常勤医をやめたことがある」女性医師は7割超「卒後10年以内」の離職大半、東京医大の医師らの調査
橋本佳子(m3.com編集長)


 「常勤医をやめたことがある」女性医師は平均55%、生涯で見ると73%であり、「常勤医」をやめた時期は卒後10年以内が最も多い――。東京医科大学病理診断学准教授の泉美貴氏らの調査で、こんな結果が明らかになった(図1、2)。

 年齢別に見ても、「50~59歳」でも卒後10年以内の離職が多いことから、「女性医師の場合、従来から出産などで常勤をやめる人が多く、その対策をこれまで実施してこなかった」と泉氏は問題提起。問題解決を先送りしてきた結果が、昨今の医師不足の一因であることが示唆された。7月25日の第40回日本医学教育学会大会シンポジウム「女性医師のキャリア支援」で発表した。

 さらに、離職する時点での勤務先は大学病院が多いことから、「大学病院は教育の場ではなく、“離職の場”となっている。現在、厚生労働省は女性医師の復職支援などを検討しているが、それ以前に『いかに離職を防止するか』を考えることが不可欠」と泉氏は強調した。

   診療科別では小児科、精神科、内科一般が上位
 
 この調査は、東京女子医科大学女性生涯健康センター教授の檜垣祐子氏と共同で実施。東京医大と泉氏の出身大学の川崎医科大学の女性の卒業生、計1423人を対象に実施。711人から回答を得た。

 主な結果は以下の通り。

◆「常勤医をやめたことがある」(離職率):55% 
 ⇒ 年齢別では、「50~59歳」は73%(60歳でリタイアすると考えると、医師としてのキャリアのうち1回でも離職する率は73%。図1)

◆離職時の年齢:「25~29歳」44%、「30~34歳」42%(計86%)

◆離職時の経験年数:「1~5年」「6~10年」が大半(図2)

◆「常勤をやめた理由」(複数回答):「妊娠・出産」55 %、「育児」37%が上位

◆子供の有無別の「離職の有無」
 「子供あり」 ⇒ 「離職なし」23%、「離職あり」77%
 「子供なし」 ⇒ 「離職なし」78%、「離職あり」22%

◆診療科別の「離職の有無」:小児科74%、精神科70%、皮膚科62%、内科一般61%、耳鼻咽喉科61%が上位 
(その他、産婦人科43%、外科27%、など)

◆離職時の勤務場所:「大学病院」49~73%(年代により異なる)

◆離職医の復職状況:「常勤医として復職」33%、「パート医として復職」60%、「復職していない」5%

 制度面の充実に加えて意識面での改革も必要

 シンポジウムではこのほか、女性医師のキャリア支援に積極的に取り組んでいる事例が紹介された。

 2006年11月にスタートした東京女子医大の「女性医師再教育センター」では、いったん臨床から離れた医師などを対象に、短期間の研修などを実施し、復職支援を行っている。また同大学ではこの8月から、臨床系教員で、小学生以下の子供を持つ助教の医師(男女を問わず)を対象に、3年間を上限に「短時間勤務」を認める制度を導入するなど、様々な支援を行っている。

 また信州大学医学部では、「地域医療人育成センター」の取り組みの一環として、「女性医師・キャリア支援」プロジェクトを2006年10月から開始、医学生を対象とした選択講義「女性医師のキャリアについて考える」、各種セミナーや調査、さらには希望者とのキャリアに関する個別面談などを行っている。

 女性医師の場合、「配偶者の8割は医師」であるとの報告がある。また医療界では大学や病院の主要ポストは男性医師が大半を占め、女性医師のロールモデルの少なさを指摘する声もある。同センターがこうした事業に取り組むのは、妊娠や出産、育児などの時期に離職せずに済み、いったん臨床現場を離れても復職できる環境整備に加えて、職場の周囲の医師、配偶者、さらには女性医師自身の意識改革や精神的支援が重要だと考えているからだ。

 国家試験合格者のうち女性が占める割合は3割強、医師全体で見ると約17%は女性医で、その割合は増加傾向にある。医師不足対策として、女性医師が継続して働ける環境整備が急務だが、その際は性別を問わず、医師の勤務環境を整えるという視点が重要だろう。
なかなか難しいでしょうね?

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有床診の会議で産科系の診療所では立ち入り検査(保健所)が2度目になってきているようです。わたしのところはまだ1回しかないようですが、、。

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新臨床研修制度導入…大学医局「人手不足」 医療機関への派遣中止8割
このニュースについての掲示板

提供:毎日新聞社

【2008年7月26日】
医師不足:新臨床研修制度導入…大学医局「人手不足」 医療機関への派遣中止8割
 新人医師が2年間の研修先を自由に選べる新臨床研修制度が導入された04年度以降、大学病院の医局の約8割が人手不足などで地域の医療機関への医師派遣を中止・削減したことが、日本医師会の調査で分かった。派遣を受けられなくなった医療機関の6割以上が診療制限や診療科の閉鎖に追い込まれていた。大学から一般病院へと医師不足が広がった過程をデータで裏付けたのは初めて。【清水健二】
 今年3-5月、大学病院の1821医局を対象に実施し、1024医局から回答を得た。その結果、04年4月以降、大学から地域の病院への医師派遣を中止したり、派遣数を減らした医局は77%に達した。うち78%の医局が「臨床研修制度による人員不足」を理由に挙げた。
 医局が医師を引き揚げた医療機関は3003施設に上り、このうち17%が診療科を閉鎖、45%が外来のみの診療や診療時間短縮などの制限に踏み切ったという。診療科別では産婦人科、内科、リハビリテーション科の順に、引き揚げの割合が高かった。
 地域別に見ると、人口10万人当たりの医師数の下位9県(埼玉、茨城など)で減らされた派遣医師数は一病院平均0・28人。全国平均(0・22人)より約3割多い。
 分析した日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は「大学病院の人材配分システムが機能しなくなったことが医師不足を顕在化し、地域間格差を広げた」と指摘している。
 新人医師は2年間で内科、外科、小児科など各科を回って総合的な診療技術を学ぶことが義務付けられた。研修先として待遇のいい大都市の病院に人気が偏り、若手の大学病院離れが起きている。
以前から問題ありだったんだよ!

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