病院廃止招いた健全化法 再生団体恐れ、大阪・松原 「列島ライトアップ」 (1)
大阪府松原市が約40億円の累積赤字を抱える市立松原病院の廃止を決めた。施設老朽化、医師不足、患者減少...。決定打は2007年制定の自治体財政健全化法。病院などの赤字を自治体財政の健全化指標に反映する仕組みは、人口約13万人の地方都市が何とか維持してきた地域の中核病院を追い込んだ。
総務省によると、07年度決算で全国957公立病院の約7割は赤字。自治体の財政破たんを防ごうとした国の政策が公立病院廃止の連鎖を導きかねない状況だ。
「このままでは早期健全化団体、さらには財政再生団体に転落する。断腸の思いだが、病院を廃止するしかない」
中野孝則(なかの・たかのり)市長(67)は12日、市民説明会で繰り返した。集まった市民は存続を求めたが、市議会はその5日後、来年3月末の廃止を可決した。
市立松原病院は本館が1962年の建設。産婦人科など12の診療科を持ち、地域で中心的な役割を担った。市は2003年度から5年間に、総額約29億円を一般会計から病院事業に繰り入れて病院を支えたが、累積赤字は膨らむ一方だ。
そこへ財政の健全性を公営事業も含めた連結決算ではかる自治体財政健全化法が成立。累積赤字が重くのしかかり、病院を存続すれば数年後の財政再生団体転落が視野に入った。そうなれば、北海道夕張市のように国の管理下で再建を余儀なくされ、公共料金の値上げなど、しわ寄せは市民にいってしまう。
厚生労働省が導入した04年の新医師臨床研修制度も痛手だった。研修先を選べるようになった新人医師は都市部の高度医療を手掛ける病院に流出。そのあおりで大学病院は地方の病院に派遣した医師を引き揚げた。松原病院でも01年度に38人いた医師が07年度には27人になり患者減につながった。
公立病院をめぐっては、財政危機の北海道赤平市が不採算の市立総合病院の産婦人科などを休止、千葉県銚子市の市立総合病院も医師不足ですべての診療をやめた。佐賀県武雄市では、民営化の是非が問われ市長のリコール騒ぎに発展した。
一方、徳島市民病院は救急や手術に重点を置く方針に転換、患者が増えた。大阪府も府立5病院を地方独立行政法人に移行させ、単年度決算では不可能だった医薬品や診療材料を5年契約で調達する新制度を導入して黒字を確保した。
だがそんな病院はごく一部。ある市の担当者は「診療報酬のマイナス改定も続き、黒字化計画なんてとても立てられない」とため息をついた。
埼玉県、川崎市、鹿児島市で公立病院改革に取り組んだ未来医療研究所の武弘道(たけ・ひろみち)所長の話 民間病院が力をつけ交通網も発達し、自治体ごとに病院を持つ意味は薄れてきた。公立病院の経営難は予想されていたが、病院を管理する自治体や議会に危機感がなかった。公立はつぶれないという職員の意識変革も重要だ。 共同通信社
勤務医も経営意識もたないと、院長だけに任さないでコスト意識で参加させたほうがいいですよ!
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