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麻生さんがまた面白い発言をした。
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」というもの。
努力して健康を維持している人が払っている税金が、努力しないで病気になった人の医療費に回っているということが言いたかったようだ。
言いたいことは分かるが、それを言い出すと、私の外来に来る患者さんたちの3割くらいの人が保険診療を受けられなくなってしまう。
血糖値を測ると約300mg/dlあり、「すごく高いです」と言うと、「ええ、来る前に大きなケーキを食べてきましたから」と悪びれずに言う糖尿病の中年女性。
肥満で中性脂肪がいつも500mg/dl以上あるのに飲酒を止めず、運動もせず「いやー、運動する時間がないんですよ」と言い訳ばかりする中年男性。
肺気腫のため禁煙をすすめると「タバコやめるくらいなら死んだ方がましだ」と言う高齢男性。
これらの人は医療費を保険で払ってもらえなくなってしまう。
ヘビースモーカーで肺がんになり亡くなった某ジャーナリストさんなども治療費は自費にすべきだっただろう。
このような人たちの医療を全額自費にすれば、受診に抑制がかかり、医療費はかなり削減でき、医者の数もそんなに要らなくなる。ある意味、非常にいい考えかも知れない。平均寿命は一気に引き下がるでしょうけど。
実際、なぜこんな人に医療費を使わないといけないのだろうと思うことはある。
糖尿病のSさん。Sさんは大量飲酒による慢性膵炎で内因性インスリンが枯渇してしまい、インスリン自己注射を行っていた。仕事もせず、生活保護を受けて気ままに暮らしていた。
Sさんは酔っ払って道で倒れて、通行人が救急車を呼び、救急搬送されてくることがたびたびあった。
「またSさんです」
Sさんを運んで来る救急隊員達からはうんざりした空気が漂い、受ける側も同じ空気を共振する。
「またですか」
こういう時、Sさんの血糖値はいつも500㎎/dlを超えていた。インスリンもうち忘れ、好きな時に好きなものを食べてお酒を飲み、倒れては救急車で運ばれてきた。
酒を飲んだSさんはスタッフに悪態をついた。しかし翌朝、平常に戻ると神妙な顔で「すみません。もうしません」と謝る。
その舌が乾かないうちに、間食禁止令を破って売店でお菓子を買って食べて、血糖値が400台から下がらず。売店に通達が行き、お菓子を売ってもらえなくなると、他の患者さんの食べ残した残飯まで漁るのだった。
退院してしばらくの間は通院するが、そのうち病院に来なくなり、道で倒れ、それを見つけた人が救急車を呼び、病院に運ばれる、それを繰り返した。
一回の救急車の出動で発生する費用は約3万円と言われているが、それならば彼に使われた税金は救急搬送費用だけで年間50万円近くになっただろう。
Sさんはついに自宅で倒れたまま亡くなってしまったのだが、彼は自由に生きることができて幸せだっただろう。こんなSさんでも、医療が受けられる日本は素晴らしい国だと思う。
他にこんな患者もいた。
刑務所から出てきて、シャバの生活がストレスに感じたのか、出血性胃潰瘍で吐血して救急車で運ばれてきた。胃カメラで止血し、輸血を行い、患者は元気になって退院した。
しかし、退院した翌日には、新聞に載っていた。近くの喫茶店に盗みに入って捕まったのだった。
麻生さんが知ったらどう思うだろう。「こんな奴らの分の金(医療費)をなんで払うんだ」と怒るだろうか。
しかし、たとえどんな人であっても、病気で困っていたら手を差し伸べる、それが医療というものだ。
(あれ?どこかで聞いたようなセリフ)
国から「こういう人たちの医療費は支払いません」と言われたら、見殺しにして良心を苛まれるのは現場の救急隊員や医師である。見殺しにできなければ、医療者が自腹を切って治療しろ、ということですかな。麻生さんの発言は、そこまで考えた上ではないと思うが。
とにかく、麻生さんには一国の総理としてよく考えてからものを言って欲しいなあ。
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麻生発言に隠れてあまり話題になっていないように思いますが、
割り箸事故、刑事2審も無罪でした。
一審判決では、医師の過失(注意義務違反)は認めつつも死亡との因果関係を否定し、被告人の医師を無罪とした内容でしたが、2審では、医師の過失そのものが否定され、被告人側の主張が全面的に認められた形となりました。
救急にも携わる医療者として、胸をなで下ろすような気持ちです。これで有罪だったら、間違いなく日本の救急医療は完全崩壊します。
というより、そもそも、こういう事故が刑事事件となってしまう日本がおかしいと私は思います。
4歳の子供が突然亡くなるということは、ご両親にとっては耐え難い苦しみでしょう。
しかし、その死は誰のせいでもありません。
もちろんお母さんのせいでもないし、医師のせいでもありません。
ご両親が早く心の平穏を取り戻されるようにお祈りいたします。
http://www.asahi.com/national/update/1120/TKY200811200224.html
2008年11月20日15時4分
東京都杉並区で99年、割りばしがのどに刺さった杉野隼三(しゅんぞう)ちゃん(当時4)が受診後に死亡した事故で、東京高裁(阿部文洋裁判長)は20日、業務上過失致死罪に問われた医師根本英樹被告(40)に対し、一審・東京地裁の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却する判決を言い渡した。
