最後の文章が、何よりも雄弁と考えました。救急はもともと全くペイしない上に、リスクばかりが高くなっています。途中引用した「事件」は実際に起こった出来事と、それに対する判決です。もし時間があれば読んでみてください・・・実際に医療の現場で出来ることと要求されているレベルの、あまりの隔たりに対する絶望がこの文章から読み取れなければ、その人の知性の問題と考えます。
救急の難しさは、この文章にもあるとおり、患者の容態を瞬時に見切れない点にあると考えます。にもかかわらず、結果が悪ければ訴訟の対象、損害賠償責任という事になるのであれば、はっきり言って誰も救急に関わらないようになります。そういえば、割り箸事件のときも、同じような反応だったと思います・・・担当医は有罪であるべきという主張を臆面もなく繰り広げる者の、何と多かったことか。
その他にも、ここで理解しておく必要のある事項を書いておきます。
・ 搬送する側の態度にも、問題はあること
・ 救急に対応することの出来る病院が、相当少なくなっていると予想される現実
何度かこちらに足を運んでくださった方は、大体わかっておられると思いますが。搬送する救急隊は「患者を引き受けてもらう」ことしか考えていない場合が多く、病院との間に軋轢があります。また全国的に見て医師はどこにも余剰がなく、ましてや危険な現場である救急など、どこも限界を超えた水準で仕事をしているということは、もう理解しておかなければならない事項の一つです。
危険が特定職階のみに押し付けられ、世間一般がそれに対して絶望的なまでに無頓着であるという現実。先生たちの深い絶望の程を、この文章から読み取っていただきたいと思います。果たしてその上で、自分たちは医療側に何かを求める資格があると、断言できるのか?
しっかりと、考えていただきたい問題です。何度か書きましたが、これは我がことでもあります。医師がいなくなれば、患者は野垂れ死に以外に道がありません。それでもいいものかどうか・・・答えは、我々が、示さなければなりません。




コメント
コメント一覧
どうしても、数が増えると『受けるから』という理由で医療崩壊を取り扱ったりする人もいるんじゃないかと思ってしまうんですよね。杞憂なのかもしれないけれど。まあ、こればかりは人の良心を信じるしかない部分ではあります。
(こういうことを書くと、自分が取り上げてもらえないからひがんでる、と受け取る人もいるだろうから、あんまり書きたくはないんですけどね。でもそうではないですよ、これは正直に。)
azuki
~azukiさん、コメントありがとうございます。
「うけるから」という理由で医療崩壊を取り扱ってくれても、皆さんの関心が高まるならばそれはそれでいいのかな、と思っています。
ここで紹介したブロガーの方たちは比較的新しい(私が知るようになってからという意味ですが)方たちです。azukiさんは私の知る範囲では、最も古くから医療者に理解を寄せて下さっている非医療者ブロガーですので、本当に感謝しています。
春野ことり
>わかってもらえるというだけで、頑張れる。
>人間なんて、そんなものではないでしょうか。
僕も本当にそう思います。
これは、こと医療に限った事ではありません。
人間の本質としてそうなのでしょう。
自分は、今受けている”線維筋痛症”に対する医療の事を綴っているだけですが、
この病気を知らない誰かの目に触れればいいなと思って、書き続けています。
ますます寒くなりますが、お身体に気をつけてご活躍下さい(祈)
わんこ
~わんこさん、コメントありがとうございます。
”繊維筋痛症”、なかなか他の人にはわかってもらえない病気ですよね。
わんこさんの「僕も本当にそう思います」という言葉、ずっしりと響きました。
「わかってもらえる」だけで、ずいぶん楽になりますよね。
まだまだ、一般的には耳慣れない疾患だと思いますが、少しずつ理解されるようになっているように思います。
実は、私もネットを通して理解が深まりました。わんこさんのようにブログでつづる事って、有効だと思いますよ。繊維筋痛症について多くの人が理解を示してくれることを心から祈ります。
インフルエンザも流行っていることですし、わんこさんもお体に気をつけてくださいね。
春野ことり
自分が医療崩壊関連の各ブログを見るようになったのは2年以上前ですが、時間とともに各先生の気持ちが傾いていってるのが、何となく見えてしまいます。むしろ、救急なんて現場、早い目に離れた方がいいとさえ思います。どうせ世間一般の理解は、今に至ってもなお不十分なままですし。
実は、そうして気持ちが傾いてしまっている救急の先生とお話したことがあります。仕事上の出来事ですが、いっそのこと救急から撤退してみてはと聞いてみたときに、その先生は全く否定しなかったことを覚えています。そのときの表情がとてもやつれて見えたことも含め、やはり救急は行き詰っているのだと強く感じました。
最後に一言・・・先生方、決してご無理はなさいませんように。本当に守るべき人を、決して見失うことのありませんように・・・
鴛泊愁
~鴛泊愁さんこちらこそ、ありがとうございます。
2年以上前から関心を持っていただいていたのですね。初めて鴛泊愁さんのブログを知ったのは大野病院事件がらみで1年以上前でした。
いつも医療者に心を配っていただき、ありがとうございます。鴛泊愁さんのように、医療崩壊を自分自身に降りかかってくることとして考えて下さる方が一人でも増えてくれれば崩壊も歯止めがかかるものと思います。
春野ことり
私が活動をするのは、医療崩壊したら困るから何とかしたいからですが、それ以外に、医療問題の背景を知らずに精神論で批判する人達への強い憤りが原動力になっています。
自分もそうやって心を折られた経験があるので、精一杯やっているのに叩かれる現場の医療者たちの気持ちを想像すると
本当にやるせないのです。医療者が声をあげても「言い訳乙」と一蹴する人もいて、ならば非医療者が声をあげなくては!と強く思っています。
先日、10ヶ条を転載して下さった方のブログで理解を示す非医療者の声を多数目にしました。
崩壊のスピードに追いつきませんが、ひとりでも多くの人に理解してもらえたら...と思います。
ancomochi
~こんにちは。ancomochiさん=SIROさんですよね?
いつもありがとうございます。
医療崩壊を食い止めるには非医療者の協力が不可欠です。医療者だけの力では何ともなりません。
みなさんがこうして活動してくださるのは本当にありがたいです。
ブロガーアワード、1票入れてきました。応援しています。
春野ことり
(成り行き上、HNがふたつになってしまって何が何だか。。)
投票ありがとうございます。これからも頑張ります。
シリーズの方は先日その8を(やっと)アップしました。バカみたいに長くて、しかも同居人には「なんか初期に比べて面白くない」となじられましたが(^^;;
けどもうちょっと続きます。これからもよろしくお願いいたします。
koume
~koumeさん、お越しいただいて恐縮です。
シリーズまだ続くんですね。いつも感動しながら拝見しています。今後も楽しみにしていますので、よろしくお願いいたします。
春野ことり
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