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ソセゴン中毒から解放はされたものの、Fさんの術後の疼痛は続いた。その後もずっと非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDS)の服薬を毎日続けていたFさんだったが、H(XX+2)年の夏から咳と発熱が見られるようになった。その年の8月、Fさんは大学病院の高次救命治療センターを受診した。
診療時間内の外来を受診せずにいつも救急外来を受診するのがFさんのいけないところであった。高次救命治療センターはその名の通り高度な救命治療を要する患者さんが運ばれるところである。Fさんのように数日前からの咳や発熱といった症状の患者が受診するところではない。このような患者さんが沢山詰め掛けたら、救急医療は破綻してしまう。
ともあれ、Fさんは救急で胸部CTと血液検査をしてもらい、左胸膜炎と診断された。炎症反応を示すCRPが14.5 mg/dLと高値を示したため入院治療を勧められたが、「仕事の都合でどうしても入院はできない」と断り、抗生剤の点滴を受けて帰宅した。その際、救急の医師から当院宛に「今後は貴院外来で抗生剤の点滴をお願いします」という紹介状も書いてもらっていた。
その後Fさんは数回当院外来で抗生剤の点滴を受け、CRPは3.50 mg/dLまで改善したものの、腺癌の腫瘍マーカーであるCEAが20.9ng/mL(正常値5以下)と高値を示したため、肺腺癌の再発の疑いで再び大学病院の呼吸器科へ紹介された。
同年12月、Fさんは紹介状と供に再び当院の外来へ戻ってきた。CEAは低下傾向で、再発の可能性は少ないだろうということだった。しかし、CRPは16.85mg/dLと再上昇し、左胸膜炎の再憎悪と考えられていた。紹介状にはこうあった。
「仕事の都合上どうしても入院治療は無理、貴院での外来点滴なら可能とのことです」
つづく
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