隼三ちゃんは、盆踊り大会で綿あめの割りばしをくわえたまま転倒。救急搬送された杏林大医学部付属病院(東京都三鷹市)で当直医だった耳鼻咽喉(いんこう)科の根本医師の診察を受けて帰宅したが、翌朝に死亡した。死亡後の司法解剖で、約8センチの割りばし片が残っていたことが分かった。
公判では、隼三ちゃんの頭蓋(ずがい)内に損傷が起きたことを疑って、必要な治療や検査をする義務があったかどうか▽診療結果と死亡との間に因果関係があったかどうか、などが争点となった。
判決は、刺さった異物が頭蓋内に達したという報告例が事故当時は見当たらず、今回の事故が「特異な例だった」と指摘。当時は口の中の傷に対する診療の基準も確立していなかったと言及した。
その上で判決は、耳鼻咽喉科の当直医として「受診した隼三ちゃんの傷口や意識状態から頭蓋内の損傷を想定し、それを意識した問診をする義務があるとは言い難い」として、根本医師に過失はなかったと結論づけた。
さらに、頭蓋内の損傷を疑ってコンピューター断層撮影(CT)などで検査したとしても、救命できた可能性は低かったと判断し、死亡との因果関係もなかったとした。
06年3月の一審判決は、受診時の隼三ちゃんが、意識が低下したり、嘔吐(おうと)したりしていたことから、根本医師が頭蓋内の損傷を疑って脳神経外科医に引き継ぐべきだったと一連の対応を批判。根本医師の過失を認める一方で、救命の可能性はきわめて低かったとして、因果関係については認めなかった。
判決について、根本医師は「改めて深い哀悼の意を表したい。事故から9年余り、長く苦しい時間だったが、判決でその苦労が報われた思いだ」とする談話を出した。(河原田慎一)
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008112001000479.html
東京都杉並区で1999年、割りばしがのどに刺さった保育園児杉野隼三ちゃん=当時(4)=が杏林大病院(東京都三鷹市)での受診後に死亡した事故をめぐり、適切な診療を怠ったとして業務上過失致死罪に問われた当時の担当医根本英樹被告(40)の控訴審判決で、東京高裁は20日、1審同様に無罪とし、検察側の控訴を棄却した。
阿部文洋裁判長は、診察に過失はなかったと判断。「割りばしが頭の中まで刺さり、負傷したと想定するのは極めて困難。十分な検査をしていたとしても、救命や延命が確実に可能だったとはいえない」と述べた。
1審判決は、医療ミスを認めた上で死亡との因果関係を否定して無罪と判断。両親が根本医師らに賠償を求めた民事訴訟では当時の医療水準などを基に過失を認めず請求を棄却していた。無罪を示す司法判断は3度目となり、医療行為に対する刑事責任追及をめぐる議論に影響を与えそうだ。
判決によると、隼三ちゃんは99年7月10日、杉並区内の盆踊り大会会場で転倒、綿菓子の割りばしがのどを貫き、脳に刺さった。搬送された杏林大病院の救命救急センターで、耳鼻咽喉科の当直だった根本医師は傷口に消毒薬を塗って帰宅させた。隼三ちゃんは翌日、容体が変わり死亡。司法解剖の結果、頭蓋内に7センチ余の割りばしが見つかった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081120-OYT1T00744.htm?from=navr
東京都三鷹市の杏林大学付属病院で1999年、保育園児杉野隼三(しゅんぞう)ちゃん(当時4歳)ののどに割りばしが突き刺さっているのを見落として必要な診療を行わず死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元同病院医師・根本英樹被告(40)の控訴審判決が20日、東京高裁であった。阿部文洋裁判長は「被告の医療措置に過失はなく、救命も困難だった」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を支持、検察側の控訴を棄却した。医療事故の刑事責任追及に対し、厳しい司法判断となった。
隼三ちゃんの父正雄さん(57)と母文栄さん(51)は判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。正雄さんは「医師に過失がないというのは到底受け入れられない」と語り、文栄さんも「判決の結果は残念だが、隼三の死が無駄にならないよう病院や医師が努力して下されば」とうつむいた。
判決が隼三ちゃんの死を「特異な例で医師が想定するのは極めて困難」と認定したことに対し、正雄さんは「私たちは高度な医学処置を望んだわけではなく、もっと問診をしてほしかっただけ。このままでは同じことが繰り返される」と訴えた。
一方、根本英樹医師は東京高裁の法廷に紺色のスーツ姿で出廷。阿部裁判長が主文を言い渡すと、軽く一礼し、判決理由の読み上げの間は、うつむいたままだった。弁護人は判決後、「痛々しい死に対して、深い哀悼の意を表したいと思います。長い苦しい時間だったが、今日の判決でその苦労も報われた思いです」とする根本医師のコメントを発表した。
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麻生首相が、医師について「社会的な常識がかなり欠落している人が多い」と発言したそうです。
そんなことを総理大臣が言うなんて、びっくりしました。
麻生さんの周りにたまたまそういう医師がいて、つい言っちゃったというところでしょうか?
