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Fさんはしばらく抗生剤の点滴に通っていたが、炎症は持続し状態は悪化した。全身倦怠感が強くなり、H(XX+3)年1月、ついに断念して大学病院の呼吸器科へ入院した。入院後、気管支鏡検査を行い、気管支洗浄液からM.aviumという非定型抗酸菌が検出された。またアスペルギルス抗原(真菌の一種)が陽性であった。非定型抗酸菌症と肺アスペルギルス症の合併と診断がつき、その治療薬を開始したところ、症状は徐々に改善し、3月に退院した。そして三たび当院の外来に戻ってきたのだった。
さて、前置きが長かったが、私がFさんと関わるようになったのはこの後であった。Fさんはアスペルギルス症に対してイトリゾールという抗真菌薬を、非定型抗酸菌に対して3種の抗結核剤とクラリスロマイシン(600mg)を処方されていた。非定型抗酸菌症の薬は1、2年続けなければならないと言われていた。
困ったことに、退院後も微熱が続き、咳や胸の痛みは悪化した。更に困ったことに、Fさんは金銭的な問題を抱えていた。抗真菌剤や非定型抗酸菌の治療薬は高価で、後発品を使用しても調剤薬局での支払いが1ヶ月数万円になるのだった。
Fさんの症状は悪化していた。外来でも咳き込んで会話がろくに行えないような状況だった。胸痛や微熱も続いていた。そんな状態で仕事ができるのかと聞くと、仕事はしていると答えた。
所持金が少ないからという理由で検査はことごとく拒否された。
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