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麻酔科医育成で国立病院が初の連携

 麻酔科の研修医に魅力ある研修プログラムを提供することで、教育内容の充実や麻酔科医不足の解消に役立てようと、国立がんセンターや国立循環器病センターなどの専門病院は、連携して麻酔科医の研修プログラムを始めることを決めた。国立病院が連携して研修医の育成に取り組むのは初めてで、2010年度の開始を目指す。最初は国立がんセンターの研修医から始める。国立がんセンター中央病院の土屋了介病院長は、「それぞれの病院が特徴ある症例を持っている。これを生かして、麻酔科を志す多くの若い医師たちが来たいと思うような教育体制をつくりたい」と話しており、こうした動きが地域に波及することで、専門病院が連携して若手医師を育てる体制ができることにも期待を寄せている。(熊田梨恵)

 ナショナルセンターによる連携研修プログラムは、後期研修を国立がんセンターで受けることを選択した麻酔科医が、検査や診断などの総合的な知識、気管挿管などの手技や読影などの基本的なオリエンテーションを受けた後、各センターを回って研修を受けるイメージだ。これまで、チーフレジデントが病院を回ったり、個人の人脈による病院間の往来などはあったが、後期研修医に対して体制を整えた研修を提供するのは国内でも初めてになる。
 
 連携研修への参加を予定している国立病院は、現時点で4病院。国立がんセンターは多くの手術を経験することができ、緩和ケアやペインコントロールなどもある。国立循環器病センターは心臓麻酔、国立成育医療センターは小児麻酔が多く、国立国際医療センターは救急患者が多いために緊急手術が多いといった特徴がある。こうした各病院の特徴に応じたプログラムを今後検討していく予定だ。
 例えば、国立がんセンターに入った研修医が、1年目に基本的な研修を受け、2年目には実際の手術などを経験していく。その後、3年目には半年ずつ国際医療センターと循環器病センターに行ったり、後半の3か月間にそれぞれ成育医療センターと国際医療センターに行ったりするなど、各研修医の希望に応じて柔軟に設定できるようにする。土屋院長は、「こうして各センターが連携すると、さまざまなコースが用意され、若い医師に魅力的なプログラムを提供できる。皆からうらやましがられるようなプログラムにしたい」と話している。また、国立病院がこうした全国的な取り組みを始めることで、各地域内でも専門病院群が連携して医師を育てていくモデルケースになるとした。

 国立循環器病センターの友池仁暢院長は、「麻酔科医がぎりぎりの人数で動いている中、皆が協力していくことが必要なので、一つのいい方向だと思う。ただ、現場は医師不足の状況なので、今の麻酔科にトレーニングするだけの時間的余裕があるかという問題などもある。後期研修でセンターに入って来る方たちは、心臓麻酔をやりたいという高いモチベーションのある方たち。そういう若い医師たちに教えていく体制をどう整えていけるかを考えていく必要がある」と語る。

■背景にがんセンター麻酔部門の充実
 この連携研修プログラムは、昨年10月に新たにがんセンター中央病院の麻酔部門の責任者に就任した宮下徹也氏の考案だ。がんセンター中央病院は、昨年春に常勤の麻酔科医が10人から半減したために手術件数を減らして対応していたが、宮下氏の就任や非常勤医の確保など日本麻酔科学会からの応援もあって、現在は以前の手術件数にまでほぼ戻っており、麻酔部門の体制整備が進んでいる。宮下氏は、「米国で一流の医師たちが集まって若い医師を育てる体制を見てきたので、日本でも何かできないかと考えていた。今は麻酔科医の質が問われている。がんセンターは、ただ人を集めるのではなく、良いプログラムをつくることで、野心のある若手医師たちを育てていくといいと思う。質の良い麻酔科医を育てることで、もっと人が集まると思う」と語る。また、土屋院長は「(宮下氏は)現場の改善だけでなく、若い医師の養成についてもしっかりと考えられている。レジデントには、こうして教える側が熱意を持っていくことが大切」と話している。

 キャリアブレイン

勤務医は麻酔をしてるんだから、どんどんして欲しいね、。

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