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物価高騰、病院・介護の給食が「非常事態」

 世界的に続く燃料費や食料費の高騰が、病院や介護現場の給食に大きな影響を与え始めている。配送に必要なガソリン代は春の約1.5倍に上昇。食材はコメを除き軒並み値上がりしている。加えて光熱水費などのコストが高まり、首都圏の1都2県で給食サービスを行う会社では、「人件費をカットせざるを得なくなってきている」と、給食を取り巻く危機的状況を訴えている。(萩原宏子)

 この会社は一日に約5600食を作り、年中無休で病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、透析クリニック、デイサービスセンターなどに提供している。

 だが、燃料費の高騰が経営に影を落としている。給食の配達に4台の車を使うが、4月に約23万円だったガソリン代が、5月には約29万円、6月には約34万円と約45%も上昇している。
 光熱水費についても、来年には電気代のアップが予想され、給食調理コストをさらに押し上げる事態が懸念される。
 食料高の影響も著しい。コメは値上がりしていないものの、肉、魚、野菜、乳製品、卵、調味料などが軒並み値上がりしている。この会社では、「今まで国産の食材を使ってきたが、現在では外国産の食材を使わざるを得ない」と明かし、「現状のまま推移すれば、一日2回提供しているフルーツを他のものに変えるなど、献立の見直しも考えなければならない」と話す。
 他県の事例では、材料費単価が16円増となり、赤字構造に陥ったことを挙げ、給食サービス会社にとって、食材費の高騰が経営を揺るがしかねない大問題になっていることを明かした。仮に同社で16円増となった場合、一食16円×5600食×365日≒3,270万円のコスト増となる。「材料費が16円上がったらうちも赤字になってしまう」と厳しい実態を訴えた。

 こうした給食サービスの経営難の背景には、燃料費や食料費の高騰のみならず、2006年度の診療報酬改定がある。同年度の改定では、入院時食事療養費(入院時の給食料に対して支払われる診療報酬)が一日当たり1920円から一食当たり640円に変わった。また、一日当たり200円の特別管理加算が廃止されたほか、特別食加算も一日当たり350円から一食当たり76円となった。この会社では、さまざまな経営努力を重ねて病院からの給食業務の受託単価を引き下げてきているものの、この改定で15~20%の引き下げとなったため、病院側の給食部門の赤字は解消されていないという。

 原油の高騰で大手石油会社が燃料の小売価格を引き上げ、消費者に価格転嫁している中、この会社では給食サービスの値上げは何とか避けたいと考えている。「診療報酬・介護報酬の改定で厳しい経営を迫られる病院・介護施設に負担を掛けず、患者さんにも喜ばれるサービスを提供することが設立当初からの方針。価格転嫁は今のところしないつもりだ」
 しかし、こうした経営努力には限界もあり、人件費の削減は避けられない状況だ。この会社では「このような状況になければ、職員に満足のいく給与を支給できるのだが」と頭を抱えている。

 「燃料高・食料高が世界的な問題となって、食生活という人間にとって根幹となる部分が脅かされている中、外国から安く食料を輸入していく従来のやり方の限界も明白になった。39%にすぎない日本の食料自給率を高める政策に一刻も早く転換しないと、日本は大変なことになるのではないか」―。この会社では、日本の食料を取り巻く状況に警鐘を鳴らしている。

 

 

 

キャリアブレイン

こんなところにも影響が、、。

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