春野ことり
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2012/02 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

  • 診療報酬を削らないで(替え歌)
    • 321 Assurance (08.22 17:29)
    • videovlc (08.21 01:07)
    • blackhatseonj (07.22 14:08)
    • cankersore (07.17 18:49)
    • solaireek (07.14 03:11)
    • cankersorebh (07.04 10:06)
    • apandaranolllfj (06.28 23:54)
    • areferencenvme (06.21 13:48)
    • amutuellespkc (06.20 18:41)
    • amutuellemadf (06.15 03:51)
< Kさんの思い出 | メイン | 困った患者さん② >
2009.12.15 02:30 |  診療  |  仕事 / 職場  |  天国へのビザ  |  春野ことり  | 推薦数 : 3

困った患者さん①

ながらく更新していないにも関わらず、毎日多くの方にお越し頂いて恐縮です。

 

医者を困らせる患者にも色々なタイプがあるけれど、Fさんは『困った患者さん』の一人だった。Fさんが亡くなって2年以上が経つ。カルテを遡り、Fさんの「困ったぶり」を懐かしく思い出しながら綴ってみる。

 平成XX年5月、49歳だったFさんは「1ヶ月くらい前から息を吸うときに『ブーブー』音がする」という主訴で外来を受診した。胸部レントゲンとCTで異常陰影を指摘され、大学病院の呼吸器科へ紹介となった。左上葉の肺腺癌の診断で、Fさんは同年7月に左上葉切除術を受けた。9月に退院し、『貴院にてCTのフォローアップをお願いします』という紹介状と供に、当院に戻ってきた。

しかし、Fさんが受診したのは深夜の救急外来。術後の疼痛を訴えるFさんに、当直医はソセゴンを注射した。その後も、夜遅くに受診しては「痛い。内服の鎮痛剤が効かない」と当直医に訴え、その都度ソセゴンの注射を繰り返されていた。非麻薬性鎮痛剤(オピオイド)の塩酸ペンタゾシン(ソセゴンまたはペンタジンなど)は連用すると依存症を起こしやすい。Fさんは俗に言う「ソセゴン中毒」になってしまっていた。

Fさんは術後疼痛のため手術した大学病院の外科から麻酔科へ紹介され、神経ブロックに通っていた。しかし、待ち時間の長い大学病院への通院を嫌がり、決まって休日か夜間の診療時間外に当院を受診し、ソセゴンの注射を要求するのだった。

カルテには、ある時から『この患者さんにソセゴンは注射しないでください』と記載された。それでもFさんがしつこく懇願するため断りきれずに打ってしまう医師もいたようだ。

カルテによると、平成XX年の9月末から11月末の2ヶ月間でFさんは合計12回ソセゴンの注射を受けた。注射の指示を出した医師は、ほとんどがその場限りのアルバイトの当直医だった。ある時、バイト医師の采配でソセゴンの注射は依存性を生じないメナミンに変えられた。4回メナミンの注射を受けた後、Fさんは注射の要求をしなくなり、「ソセゴン中毒」は終焉したようだった。「ソセゴン中毒」の患者さんは医師にとっては「困った患者」に当たるのだが、この様な依存症を作ってしまうのは医師自身であることを肝に銘じなければならない。

つづく

 

なかのひと

 

 

人気blogランキングへ←一応ランキング参加中。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/Visa/20091215/1/trackback

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。