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8月27日の中医協

 8月27日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)を振り返る。この日は、総会(第133回)と保険医療材料専門部会(第36回)を開催。総会では、75歳以上の脳卒中や認知症患者らの診療報酬を10月から減額する措置の猶予を決定したほか、4月に創設された「高度医療評価制度」の承認第1号が報告された。保険医療材料専門部会では、厚生労働省が示した「今後の検討の進め方」(案)を了承し、イタリア、オーストラリア、カナダなどの薬事審査体制などを調査する方針を決めた。(新井裕充)

 8月27日の中医協は、東京都千代田区の「グランドアーク半蔵門」で午前10時から開催され、ほぼ正午の定刻通りに終了した。最初に開催した総会の議題は、▽医薬品の薬価収載 ▽DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応 ▽医療機器の保険適用 ▽先進医療専門家会議の報告 ▽歯科用貴金属価格の随時改定 ▽一般病棟の長期入院患者の入院基本料 ▽その他―の7点。

 「医薬品の薬価収載」では、男性の下痢型過敏性腸症候群の治療薬「イリボー」(アステラス製薬)など、11成分16品目の薬価収載を了承した。9月12日に収載される予定で、質疑では薬の容量と算定薬価との関係、配合剤の承認に関する質問があった。
 ※ 詳しくは、▽「イリボー」など薬価収載を了承―中医協配合剤の承認、「基本理念は変わらない」―をご覧ください。

 「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応」では、▽高齢者の失明原因の一つである加齢黄斑変性症の治療薬「マクジェン硝子体内注射用キット0.3mg」(ファイザー) ▽大腸がんの分子標的治療薬「アービタックス注射液100mg」(メルクセローノ) ▽中等症以上の再生不良性貧血等用薬「サイモグロブリン点滴静注用25mg」(ジェンザイム・ジャパン)―の3品目について、次期診療報酬改定までの間、DPC(包括払い)の対象から外して出来高算定とすることを決めた。
 ※ 詳しくは、「マクジェン」など高額3薬品を出来高算定に―をご覧ください。

 「医療機器の保険適用」では、分娩監視装置「コロメトリクス250」(GE横河メディカルシステム)や、歯列矯正用ワイヤ「テクノフレックス」(齋藤歯研工業所)など、医科と歯科合わせて88件の医療機器の保険適用を承認した。医科では、区分A2(特定包括)が28件、区分B(個別評価)が32件、歯科では、区分Bが28件だった。
 ※ 詳しくは、医療機器88件の保険適用を承認―をご覧ください。

 「先進医療専門家会議の報告」では、 今年4月に創設された「高度医療評価制度」の最初の適用対象となっていた「腹腔鏡補助下肝切除術(部分切除と外側区域切除を除く)」を先進医療として承認したことが、厚生労働省の担当者から報告された。実施できる医療機関は、岩手医科大附属病院に限られる。このほか、適応症を甲状腺髄様癌とする「PET遺伝子診断」を先進医療として承認したことも報告された。
 ※ 詳しくは、高度医療評価制度、初の承認を報告―をご覧ください。

 「歯科用貴金属価格の随時改定」では、 歯科用貴金属の価格の変動に伴い、「歯科用純金地金(金99.9%以上)」など、9品目の歯科用貴金属価格を10月から改定することを了承した。
 渡辺三雄委員(日本歯科医師会常務理事)は「10%以上の変動が改定の条件になっているが、2%、3%(の上昇)でも(経営に)ダイレクトに響いてくる」と訴え、改定の頻度や変動率など条件の見直しを求めた。支払側の対馬忠明委員(健保連専務理事)は、原油価格の高騰などを例に挙げて理解を示し、「データを参考にして、10%がいいのか、3か月はどうかなどを今後議論したい」と回答した。
 ※ 詳しくは、歯科用貴金属の価格を改定-10月から―をご覧ください。

 「一般病棟の長期入院患者の入院基本料」では、75歳以上の脳卒中や認知症患者らの診療報酬を10月から減額する措置の猶予を決定した。委員からは、中医協が目指してきた「医療機関の機能分化と連携」という方向性が後退しないよう求める意見が出された。
 診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)は、退院後の“受け皿”の確保の必要性をあらためて強調。「保険局マターではないと思うが、医政局、老健局も含めて総合的に取り組んでほしい」と要望した。支払側の対馬委員は「医療機関の機能分化という方向に逆行することにもなりかねない」との懸念を示し、「今回の措置は、あくまでも一般病棟における脳卒中、認知症、75歳以上の方に限定した話だということを確認したい」と念を押した。
 これらの意見に対し、保険局の佐藤敏信・医療課長は「(急性期医療の)一般病棟には、それにふさわしい患者さんが入っていただく必要があるという原則は変えていない。回復期リハや亜急性期の病床、病棟に行くべき人は、そういう所で療養していただく」と強調した。
 ※ 詳しくは、「90日超で減額」の猶予を了承―をご覧ください。

 以上の議論を終え、遠藤会長が「これにて総会は閉会」と告げたところで、藤原淳委員(日本医師会常任理事)が挙手。約5分間にわたって、外来管理加算の見直しを求める意見を述べた。
 藤原委員は、外来管理加算の5分要件が診療所から病院への財政支援だったことをあらためて確認。勤務医の負担軽減に充てるための診療所からの支援は約400億円で、そのうち外来管理加算の5分要件による支援は約100億円の予定だったのに、日医の試算では診療所などで約800億円の減収になることを指摘。その原因として、外来管理加算についての審議(昨年12月7日の中医協)のベースとなった厚労省提出の資料について、「診療時間が診察時間に置き換えられたため、『5分ルール』の算定がより厳しくなった」と批判し、早期の見直しを求めた。
 しかし、遠藤会長は「その趣旨のご意見は何度も賜っている。検証部会で議論する」とかわした。
 ※ 詳しくは、「5分ルール」の早期見直しを要求―日医―をご覧ください。

■保険医療材料専門部会
 
議題は、「部会長の選挙」「保険医療材料制度に関する今後の検討の進め方」の2点。部会長に選任された小林麻理・早大大学院公共経営研究科教授が「医療の専門家ではないが、公益委員として部会長の職責を鋭意果たしたい」とあいさつし、議事に入った。

 「今後の検討の進め方」(案)について、厚労省の宇都宮啓企画官が説明。日本特有の流通システムや審査期間など、医療材料の価格に与える影響などについて業界から意見を聴くほか、「イタリア、オーストラリア、カナダ、スウェーデンなど」の関連施設を訪問調査することを決定した。
 質疑で、松村啓史委員(テルモ取締役常務執行役員)は「日本と比較して意味のある国を選んでいただきたい」と要望した。

 また、調査項目の「医療材料」として、ペースメーカー、PTCAカテーテル、冠動脈ステントなど、循環器系の医療材料だけが例示されている点に関して、診療側の邉見公雄委員(全国公立病院連盟会長)が「人工関節の内外価格差は大きくなくなったのか」と質問。宇都宮企画官は「循環器ほどではなくなっている。調査して、内外価格差が大きければ人工関節も調査対象にしたい」と回答した。
 ※ 詳しくは、医療材料の内外価格差で海外調査へ―をご覧ください。
  キャリアブレイン

中医協でどんな話し合いが行われているか?知りたいよね?

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