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75歳で区切る理由分からず  諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏 インタビュー企画「どうする高齢者医療」

 後期高齢者医療制度が始まって約5カ月。この間、終末期医療に対する医師への報酬は凍結されたほか、75歳以上のかかりつけ担当医(主治医)はなり手が少ないといわれている。高齢者医療はどう在るべきか、現場の医師たちに聞いた。
 ―制度をどう思うか。
 「75歳で区切る理由が全く分からない。所得の低い方の保険料負担が増えるという間違いを犯した。2年間も準備期間があったのに、混乱を招いたのは政府や官僚、政治の責任だ。制度自体には反対だが、この中でよい点は何なのかを見ていく視点も必要だ」
 「医療費は先進国の平均並みに上げなければならないが、上昇し続けるのも問題。切り札になる可能性があるのが、かかりつけ医制度の中の包括払い。この制度が日本の中で合うのかどうか挑戦させてほしいと大臣は国民に言うべきだ」
 ―かかりつけ医制度については。
 「患者が望まないと成立しない制度で、医師が決められないことに安全弁がある。診療所で患者に適用され始めたが、1年の診療計画を立て、例えば春と秋に血液検査を行い、夏に心電図、冬にレントゲンを撮る。その間、異常があれば必要に応じて治療する」
 「生活面を中心に指導していくので、お互い協力して改善しましょうと、紙に書いて成立する。どこも悪いことはない」
 ―反対意見がある。
 「日本医師会などが診療報酬の出来高払いと、自由に医療機関にかかれるフリーアクセスを崩壊させるとして包括払いに反対するのは分かる」
 「しかし、患者の立場などから、けしからんという理由はない。必要な検査をやらなくなることはない。そんな所に患者は行かなくなるし、そんなに医者は悪くない。患者負担が減り、むしろ検査がやりやすくなるということになる」
 ―終末期支援料は。
 「終末期医療の大切な点は本人の意思確認。生き方や最期の在り方を自分で選べる。徹底的に生きたいんだという人はそういう戦い方をすればいいし、そうしたくないという人も結構多い」
 「とてもいい仕組みのはずなのに、死を目前にした人に人工呼吸器や点滴をするかどうか丸をつけてサインさせるというのは人間の心が分かっていない。感性が全くない官僚がつくった机上の議論で、だからお年寄りが怒った」
 ―どうすれば。
 「田舎では、お年寄りから『先生、(延命措置など)余計なことをしないでくれよな』と言われ、医師は『じゃあ、そうカルテに書いとくね』と言うケースもある。人工呼吸器が必要になった時、医師は『本人は望んでいない』と書く。一方、お年寄りは安心して『じゃあ、サインしておいてよ』ということになる」
 ―大事なことは。
 「信頼できるかかりつけ医を選んで、何年かのスパンの中で万が一の時、死が近づいた時、どうするかを決めておけばよい」
 「ある程度元気な時に話すことが大事で、穏やかな状況の時に話し合い、その結果、診療報酬を認めるという形なら良かった。本人の意思確認を制度で認めようとしたことは決して悪いことではない」
   ×   ×   
 かまた・みのる 48年生まれ。東京医科歯科大卒。長野県の諏訪中央病院で「住民とともにつくる医療」を実践。著書に「がんばらない」など。
   ×   ×  
▽高齢者のかかりつけ担当医 
 高齢者のかかりつけ担当医 かかりつけ担当医(主治医)が高血圧や糖尿病、認知症など慢性疾患を抱えがちな75歳以上の高齢者を定期的に診療計画書を作成したうえで、食事や運動を含めた生活全般にかかわる指導・診察を行えば後期高齢者診療料が算定できる。患者の同意を得るのが条件。患者負担は月600円の定額だが、薬代や再診料、一定額以上の検査代などは別に支払う。かかりつけ医を担当する医師を「主な病気を診療する医師1人」と厚生労働省が限定したことに、医療現場から反発がある。

 

 

共同通信社

早く衆議院選挙しないかな~。

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