なんにしろ、公の場で一国の総理大臣が言うことではありませんね。政治家としての資質が問われます。
しかし、私が許せないのは「常識が欠如」うんぬんの箇所よりも、以下のくだりです。
NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/t10015485901000.html
麻生総理大臣は、総理大臣官邸で開かれた全国知事会との会合に出席し、地方が抱える医師不足の問題について、みずからの考え方を示した際、医師のことを「社会的な常識がかなり欠落している人が多い」と発言しました。
これは、会合の中で出席した知事から「地方が抱える医師不足の問題についてどう考えるか」という質問が出たのに対し、麻生総理大臣が、みずからの考え方を述べた際に発言したものです。この中で麻生総理大臣は、医師不足の問題に関連して「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、はっきり言って、社会的な常識がかなり欠落している人が多いと思われる。とにかく、ものすごく価値判断が違う。それはそれで、そういう方をどうするかという話を真剣にやらないといけない」と述べました。また、麻生総理大臣は「急患が多い診療科は、皆、医者は引く。だとしたら、そういう診療科だけ診療報酬を引き上げるなど、変えてみたらどうか。正直、これだけ医師不足が激しくなってくれば、責任は医師の側にあるのではないか。ただ、目先のことをどうするかというところで、医師不足の声をしんしに受け止めなければならない」と述べました。これについて日本医師会の中川俊男常任理事は、定例の記者会見で「麻生総理大臣がそのような発言をするとは、とても信じられない。事実関係を確認したい」と述べました。日本医師会では、麻生総理大臣の発言について、真意を確認したうえで今後の対応を検討することにしています。麻生総理大臣は19日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「おれの友達にも医者がいっぱいいるが、なんとなく話をしても、ふだん、おれとは波長が合わない人が多いと思った。まともな医者が不快な思いをしたというのであれば、それは申し訳ない」と述べました。
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お久しぶりです。
半月もブログを放置していました。
それなのに、アクセス数が落ちていない・・・(^^;。なぜだ
さて、11月12日、阪南市立病院で医師8人が辞表を出したことが報じられました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081112-00000101-san-soci
阪南市立病院 医師8人が辞表 新市長に反発、再建厳しく
11月12日16時23分配信 産経新聞
医師の大量退職から経営難に陥った大阪府阪南市立病院で、新たに確保した医師が新市長の病院経営見直しなどに反発し辞意を伝えている問題で、医師8人が12日、辞表を提出した。この日就任した福山敏博市長は話し合って慰留する考えだが、市立病院の運営は再び厳しい局面を迎えた。
この日午前中に、辞表が提出された。関係者によると、常勤的に診療をしている医師2人のほか、当直医などで、来年2月末などに退職する意向という。
阪南市立病院は、医師の大量退職で昨年7月に内科が休診。その後、歩合給を導入して医師の平均年収を約2000万円に引き上げる待遇策を掲げるなどして医師確保を進め、今年9月に内科の診察を再開するなど再建に乗り出していた。しかし、10月の市長選で現職を破り初当選した福山市長が、歩合給の見直し検討などに言及していた。
医師らは、福山市長の発言は、給与体系を見直した議会の議決を無視したもので、信用できなくなったなどとして反発。これまでに辞意を表明していた。市側は慰留に努めるが、辞職につながれば、医療収益が大きく減少するなど、運営に支障が出るおそれがある。
先週の金曜日だったかな、みのもんたの「朝ズバ」でこの件について報道しているのを目にしてしまいました。
マイクを向けられた患者とみられるおばさん二人がこう言っていました。
医者って無責任やな~
給料が減るから病院やめるんかい。人の命を助けるのが医者やないんかい。
今は赤ひげみたいな医者はおらんのやろか~
うっ・・・・・・・・と思ったけれど、次に
「そりゃあ、その条件で来てもらうことになっていたのに、給料減らすんはあかんのとちがいますか」
という、まっとうな女性の意見が流れて少し安堵。
締めは、男性市民の
「市長の代わりはいくらでもいるけれど、お医者さんの代わりはいない!」
と訴える映像で終わっていたので、ほっとしました。
それにしても
11月10日には、二階俊博・経済産業大臣が、東京都内の妊婦搬送問題に関して
「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。
忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」
という発言をして、
抗議を受けて慌てて撤回するという一幕もあり
一国の大臣ですらこんな認識ですから!
一般市民が「医者って無責任やな~」と言っていても、仕方がないのかなあと思いました。
でも、こういう意見はマイノリティーになりつつあると感じています。
二階大臣への抗議文はこちら
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ブログ始めたのが、2006年11月14日
気がつけば開設2周年になっていました。