新潟県は240万人あまりの人口(何十年もやや微減で維持されている)が山と冬期間の雪に寸断される多くの地域に分かれています。その寸断された医療圏を15の県立病院と15の厚生連立病院が、それぞれ基幹病院や地域中核病院や地域医療病院として担ってきました。新潟県は昭和30年に公営企業法の全部適応を取得して運営してきました。ところが人件費は公務員の給与表のままであり、人件費率は60%を越え、累積欠損金が300億弱になりました。昨年から国の施策を引き継いで、「官から民へ」の流れの中で、新潟一の豪雪地帯である魚沼二次医療圏を皮切りに、医療機関再編と民営化を検討することになりました。魚沼二次医療圏の対象人口は約25万人で、そこにある2,878病床中の30%以上を4県立病院(病床数360床275床199床55床)が占めています。この4県立病院を、基幹病院と地域中核病院にに建て替えて、民営化(公設民営)しようという話になってきました。
私は県立病院全体の再編によって、独立法人化を考えていたのですが、地域に分割しての再編で話が進んでいるので、県が主体で地域の市町村も一緒になって運営し始めた高知医療センターをイメージしていました。しかし、高知医療センターの運営も難しそうですし、院長交代劇も何かすっきりしないので困っています。
国の医療費削減方針はますます厳しくなりそうです。医療全体が冷え込んでいるところへ、医師や医療の偏在の典型のような、豪雪・地震の被災地で過疎・高齢化の中山間地とくれば、民間が入って経営が成り立つ状況にないです。「官から民へ」は大都会での合言葉と理解していますが、医療の公共性は何処に行ってしまったのでしょうか。社会が公共性を失っては、善意で留まっていた善良な勤務医が開業することを非難できませんね。
人口10万人対医師数は、わずかに100名を越えるこの地域で、この病院が立ち行かなければ、地域の医療は崩壊を迎えます。国民は実害を被ってようやく声を上げますが、ここ数年の勤務医離れや地域偏在は明らか意思表示です。小松先生の提言された医療崩壊(検察とマスコミからの攻撃)に加えて、財政諮問会議が主導する「官から民へ」の地域浸透で、いよいよ日本の善意型医療は崩壊するのでしょうか。
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