医師の過重労働を許さない取り組みを
勤務医の労働環境を考えるシンポジウム「あなたを診る医師がいなくなる!」が6月28日、東京都文京区の東京医科歯科大で開かれた。医師の過重労働がもたらす弊害や、それをなくすための方策などについて、議論を戦わせた。 主催は「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」。
まず、故中原医師の妻のり子さんが次のようにあいさつした。
「夫中原利郎は、9年前の8月16日に過重労働が原因で過労自死した。昨年3月に国から労災認定はされたが、勤務先の病院は、過重労働を認めてくれない。今、裁判中ではあるが、なぜ病院は自分の所で働いていた小児科医を守ってくれないのだろうか、という疑問をずっと持ち続けている。それがなぜなのか。と同時に、医療者を守るシステムづくりをしていかなければならないのではないかと考えている。そんなことをテーマに、きょうは皆さんと議論を深めたい」
続いて、4人のシンポジストがプレゼンテーションを行った。
資生堂副社長の岩田喜美枝氏は、旧労働省で男女雇用機会均等法の制定に関与、資生堂でも女性が働き続けられる労働環境づくりに取り組んでいる。プレゼンでは女性医師の仕事と子育てをテーマに、「小児科では20歳代では女性医師が半数を超える。女性医師が出産、子育て期間中もしっかり働き続けられるような仕組みをつくっていくことで、医師の過重労働が軽減する」などと述べた。
城西大経営学部准教授の伊関友伸氏は、自治体病院での医師不足の状況を示しながら、こう訴えた。
「小児科医師が過労で辞職しようとしたとき、市民が自らコンビニ受診を控えるような運動を起こしている例がある。本当に医療が必要な患者が、必要な医療を必要なときに受けられるようにするためには、住民、医師、行政それぞれが相手の立場を考えながら行動する。それが地域医療を守ることであり、医師を守ることであり、ひいては民主主義を守ることにつながる」 元都立府中病院長の前村大成氏は、医師の労働環境問題に取り組んできた。「当直は管理当直なのか業務当直なのか。医師の当直は実態として業務当直。また、肉体的にも精神的にも厳しい。当直月8回が、過重な労働でないはずがない。しかもそれが、全国の病院でほぼ常態化していることは問題。記録がないから勤務していないなどというのもおかしい」などと指摘した。
京都市の洛和会音羽病院院長の松村理司氏は、年間5000件の救急搬送を受け入れながら、当直明けの医師を原則帰宅させるなどの自院の取り組みを紹介。「断らない救急は、総合診療科を充実させたからこそ成立している。ドクターが23人という大所帯で、一次、二次の救急に対応している。このほかに救急部に7人の医師を配置しており、30人で救急を診ている。また、総合診療医が専門科の応援などにも携わっており、その結果として、比較的いい医師の労働環境が確保されている」などと述べた。
その後、司会のジャーナリスト、田辺功氏も加わってディスカッションが行われた。
キャリアブレイン
過労です、。みな過労です。
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