脳の仕組みの解明へ成果
理化学研究所は8月13日、「外部から(脳に)入った情報が、神経細胞の回路を経て大脳皮質に到達、投射される過程で、重要な中継地点となっている『視床』の発生の仕組みを発見した」と発表した。脳の一部である視床の仕組みを解明することは、脳全体の進化への理解を深めることにつながるといい、成果は、英国の科学雑誌「Development」の8月号に掲載される予定。
理研によると、得た情報を基に動物が発揮する活動能力は、種によって異なる。大脳皮質内では、得た情報ごとに領域が分けられた「脳地図」が存在し、「脳地図」の領域の数や種類が種によって違うため、異なる能力を持つと考えられている。
大脳皮質が情報を正しく処理・記憶するためには、情報移送の中継点である視床にも「視床の脳地図」があると考えられていたが、視床が脳内の深部に位置するため、解析や遺伝子操作が難しく、「視床の脳地図」の作成メカニズムは不明だった。 しかし、理研脳科学総合研究センターの回路機能メカニズムコア臨界期機構研究グループが、視床部位だけに遺伝子を導入する独自の方法を開発した。
同グループは、マウスの胎児を使い、「in situ ハイブリッド形成法」という染色法で、脳の形づくりに重要な働きをする「繊維芽細胞増殖因子(FGF8)」の視床での様子を観察。発生途中の視床内にFGF8を過剰に発現して、その活性を上げると、視床内の機能領域を神経軸に沿って後ろに移動させることができた。逆に、FGF8を抑制すると、前に移動させることができた。この結果、FGF8の量が、発生途中の視床内の領域形成(視床の脳地図)をコントロールしていることが判明したという。
理研では、「今回の成果によって、動物がどのようにして視床の中で処理する情報量や種類を変化させて、大脳皮質がどう変化するかを理解することができると期待される」としている。
キャリアブレイン
理研の成果はすばらしい!
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11年度中に「ドラッグ・ラグ」解消-厚労省
厚生労働省は8月12日、政府の規制改革会議(議長=草刈隆郎・日本郵船会長)が7月に公表した「中間とりまとめ」を受け、▽「ドラッグ・ラグ」の解消▽後発医薬品の使用促進▽混合診療禁止措置の撤廃―についての見解を示した。
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■欧米薬の審査大幅緩和を否定
欧米で標準的に使われている医薬品が日本国内で未承認のため使用できない、いわゆる「ドラッグ・ラグ」の解消の遅れを危惧(きぐ)する規制改革会議の主張に対し、厚労省側は2007年策定の「革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略」に沿って、審査人員の増員や治験の実施基準(GCP)の運用改善により、目標の11年度末までに「ドラッグ・ラグ」を解消すると回答した。
また、「ドラッグ・ラグ」の迅速な解消に向けて施策を前倒ししながら、欧米で承認された新薬の審査基準を大幅に緩和すべきとの要望に対しては、日本人は欧米人と比べ、少ない用量で効果が表れたり、重篤な副作用が発生したりするなどの「民族差」があるため、十分な医薬品審査は欠かせないとして、大幅な緩和を否定した。
■「参照価格制度」の導入にも否定的
規制改革会議からは、後発医薬品の需要を促すため、先発医薬品の特許期間が終了すれば、先発品と後発品の保険償還価格(公定価格)を同一とする「参照価格制度」の導入を求める声が上がっていた。
厚労省は、先発品の価格が保険償還価格を上回れば患者の負担が増え、「患者層」によっては事実上の後発品の使用強制にもなりかねないとして否定的な見解を示したが、一方で後発医薬品市場の育成を図り、12年度までに医薬品市場全体に占めるシェアを数量ベースで30%とする目標を維持するとした。
■混合診療禁止措置の撤廃も不適当
インターネットなどの通信技術を通じて診療する遠隔医療が注目されているが、規制改革会議からは、通常の保険診療と通信端末の購入など保険適用外の診療が併用されることで混合診療の要件に該当し、患者の全額負担にならないかという疑問や、遠隔医療の促進を危ぶむ声も出ていた。
厚労省は、このケースは混合診療には該当せず、遠隔医療も阻害しないと回答した。
混合診療の禁止措置について同会議側からは、将来的に医療行為のカテゴリーに含まれる可能性のある技術やサービスの発展を阻害し、患者の利便性を損なうため、撤廃に向けた施策を講じるべきとの意見も出た。
これに対し、厚労省は保険診療と保険外診療の併用は一定ルールで認めていくことが妥当と指摘。多くの患者団体からの反対もあり、混合診療の原則禁止措置の撤廃は不適当と回答した。具体的な理由としては、患者に保険外の負担を求めることが一般化するなどの恐れもあるほか、安全性や有効性が確認されていない医療が保険診療と併せて行われ、科学的根拠のない特殊な医療を助長するとの認識を示した。
キャリアブレイン
混合診療の波は来ているんだな?
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