く、それに対応できない施設が淘汰(とうた)される恐れがある」とした上で、「加算の算定に必要な職員の確保などは、事業所の自己負担に委ねられており、生き残りを懸けた事業所の介護従事者“争奪戦”が激化することも予想され、さまざまな混乱をもたらしかねない」と批判している。
また、「重い利用料負担のために、サービスの利用を減らしたり、中止したりするケースが後を絶たない中、介護報酬の単価の引き上げに連動した利用料の値上げは、さらなる利用の自己規制をもたらしかねない」として、「改定案は、最初から利用者の視点が欠落している」と指摘。「介護報酬の単価の引き上げに連動し、区分支給限度額が上がらなければ、介護保険で給付されるサービスの範囲が狭まり、多額の自己負担につながりかねない」と問題視している。
全日本民医連では、「今回の改定を通して、『誰のための』『何のための』介護保険であるかが問われている」と強調。現場の矛盾や利用者・家族の困難を打開するための条件として、「基本報酬を含め全体で5%以上の引き上げを実現」「区分支給限度額を大幅に引き上げ、要介護5の限度額は撤廃」のほか、「軽度者の介護の縮小や切り捨てにつながる今年4月からの新しい要介護認定システムを凍結」などを挙げている。
加えて、国民負担に関し、「政府は『改定による保険料の上昇分について、2009年度は全額、10年度は半額を国庫負担する』としているが、09年度から11年度まで、改定による保険料上昇分のすべてを全額国庫負担すべき」と求めている。
キャリアブレイン
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