自衛隊でも医師不足…防衛医大、診療科の選択を「調整」

 防衛省は来年度から、自衛隊の医師を養成する防衛医大(埼玉県所沢市)の卒業生について、診療科ごとに大まかな定員を設けることにした。

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 同大の卒業生はこれまで、一般の医師と同様、自由に診療科を選ぶことができたが、自衛隊でも医師不足が問題になっており、特定の診療科への偏在を解消するため、「調整」することにした。

 医師不足対策としての効果が注目されるが、急な方針変更に、学生から戸惑いの声も上がっている。

 防衛医大の学生は特別職の国家公務員で、入学金や学費がかからず、月額約11万円の手当などが支給される。その代わりに、卒業後9年間は自衛隊に勤務する義務があり、途中で辞める場合は、卒業までの経費を償還(最高5000万円)する必要がある。

 同省によると、近年、全国的な医師不足の影響もあり、義務年限を終える前の早期離職が増えている。自衛隊勤務の医師は799人(3月末)で、定員に対する充足率は68%。充足率は1996年の約80%から下がり続け、特に外科と産科、精神科で医師不足が目立つ。全国16か所の自衛隊病院で産科などがなくなったところも出ている。

 このため、陸上・海上・航空の各自衛隊ごとに診療科が必要とする人数を大枠で示し、学生の希望や成績を基に各科に割り振り、人数枠を大幅に超えた場合は調整を行う。強制はせず、卒業後の臨床研修(2年間)と部隊勤務(同)を経て、5年目から始まる診療科別の専門研修時に変更を希望することも可能という。

 新方針は先月中旬、同大の学生に伝えられた。同省側が示した各診療科別の大枠は、3自衛隊合わせて、内科13~21人、外科8~15人、整形外科と精神科が各4~8人など。関係者によると、来春卒業予定の62人は現時点で外科希望者が少なく、他の診療科から割り振られる可能性が高い。

 学生からは「卒業間近になって、希望と違う科に行けと言われても困る」「診療科を制限するなら、入学時に明示すべきだ」などの声が上がっているという。

読売新聞)
科を選べない?

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後期研修医の「大学離れ」は依然続く
全国医学部長病院長会議の調査、大学で後期研修する医師は半数強
橋本佳子(m3.com編集長)


 全国医学部長病院長会議がまとめた「臨床研修修了者帰学状況調査」によると、今年4月から後期研修を開始した医師のうち、大学を研修先としているのは55.9%にとどまることが明らかになった。前年より3.9ポイント増となり、やや回復したものの、卒後臨床研修必修化前の2002年の71.4%と比べると低く、依然として「大学離れ」の状況が続いている。  

 地域別にみると大きな開きがある。最も高いのは関東で82.3%、一方、最低は四国で28.7%(図1)。診療科別にみると、外科の減少傾向が目立つ。

研修必修化で地域差が拡大

 この調査は、全国の医科大学・医学部を持つ大学、計80大学を対象に実施。今年4月から後期研修(卒後3年目の研修)を開始した医師の研修場所(帰学状況)を調査した(進路が特殊な防衛医大、自治医大、産業医大は解析から徐外)。具体的には、各大学における、2006年3月の国家試験合格者に対する、今年4月から後期研修を開始した医師の割合を調べた(他大学出身者を含む)。

 同様の調査は、2004年の卒後臨床研修の必修化後、最初の後期研修医が誕生した2006年以降、3回目。対照として、2002年3月の国家資格合格者に対する、1年目の研修医の割合(他大学出身者を含む)も調べている。下記の通り、毎年やや大学に戻る率は増加しているものの、2002年の8割弱にとどまっている。

 臨床研修修了者の帰学状況
 2002年71.4% ⇒ 2006年50.6% ⇒ 2007年52.0% ⇒ 2008年 55.9%

 なお、今年4月の後期研修医が初期研修を開始したのは2006年。この年に大学病院を初期研修先として医師の割合は48.8%〔臨床研修病院(市中病院)は51.2%〕。初期研修でいったん市中病院に出ても、後期研修で大学に戻る医師がいることが分かる。

