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麻生発言に隠れてあまり話題になっていないように思いますが、
割り箸事故、刑事2審も無罪でした。
一審判決では、医師の過失(注意義務違反)は認めつつも死亡との因果関係を否定し、被告人の医師を無罪とした内容でしたが、2審では、医師の過失そのものが否定され、被告人側の主張が全面的に認められた形となりました。
救急にも携わる医療者として、胸をなで下ろすような気持ちです。これで有罪だったら、間違いなく日本の救急医療は完全崩壊します。
というより、そもそも、こういう事故が刑事事件となってしまう日本がおかしいと私は思います。
4歳の子供が突然亡くなるということは、ご両親にとっては耐え難い苦しみでしょう。
しかし、その死は誰のせいでもありません。
もちろんお母さんのせいでもないし、医師のせいでもありません。
ご両親が早く心の平穏を取り戻されるようにお祈りいたします。
http://www.asahi.com/national/update/1120/TKY200811200224.html
2008年11月20日15時4分
東京都杉並区で99年、割りばしがのどに刺さった杉野隼三(しゅんぞう)ちゃん(当時4)が受診後に死亡した事故で、東京高裁(阿部文洋裁判長)は20日、業務上過失致死罪に問われた医師根本英樹被告(40)に対し、一審・東京地裁の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却する判決を言い渡した。
隼三ちゃんは、盆踊り大会で綿あめの割りばしをくわえたまま転倒。救急搬送された杏林大医学部付属病院(東京都三鷹市)で当直医だった耳鼻咽喉(いんこう)科の根本医師の診察を受けて帰宅したが、翌朝に死亡した。死亡後の司法解剖で、約8センチの割りばし片が残っていたことが分かった。
公判では、隼三ちゃんの頭蓋(ずがい)内に損傷が起きたことを疑って、必要な治療や検査をする義務があったかどうか▽診療結果と死亡との間に因果関係があったかどうか、などが争点となった。
判決は、刺さった異物が頭蓋内に達したという報告例が事故当時は見当たらず、今回の事故が「特異な例だった」と指摘。当時は口の中の傷に対する診療の基準も確立していなかったと言及した。
その上で判決は、耳鼻咽喉科の当直医として「受診した隼三ちゃんの傷口や意識状態から頭蓋内の損傷を想定し、それを意識した問診をする義務があるとは言い難い」として、根本医師に過失はなかったと結論づけた。
さらに、頭蓋内の損傷を疑ってコンピューター断層撮影(CT)などで検査したとしても、救命できた可能性は低かったと判断し、死亡との因果関係もなかったとした。
06年3月の一審判決は、受診時の隼三ちゃんが、意識が低下したり、嘔吐(おうと)したりしていたことから、根本医師が頭蓋内の損傷を疑って脳神経外科医に引き継ぐべきだったと一連の対応を批判。根本医師の過失を認める一方で、救命の可能性はきわめて低かったとして、因果関係については認めなかった。
判決について、根本医師は「改めて深い哀悼の意を表したい。事故から9年余り、長く苦しい時間だったが、判決でその苦労が報われた思いだ」とする談話を出した。(河原田慎一)
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008112001000479.html
東京都杉並区で1999年、割りばしがのどに刺さった保育園児杉野隼三ちゃん=当時(4)=が杏林大病院(東京都三鷹市)での受診後に死亡した事故をめぐり、適切な診療を怠ったとして業務上過失致死罪に問われた当時の担当医根本英樹被告(40)の控訴審判決で、東京高裁は20日、1審同様に無罪とし、検察側の控訴を棄却した。
阿部文洋裁判長は、診察に過失はなかったと判断。「割りばしが頭の中まで刺さり、負傷したと想定するのは極めて困難。十分な検査をしていたとしても、救命や延命が確実に可能だったとはいえない」と述べた。
1審判決は、医療ミスを認めた上で死亡との因果関係を否定して無罪と判断。両親が根本医師らに賠償を求めた民事訴訟では当時の医療水準などを基に過失を認めず請求を棄却していた。無罪を示す司法判断は3度目となり、医療行為に対する刑事責任追及をめぐる議論に影響を与えそうだ。
判決によると、隼三ちゃんは99年7月10日、杉並区内の盆踊り大会会場で転倒、綿菓子の割りばしがのどを貫き、脳に刺さった。搬送された杏林大病院の救命救急センターで、耳鼻咽喉科の当直だった根本医師は傷口に消毒薬を塗って帰宅させた。隼三ちゃんは翌日、容体が変わり死亡。司法解剖の結果、頭蓋内に7センチ余の割りばしが見つかった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081120-OYT1T00744.htm?from=navr
東京都三鷹市の杏林大学付属病院で1999年、保育園児杉野隼三(しゅんぞう)ちゃん(当時4歳)ののどに割りばしが突き刺さっているのを見落として必要な診療を行わず死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元同病院医師・根本英樹被告(40)の控訴審判決が20日、東京高裁であった。阿部文洋裁判長は「被告の医療措置に過失はなく、救命も困難だった」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を支持、検察側の控訴を棄却した。医療事故の刑事責任追及に対し、厳しい司法判断となった。
隼三ちゃんの父正雄さん(57)と母文栄さん(51)は判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。正雄さんは「医師に過失がないというのは到底受け入れられない」と語り、文栄さんも「判決の結果は残念だが、隼三の死が無駄にならないよう病院や医師が努力して下されば」とうつむいた。
判決が隼三ちゃんの死を「特異な例で医師が想定するのは極めて困難」と認定したことに対し、正雄さんは「私たちは高度な医学処置を望んだわけではなく、もっと問診をしてほしかっただけ。このままでは同じことが繰り返される」と訴えた。
