最初に開発された「先発医薬品」と同じ成分を使い、安価な「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」の普及を進めようと四月、処方せんの書き方などが変わった。変更点や注意点をまとめた。 (鈴木久美子)
全国チェーンの調剤薬局、日本調剤三田薬局(東京都港区)。窓口で女性客(72)が提出した処方せんを見た薬剤師が「このお薬ならジェネリックがありますから、千円安くなりますよ」と話す。「そうなの?…次までに考えてみます」と女性客は答えた。
こんなやりとりが薬局で見られるようになった。「薬局でジェネリックに変更できる処方せんが、三月までの約三倍に増えた」と同社の弓場鉄雪・経営企画部部長代理は話す。
四月、診療報酬改定で処方せんの書き方が変わった。これまでジェネリックに変更していいと医師が認めた場合に処方せんにサインしていたが、改定後は変更できない場合にサインする。無サインの処方せんを受け付けた薬局は、患者が選べばジェネリックに変更できる。調剤報酬もジェネリックを一定割合処方すると加点されるように改定された。
改定理由は、先発品の二-七割と安価なジェネリックの利用促進による医療費の削減。二〇〇二年、ジェネリックの処方に医師の診療報酬加点を始めたが、薬剤の周知不足で利用は広がらなかった。
二年前の改定で、ジェネリックに変更可能な場合に医師がサインする書式に変更したが、「署名は約20%、うち薬局が変更したのは約6%」(厚生労働省)。そこで今回、変更可能なときは無サインに改定された。
ジェネリックの日本での普及率は数量で約二割ほどだ。安価なのに普及しない理由について同省は「薬局に備蓄コストがかかるから」と指摘する。弓場部長代理は「小規模薬局ではスペース確保が大変」。
一方「医師の不信感も根強い」と日本医師会の中川俊男常任理事。「(中小が多い)ジェネリックメーカーは説明体制などが不十分」と指摘する。品質も「全部が先発品と同じと考えてはいない。品目一つずつ、医師がきっちり判断する必要がある」と話す。
成分は同じでも、錠剤を作るための添加物が異なるとアレルギーなどを起こす懸念はある。疾病によっては薬剤を変えられない場合も。こうした場合、患者にどこまで説明してもらえるのか、変更した薬剤で健康被害が出た際の責任問題など不安はある。
日本薬剤師会の山本信夫副会長は「安いからではなく、先発品同様に有効なのだから選ぶという点をしっかり患者に説明し、納得してもらえるよう薬剤師が知識と職能を最大限に発揮して当たらなくてはならない。会でも薬剤師への説明を重ねている。薬局で何でも聞いてほしい」と呼びかけている。
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