 また、地域別に見ると、2002年の場合、多少東北が低い以外は、さほど地域差は見られなかった。これに対し、必修化以降、地域差が顕著になった(上記の図1)。2002年との比較で増加したのは関東のみ。一方、東北や四国などでは大幅に減少した。ただし、北海道などやや回復傾向にある地域もある。

外科と泌尿器科では必修化以降、一貫して減少

 さらに診療科別に見ると、研修必修化以降、一貫して減少しているのは、外科と泌尿器科だ。医師不足の問題では、産科と小児科での不足が指摘されることが多いが、外科の専攻者も必修化前の約3分の2に減少している。

  全国医学部長病院長会議では、2006年に声明を出し、外科系救急医療の崩壊を指摘しているが、具体的な対策が急務になっている。さらに、同会議では今年6月20日に、「現在の医師数では医療崩壊はますます深刻化することが予想され、抜本的な医師養成数の増加が不可欠」という声明を出している。 

 外科選択者:31.7%減

 2002年12.3% ⇒ 2006年9.7% ⇒ 2007年8.9% ⇒ 2008年8.4%

 泌尿器科選択者:34.3%減
 2002年3.7% ⇒ 2006年3.5% ⇒ 2007年3.4% ⇒ 2008年2.5%
関東だけ一人勝ち?
    
     14年残留率 18年帰学率 19年帰学率 20年帰学率
北海道  76.4      33.1       38.7     56.2
東北    63.0             30.1                31.1           32.7
関東        71.6             67.4                89.2           82.3
中部        66.4             41.4                35.1           39.1
近畿        74.1             53.1                41.1           46.7
中国        73.3             36.0                29.8           39.7
四国        74.0             30.2                23.3           28.7
九州        75.0             56.2                46.7           64.3
全国        71.4             50.6                52.0           55.9

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診療報酬:収入激減を招く「5分ルール」実態調査へ

 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は、医師が患者の問診や指導で「おおむね5分以上」費やさないと外来管理加算(520円)を請求できない診療報酬の「5分ルール」の調査に乗り出すことを決めた。このルールは08年度の診療報酬改定で導入されたが、医療現場で「収入激減を招く」との不満が強まっており、医療機関に与えている影響を調べることにした。

 外来管理加算は、傷の手当てなどの「処置」をしないで、患者の問診や指導をした場合に再診料に上乗せする仕組み。傷の処置などの機会が少ない内科医の経営を安定させる側面もあったとされるが、患者側に「(短い問診で)サービスを実感できないのに請求だけされる」との不満もあったことから、厚労省が4月から診察に5分以上かけない場合は報酬をもらえないように改めた。

 当初、厚労省は5分ルールの影響について、「外来管理加算を請求できなくなる医療機関は1割」と説明していた。しかし、全国保険医団体連合会(保団連)の調査(6月時点)では2割を超えている。1人5分だと1時間に最多で12人に限定されるため、医師からは「患者の(不当な)総枠規制だ」との批判も噴き出している。

 保団連によると、全国約2700医療機関の回答を集計したところ、3月は58.03%の施設で外来管理加算を請求していたのに、5分ルール導入後の4月には45.0%と2割以上減少。医師不足から今年度の診療報酬改定で「手厚い処遇」をしたはずの産科や小児科では3割近く減っていた。青森県保険医協会の調査では、回答した11の公立病院中、8病院が年間1000万円を超える減収を予想しているという。

 医療現場では「能力がなく、診察に時間のかかる医師が得をする」などの不満も出ており、中医協も調査せざるを得なくなった。今年度末までに、改定前後で1日当たりの外来管理加算の請求回数がどう変わったかなどを調べ、次期改定に反映させる。【吉田啓志】

いつもだまされているから信じませんが、よろしくお願いします。

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実質的なストレート研修を認める方針か
来年度から卒後臨床研修プログラムを「モデル事業」の形で見直し


 厚生労働省の医道審議会医師分科会(医師臨床研修部会)が7月18日開催され、来年度の研修から、スーパーローテーション方式の現行制度を見直し、産婦人科など特定の科に重点を置いた研修を実施できるようモデル事業を行うことを決めた。さらに、地域枠・奨学金を受けている医学生については、マッチング制度の対象外とすることも決定した。厚労省は、これにより診療科や地域の医師の偏在解消を狙う。  

