風邪薬や胃腸薬などの大衆薬(一般用医薬品)を販売する仕組みが来年6月から大きく変わります。薬事法の改正によるものです。副作用など薬の特性に応じて、情報提供にメリハリをつけるほか、薬剤師の代わりに一部の薬を販売する専門資格として、「登録販売者」が新設されました。
大衆薬は医師の処方せんが必要ありません。しかし、処方せんの必要な医療用医薬品と同様に、薬剤師のいる薬局やドラッグストアでしか販売できませんでした。「もっと自由に販売できるようにするべきだ」と、規制緩和を求める声が高まったこともあり、2006年、薬事法が改正されました。
改正の柱は、大衆薬を副作用の度合いに応じて、安全性上、特に注意が必要な第1類医薬品、注意が必要な第2類医薬品、それ以外の第3類医薬品に分けたことです。薬の外箱に分類が表示されます。
その上で、第2類と第3類を販売することができる登録販売者という資格が創設されました。実務経験などの要件を満たし、都道府県ごとに実施される試験に合格すれば資格を取得できます。薬剤師がいないスーパーやコンビニ、家電量販店でも、この資格を持つ店員がいれば、ほとんどの大衆薬を売ることができるようになります。
その一方で、第1類については、薬剤師が文書で説明することを義務づけるなど、規制を強化しました。これまでは、どの薬も店内の棚から自由に取ることができましたが、第1類は薬剤師が確実にかかわれるよう、カウンター内に置かれます。店内に陳列される薬のうち、第1類は空箱などになり、薬剤師に症状を相談し、情報提供を受けた上で買うのです。
もちろん、第2類も専門家による説明が努力義務になっていますし、第3類も相談に応じる義務があります。薬剤師なのか、登録販売者なのかは、着衣や名札によって分かるようにします。
自分の健康を自分で守るには、何でも医師にお任せではなく、大衆薬を賢く活用することも必要です。消費者は、新しい制度を正しく理解し、店側は、薬の利点や副作用を的確に情報提供する体制を築くべきです。(阿部文彦)
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