一方、根本英樹医師は東京高裁の法廷に紺色のスーツ姿で出廷。阿部裁判長が主文を言い渡すと、軽く一礼し、判決理由の読み上げの間は、うつむいたままだった。弁護人は判決後、「痛々しい死に対して、深い哀悼の意を表したいと思います。長い苦しい時間だったが、今日の判決でその苦労も報われた思いです」とする根本医師のコメントを発表した。
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コメント
コメント一覧
ご遺族の気持ちもありますけど、少なくともこの件についてはお医者さんを責められないと思います。
というより、立件自体に無理があると思います。
あんとん
~あんとんさん、コメントありがとうございます。
医療者以外の方からそう言っていただけるとほっとします。
春野ことり
判決文を読む限り、検察側の主張が医学的に完璧に退けられました。
法律家の先生方のお話では、N先生サイドの証拠資料がが医学的に完璧すぎて、検察による最高裁への上告は難しいらしいですが、家族は患者団体に働きかけて上告をめざすようですね。
読売の記者はまず、医学的な根拠を出してから、ものを述べてほしいです。
ますます、新聞記事は根拠の乏しい感情論でしかないとの評価が固定しますね。
鶴亀松五郎
~鶴亀松五郎先生、コメントありがとうございました。
そうですか。家族の働きかけで最高裁までいくのでしょうか?もういい加減に終わりにして欲しいものです。
読売の記事は医学的根拠も社会的な背景も無視して、ただ遺族感情をそのまま書いただけのお粗末な報道だと思います。
春野ことり
そもそも、割りばしが喉に刺さるって、どんな綿菓子(でしたよね?たしか)の食べ方してたのか・・・。
はるかかなたに苔むしている幼少のころの記憶をたどると、
(箸などの)長いものを「くわえたまま歩くな」という躾があったように思います。(舐めながらッてのもよくないのではありますが、くわえるほどではなかった)
針は針山に、線香の灰のゴミ飛ばしは風上から、とかと同じ生活上の躾の問題じゃないかと、一番最初の報道時に思いました。
医者が罰せられるor告発されるなら、親の監視&躾の義務違反とかアメリカ並みにできんもんですかね。
yocchann
~yocchannさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
医療者以外の方でしょうか?
一般には同じように思われる方が多いことと思いますが、医師の立場でそれを言うと「患者遺族を誹謗中傷する医師ブログ」のレッテルを貼られますので、私はあえて何も申し上げません・・・。
春野ことり
私 躾をしているつもりちゃんママでして
割り箸事件の後 躾けられているはずの息子が歯ブラシをくわえたまま 布団にダイビングしました
ギャー!!!
当然 歯ブラシはのどの奥へ
ビニールに血のついた歯ブラシを持って 救急車で杏林に行きました
事件後だから ちゃんと診てくれるだろうという打算もありました
歯ブラシを見せ 一瞬の出来事を説明しました
「お母さん ありがとう 歯ブラシ持ってきてくれて なかなか皆さんもってきてくれないんだ」とおっしゃったのが印象に残っています
ファイバースコープでしっかり診ていただき(子供は相当苦しがっていましたが) 安心して帰りました
あの事故をうけ 杏林は真摯に対応していると思いました
躾けてるつもりちゃんママの私も わが子の事故を真摯に受け止め 日々 子の無事な成長を願っています
ぽむ
~ぽむさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
お子さん、大事にならずによかったですね。
親が躾をきちんとしているつもりでも、子供って思わぬことをしでかすんです。だから、割り箸事故でも、親の躾の問題だろう!と言って親を責めるのは気の毒だと思います。ただ、医師にその責任を追及するのはもっと間違っていますが。
春野ことり
そうなんですよね。確かに子どもは何でもやってくれます。
だから、というか、もともと言いたかったのは、
医師の過誤?をそういう形で裁こうとするなら、一方の責任も明確にしろよってことで。
どこまでやれば、公平になるのか。一回探ってみてもいいように思うのです(すごく手間ですけど)。
モンスター患者に対応している間に救えたはずのものがあったなら、その責任はモンスター患者にもあるぞ。とか。
行きつくところは、国の医療行政になってくようには思うのですが、誰かを非難するなら、そこまでやってみてもいいように思います。
以前は医大の研究サポート業務にカスって働いておりました。医療現場の問題というのは、そのころにはあまり知りませんでした。多分今も本質的な(専門的な)ことは、わかっていないのだろうと思います。
ただ、立場がどうであれ可能性と現実の問題をごたまぜにした挙句、一方を一方的に責める権利は、どちらの側にもないだろう、というのがこうした問題に対しての私の感想です。
yocchann
~yocchannさん、再コメントありがとうございます。
yocchannさんの仰ること、まったく正論だと思います。ぽむさんへのコメントのお返事でお気を悪くされたらごめんなさい。yocchanさんを非難しているつもりはありません。むしろ、心の中ではよくぞ言ってくださったと思っています。医師の立場では言えないことなので。(なんせマスコミが「医師ブログが患者中傷している」と鬼の首を取ったように書き立てるので)
春野ことり
たとえどんなに注意していても子供を100%危険から守ることはできません。
突然子供をなくした親御さんは本当に辛いと思いますが、親にも医師にもどうにもできなかった不運な事故だと読めました。
誰の責任でもない、どうしようもない理不尽な悲しいことってあります・・・。
ご遺族に必要なのはグリーフケアだと思います・・・。
SIRO
注(*)内はブログ主によります
~SIROさん、コメントありがとうございます。
私も同じように思います。たとえ誰かの責任にしたところで、お子さんは帰って来ません。
ご遺族にとって必要なのは裁判よりもグリーフケアだと思います。
春野ことり
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