 これは6月18日の「安心と希望の医療確保ビジョン」(『「医師の養成数増加」を提言、閣議決定を変更』を参照)で、医師不足対策として、「臨床研修制度の見直し」を指摘されたことを受けた対応だ。同ビジョンでは具体策までは明記していなかった。

 大学病院などで「モデル事業」の形で見直し

 現行の卒後臨床研修のプログラムは2年間で、「内科、内科、外科および救急部門(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科及び地域保健・医療については、必ず研修を行うこととし、研修期間はそれぞれの科目について少なくとも1月以上とすること」となっている。  

 これを見直し、大学病院を中心に「モデル事業」の形で、医師不足が生じている内科、外科、救急、小児、産婦人科など、特定の診療科を重点的に研修する研修プログラムを認める。前述の必修科については、「1カ月」ではなく、「任意の期間」で済む形にする。「任意の期間」は未定だが、例えば、産婦人科を1年間研修し、残る1年、他の診療科を研修するというイメージだ。

 医師不足が指摘されている診療科を専攻する医師を初期研修の段階で確保するほか、仮に3年目以降、専攻を変えた場合でも、1~2年目の研修医を戦力として活用することを期待した見直しだ。

 今年のマッチングのスケジュールは、7月24日が参加病院の登録締め切り、8月28日が医学生の希望病院の登録締め切りとなっている。日程的に厳しいが、厚労省は早々に通知を出し、大学病院でモデル事業を実施できるようにする予定。

 もっとも、委員からは「総合的に患者を診ることができる医師を養成するという卒後臨床研修の根幹がなし崩しになるのでは」と疑義が呈された。前述の通り、現行で必修とされる診療科の研修は「任意の期間」となっているので、これが短期間で済めば、スーパーローテーションではなく、実質的にストレート研修になるからだ。

 この点に関し、厚労省は、あくまで「卒後臨床研修の趣旨は守る」としている。「モデル事業」で実施するのは、「診療科による偏在解消に効果があるか否かが分からない。効果があれば拡大していく」と説明している。

 そのほか、「特定の科を重点的に研修できるプログラムを設けても、果たしてそれを選ぶ研修医がいるのか」「初期の2年間特定の科で研修しても、果たしてその後も当該科に進む保障はあるのか」などの声も上がった。

 「研修は地域医療を支えるために行うのではない」 

 また、都道府県などから「就職先を限定した地域枠あるいは奨学金を受けている医学生」は、2009年3月の卒業生で4大学38人(次年度は46人)。これらの卒業生の地域定着を図るために、マッチング制度の対象外とする。ただし、奨学金制度の仕組みなどによっても異なるため、マッチングの代わりにどんな形で研修先を選択する形にするかは未定。

 さらに今日の検討会では、「地域枠を導入してはどうか」という提案も上がった。これは、例えば、東京都など研修医が集中する地域・都道府県において、研修医の定員の上限を設け、その分、地方に研修医が流れるようにするという考え方だ。

 もっとも、「地方の大学になぜ研修医が行かないのか、その根本から分析すべきではないか」など、疑問視する声が少なくなかった。さらに、「卒後臨床研修は地域医療を支えるために行うのではない。いかに研修の質を高めるかという視点で、研修のあり方を議論すべきでは」と本質論に言及する委員もいた。

 確かに、卒後臨床研修の必修化で、大学病院で研修する医師が減少し、また都市部に集中する傾向があることから、地方の大学が医師不足に陥った。その結果、「医師の引き揚げ」が起こり、大学医局に医師派遣を依存していた自治体病院を中心に、医師不足に陥った。しかし、「初期研修」という部分、しかも2年間だけの研修を切り離し、診療科や地域の偏在解消に焦点を当て、研修制度を見直すのは果たして妥当なのだろうか。小手先の対応で、研修医が翻弄(ほんろう)されることのないよう、厚労省は留意すべきだろう。

この制度始まったときから困った制度と思っていました。新人医師は振り回されているね。

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